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特許法29条の2と出願分割の関係

初めて質問します。弁理士の勉強を始めたばかりの初心者です。 詳しい方々に、おてすきの折にでもビール片手にご回答頂ければ幸いです。 特許法29条の2は、出願から出願公開までの1年6ヶ月間、特許庁内で秘密にされている先願(特許出願or実用新案出願)に対する新規性の判断ですね。 ただ、分割出願と組み合わされると少し特殊な規定になります。 先願の出願Bがあって、その分割出願B’が、自分の出願Aの後に出願された場合、B’は後願だし、分割出願の要件を満たしているかも判らないので、44条2項の規定で29条の2が適用されません。 ただし分割出願B’が特許されれば、特許法39条1項で自分の特許Aは後願として拒絶されます。 一応納得なんですが、逆に言うと、分割出願B’の処分が確定するまでは、自分の出願Aはいつまでも処分が確定されない事になります。 そうすると、48条の2の優先審査を請求しても、ず~っと処分が確定せずに待たされるのでしょうか? 出願公開を請求して早期に公開し(64条の2)、補償金請求(65条1項)したとしても、特許権の設定の登録がず~っと待たされる(65条2項)ので、請求する自分も、請求される側も、いつまでもハッキリしないで困るという問題があります。 補償金は、場合によってはその企業の業績をひっくり返すくらいの莫大な額になる場合もありえますから、株主にまで影響を与えるので早期に決着すべき問題です。 特許法のほころびでしょうか? 審査請求は他人でも出きるので、特許法は『早く決着したければ、めざわりなB’なんんか、審査請求しちゃいな~』と言っているのでしょうか? 一応、”?”を付けた所が、質問です。 その他の部分で私の解釈に誤りがあれば、ご指摘頂きたいと思います。 P.S. 29条の2関連の質問は過去にも何件かありますが、私の疑問は解なかったので、質問させて頂きました。

質問者が選んだベストアンサー

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noname#31628
noname#31628
回答No.3

質問の意味もわからない人がいるようですので、質問者さんに代わって少々解説しましょうか。 「特許法第44条 1 特許出願人は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる期間内に限り、二以上の発明を包含する特許出願の一部を一又は二以上の新たな特許出願とすることができる。 2 前項の場合は、新たな特許出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなす。ただし、新たな特許出願が第29条の2に規定する他の特許出願・・・に該当する場合におけるこれらの規定の適用・・・については、この限りでない。」 つまり、分割出願は29条の2で言う「当該特許出願の日前の他の特許出願」(以下、29条の2の先願と言う)にはならないんです。そのため、質問者さんは「(29条の2に関しては)B’は後願」と言っているわけです。 何故29条の2の適用が除外されているのかについては、青本に解説されていますので、そちらをご覧ください。 また、B’が29条の2の先願にならない一方で、親出願Bが公開前に取り下げられたり放棄されたりして公開されなかった場合に、分割出願B’が存在するのに出願Aが特許されるという不合理なことが起きかねませんが、しかし39条については上記ただし書きで除外されていないので、B’が39条1項の先願となり、出願Aは拒絶されます。 しかし、39条の場合は最終的な特許請求の範囲で比較します(進歩性は関係ありません)ので、厳密に言うとB’の特許請求の範囲が確定しないと出願Aの処分が決まらないことになります。もしもB’の審査が長引いたりしたら、いろいろ不都合があるのではないか?というのが、この質問です。 さて、No.1の補足欄に書かれたことですが、 >極端な話、親出願の出願の翌日に分割出願も可能 たしかに机上論ではその通りですが、わざわざお金を払ってそのようなことをする人は現実にはいませんし、ましてその段階で親出願を放棄してしまうこともありません。分割出願を行う理由を考えてみれば、容易にわかると思います。 他方、公開前に出願の取下げ/放棄を行うのは、公開したくないからという理由がほぼ100%でしょうから、公開したくない出願に基づいた分割出願を行うこともありません。 従って、分割出願をした以上、分割出願の元となった親出願が公開されないことは現実的にはないと断言してしまってもいいでしょう。 特許法は、現実的に起こる諸問題を合理的に解決するために設けられた法律だと思います。弁理士試験の勉強をしているのでしたら、そのような現実的にあり得ない机上論だけのレアケースについてあれこれ考えることはやめた方が試験勉強の効率が上がると思います。 >特許法のほころびでしょうか? 長年にわたって多くの極めて優秀な方々が関わって築き上げられてきた法律に「ほころび」などというものは存在しないと思った方がいいですし、ましてこんな誰もが詳しく勉強するような部分に問題点が残されているようなことは絶対ないです。(笑)

sahara4
質問者

お礼

明快なご回答を頂き、ありがとうございました。 その上、弁理士試験の勉強方法までご指導頂いて、いたみいります。m(__)m まずは浅く一通りなめておいて、繰り返し繰り返し深くして行くのがコツのようですね。(^^)v 法律においては『現実的に起こる諸問題を合理的に解決』もポイントですね。 「ほころび」と発言したのは失礼でした。撤回して、関係者にお詫びします。 発言するにしても「分割出願の制度は現実の要求に応えて設けられた物で、法として最良であるが、どのようなレアケースまでも包含するものではない」ってな程度以下の表現にすべきでしたね。 理系の人間の発想では、レアケースでも問題にしなければならないので、つい発言してしまいました。 なんせ、技術者の仕事は人命や、経済的な損害に至ることがあるので、レアケースでもないがしろにできないのです。突風で脱線して・・とか、浚渫船が電線を切って・・とか、実例を挙げれば枚挙にいとまがありません。新聞には載る程ではありませんが、実は私も前科があります。(--; 法律の考え方ではって事で、頭を切り替えねばなりませんね。 余談ですが、私も年に1・2件特許を書いていて、弁理士さんに相談するのですが、「特許には書かなかったけど、こんな工夫もしてるんですよ」ってな話をすると、『請求項を追加しましょう!!縮減はできるけど、追加はできませんから!!』って必ず言われます。(報酬は請求項1件に付き+αだかだろうなぁと思ってますが)後で考えると、こんな請求項書いても内部の話だから侵害されてても発見できないじゃん、ノウハウとして隠しとけば良かったって後悔する事がありました。 こういう時は、特許にしたい請求項だけ分割出願にして、親出願を取下げてしまえば、公開せずに済むって作戦もあるわけですね。 もちろん、手続に要する費用や、労力に見合えばですし、最初から請求項を吟味しとけば良いので、こんな作戦を実行するのは現実的には無い、レアのレアですが。(笑) (この場合は国内優先権の方が素直かな?元の出願から1年以内の制約内に出願すれば、元の出願は自動的に取下げになりますから) なお、この質問については、できれば他の方にもご回答頂いて、完成度を上げたいと思いますので、あと1週間程度”受付中”にしておこうと思います。

その他の回答 (3)

  • gluttony
  • ベストアンサー率20% (24/117)
回答No.4

「ただし分割出願B’が特許されれば、特許法39条1項で自分の特許Aは後願として拒絶されます。」が誤りですね。分割の要件を満たさずに特許された場合が漏れていると思います。

sahara4
質問者

補足

文章がよく分からなかったのですが、 『分割の要件を満たさずに特許された場合』とは、 『分割の要件を満たさずに新たな特許出願された場合』ですね。 分割出願B'が分割の要件を満たしているか否かの判断も、審査請求されて審査されなければ確定しないので、自分の出願Aとの関係が確定するのはその後となるでしょう。 従って質問の趣旨である、B’の審査が長引いて不都合があるのでは?という問題は残ります。 また、B'が分割の要件を満たさなければ、遡及効が適用されないので、自分の出願Aが先願となって39条1項で勝てます。 ついでですが、『分割の要件を満たさずに特許査定された』じゃ、分割出願B’の前にあった出願Aの存在を審査官が見過ごして、誤って特許したことになりますね。

回答No.2

間違えていたら申し訳ないのですが。 先願の出願Bを分割し、例えば分割後はB´とB´´の二つの特許出願にわかれますよね。 この時、新規事項を追加する事は不可能ではないでしょうか。 したがって、出願Aの新規性、進歩性は先願の出願Bで判断できるような気がします。 >先願の出願Bがあって、その分割出願B’が、自分の出願Aの後に出願された場合、B’は後願だし、 分割出願B’の優先日は最初の出願日なので、出願Aが後願だと思います。 >ただし分割出願B’が特許されれば、特許法39条1項で自分の特許Aは後願として拒絶されます。 分割出願B’が特許されなくても、分割出願B’により新規性、進歩性が否定されたら特許Aは拒絶されると思います。

sahara4
質問者

お礼

御礼が遅くなってごめんなさい。 私の文章があまり良くなくて、質問の趣旨がきちんと伝わりませんでしたね。お詫びいたします。 最初に、No3の回答を読んでいたら良く分かったかもです。(笑)

noname#31628
noname#31628
回答No.1

分割出願をするのは多くの場合審査が始まってからであり、分割出願をした時点で親出願(B)についてすでに出願公開がされているため、出願Aは親出願Bにより29条の2で拒絶される。そのため、分割出願がどうなろうと関係ない。ということではないでしょうか。

sahara4
質問者

補足

早速のご回答ありがとうございました。 おっしゃる通り、出願の分割は審査が始まってから、諸般の事情で分割する作戦に出るようですね。さらに今年の法改正で、拒絶査定を受けてからでも分割できるようになりますから、分割出願はなおさら奥の手になることでしょう。 ただ、法文上は、補正をすることができる期間内ならいつでも分割出願できるので、極端な話、親出願の出願の翌日に分割出願も可能ですよね。 そして、親出願が取り下げられてしまえば、親出願は公開される事もないので29条の2には該当しなくなる。 残った分割出願(B)は後願なので、29条の2には該当しない。 現実にはほとんど無いケースでしょうけど、気になるなァと言うのが、この質問の趣旨です。 ここで、私は“公開前に出願が取り下げられた場合は公開されない”と解釈しています。 この解釈が間違っていて、親出願Bが必ず公開されるのでしたら、この質問も即終了です。(笑)

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