弁理士です。
補償金請求を行うことができるのは、特許の登録後です。
登録前にできるのは、「こんな特許出願が存在していますよ」という通知を相手方に対して行うことです。この通知を行なっておかないと、登録後に補償金請求を行うことが難しくなるからです。
登録前に行うのは、特許法上要求されている通知ですので、通知の文言が脅迫めいたものでなければ、損害賠償請求の対象になる可能性は非常に低いと思います。おそらく、補償金請求のための通知を行ったことを理由に損害賠償請求が認められた事案は、存在していないと思います。
実務上のデメリットは、相手方に情報提供される可能性が非常に高まることです。
中小企業や外国出願関連案件であれば、早期審査を行えば3ヶ月で審査結果をもらえますので、補償金請求の警告を行なって、特許になる可能性を低下させるよりも、こっそりと特許にしてしまった方が特なので、実務上は、そのようにすると思います。
(出願公開の効果等)
第六十五条 特許出願人は、・・・出願公開がされた特許出願に係る発明であることを知つて特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対しては、同様とする。
2 前項の規定による請求権は、特許権の設定の登録があつた後でなければ、行使することができない。
伊藤 寛之(@skiplaw) プロフィール
SK特許業務法人 弁理士
伊藤 寛之 (いとう ひろゆき)
日本弁理士会
■お問い合せ■
SK特許業務法人
【対応エリア】全国
【営業日】10:00~18:00
■事務所について...
もっと見る
お礼
登録前は、補償金請求の「警告」を行える、ですね。私の質問の仕方が間違っていました。 登録にもなっていないのに警告して相手から(特許庁への)情報提供を誘い出したりする人がいるのかどうか、というのが私の質問の真意でした。 そういう意味で、この制度は意味があるのか、使われているだろうか、何の役にたつのだろうか、というのが私の疑問なのです。