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タンパク質の消化について
一般に変性したタンパク質は酵素の働きを受けやすくなるみたいなんですが、それはどうしてでしょうか? eg)胃液(塩酸)によるタンパク質の変性etc
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No1です。 お礼ありがとうございました。 さて、お礼内容にありました 「卵を茹でると固くなってしまいますが、それでも変性した時の方が結合を切り易いのでしょうか?」 について回答いたします。 仰るとおり、卵をゆで続けると固ゆで卵になります。 そして生卵より返って分解に時間がかかってしまいます。 今回のご質問内容である 「一般に変性したタンパク質は酵素の働きを受けやすくなる」 というのは程よい熱変性を前提としたものであります。 今回の例ですと、卵なのですが 卵をほどよく茹でると半熟卵になります。 そして、一般的に生卵よりも半熟卵の方が消化吸収が良いとされています。 先の回答通りに程よく蛋白質がほぐれた状態ですね。 しかし、それ以上加熱するとどうでしょうか。 ゆで卵は蛋白質がさらに熱変性して不溶性になってしまったものです。 水に溶けなくなってしまった状態ですね。 生体内の蛋白質は基本的に水に馴染み易い(親水性)部分を外側に 水に馴染みにくい(疎水性)部分を内側にして複雑に絡み合ってます。 ここに少し熱を加えると若干ほぐれた状態になり まだこの時点ではなんとか水に馴染みやすい部分も外側にあるので 水と全然馴染まなくは無いですが、若干水に溶けにくくなった状態という 微妙な状態になります。 ここからさらに熱を加えると完全に構造が壊れてしまい 水に馴染みにくい部分が外側に露出してきてしまいます。 胃液などに含まれる蛋白質分解酵素はもちろん液体に溶けた状態ですが 分解する蛋白質が溶けにくい性質を持っていると、酵素自体と混ざりにくく 逆に分解しにくくなります。 ですので、今回の回答は「変性具合による」です。
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- meketarou
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専門家ではないのでたいした回答は出来ないのですが・・・、 他に回答も無いようなので自分なりの予測として回答してみます。 既にご存知かと思われますが、基本的に蛋白質は20種類のアミノ酸が ペプチド結合で繋がった配列からなっています。 でもこのままじゃただの1本の細長いアミノ酸の羅列が出来るだけですよね。 蛋白質は高次元構造って呼ばれていて、複雑な構造をしているんですが それはなぜかというと、仲のいいアミノ酸同士が結合したりと 他にもいくつか蛋白質を形作っている結合があるからです。 アミノ酸の1種であるシステイン同士は仲がよくて S-S結合(ジスルフィド結合)と呼ばれる結合で繋がっちゃいます。 髪の毛は蛋白質で出来てますが、このS-S結合はくせ毛の元になっちゃってます。 結構頑固な結合です。 他にも水素結合やイオン結合、疎水結合っていう結合もあります。 ちょうど1本の糸が複雑にこんがらがってしまった状態だと 想像すると分かりやすいかと思います。 で、蛋白質を形作っているのはこれだけじゃなくて さらに他の蛋白質とくっついている場合もあります。 蛋白質は先にも書きましたが高次元構造と呼ばれているだけあって、 本当に複雑な構造をとっており、それ故に 同じアミノ酸配列を持つ蛋白質でも、この結合の緩み具合や 一緒になっているほかの蛋白質、その他様々な条件により その本来持っている役割が変わってくる異性体が存在する事になります。 つまり、同じ1本の長い糸でも こうこんがらがったのと、ああこんがらがったのとでは 同じ場所で同じ投げ飛ばし方をしたのに挙動が全然違ってくるという訳です。 ここまで書いて一度話を戻します。 質問内容に「一般に変性したタンパク質は酵素の働きを受けやすくなる」とありますので この「酵素」というのはタンパク質を分解するプロテアーゼの事だと判断させていただきます。 (ちなみに酵素はタンパク質の一種です) 分解酵素っていうのはよくハサミに例えられて説明されます。 そしてこのハサミはほぼ毎回決まった場所をちょん切ります。 どこでも適当に切っているわけではないです。 例えばですね、とある蛋白質の一部に T-P-S-K-E-D-R-A-S-I-W-S-G-C という アミノ酸配列があったとします。(このアルファベットはアミノ酸の略号です) この配列があった場合にT-P-S-K-E-D- と -R-A-S-I-W-S-G-C の間でちょん切る酵素が あったとします。 しかし、一直線に繋がっていたら上手く切りやすいのですが・・・。 この中のSとS同士が先のS-S結合をしていたり TとIが疎水結合をしていたり・・・。 これだと上手く切れません。 切ったとしても他の場所で繋がっていては 大きな構造を持った蛋白質に小さな傷をつけただけです。 そして、これらの複雑に絡み合った蛋白質の構造を和らげるのが変性なのです。 よくコンビニでそうめんを買った時にほぐし水がついてきますよね。 変性するとあんな感じで蛋白質が若干ほぐれていくんです。 今回質問者様は消化について語られていますので 恐らく主に栄養素としての蛋白質の質問だったと思いますが 胃液による蛋白質の変性はPH値が変化することによって変性が起こるのです。 植物性蛋白質には細胞壁やら色んな厄介なものがくっついた状態で胃袋に入ってきます。 ですので動物性蛋白質のほうが植物性蛋白質より吸収効率が良いと言われていますよね。 同じ蛋白質でも、その種類はかなり沢山あります。 また栄養素としての蛋白質は、蛋白質だけを単体で摂取するということは あまり無いかと思います。 ですので、一概に蛋白質だけを取って考えても 予め熱変性を加えたから、生野菜より焼肉の方が吸収効率は良いとか そういったことにはならないと思います。
お礼
ご回答有難うございました。 >複雑に絡み合った蛋白質の構造を和らげるのが変性なのです 例えば、卵を茹でると固くなってしまいますが、それでも変性した時の方が結合を切り易いのでしょうか?
お礼
ご回答有難うございました。 丁寧に教えて貰えたのでよく分かりました。 ありがとうございました。