- ベストアンサー
レマルクの言葉の出所とアイヒマンの引用について
- エーリッヒ・マリア・レマルクの言葉「一人の死は悲劇だが、100万人の死は統計上の数字でしかない」とは、彼の作品ではなくアドルフ・アイヒマンの引用であることが近年の研究で明らかになりました。
- ウイキペディアによると、アイヒマンの裁判で彼は「一人の死は悲劇だが、集団の死は統計上の数字に過ぎない」という言葉を残しました。
- なお、ヨシフ・スターリンも同様の言葉を残していましたが、実際にはこの言葉はドイツの反戦作家レマルクのものであることが証明されています。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
Der Schwarze Oberisk, Geschichte einer Verspateten Jugendの邦訳。 『黒いオベリスク、ある遅い青春の物語』山西英一訳。河出書房新社。昭和33年(1958年) 但し、古書店(展)でも見掛けません。図書館などで捜された方が良いでしょう。 参考。レマルクの主な訳書。 http://homepage1.nifty.com/ta/sfr/remarq.htm (柳田泉氏の訳書は英訳本からの重訳、他は独逸本からの訳) 御参考にならば幸甚です。
その他の回答 (3)
- takurinta
- ベストアンサー率71% (64/90)
No.1です。 また少し調べました。 参考URLで「100の死は惨事、100万の死は統計」とアイヒマンが言ったとしてありました。それに対し、「それはスターリンの言葉だし、『一人の死は悲劇』が正しいよ」という突っ込みがあり、それに答えて、「出典はGuido Knoppの本です」と言っていました。 Knoppは「ヒトラーの共犯者 12人の側近たち」の著者なわけで、もしかしたら、この言葉の初出はクノップかもしれません。 また、「1944年にアイヒマンがそのようなことを言った」という誰かの証言が裁判の場でなされていたとしても、その証言をした時には証言者の記憶にスターリンの逸話が混入していた可能性もあります。 WEBでの調査には限界があるので、本気で知りたいなら、ちゃんとした文献調査が必要なようです。
お礼
takurintaさん、お礼が遅れてしまい申し訳ありあません。 実は、あの後、地元の図書館の司書のところに行きまして、アイヒマンの裁判記録の邦訳はあるのかどうか聞きましたところ、あるにはあるが国会図書館にしかないとのことでした。そしてそれは今、デジタル化作業にかけられており、それが出来上がるのが7月末だそうです。7月末になったら、それをWEB上でみることが出来るのか、貸し出し可能になるのか、調べて見たいと思います。アイヒマンが裁判で言ったというのであれば、それをしらみつぶしにあたってゆけば分かるのではないかと思います。 ウイキペディアにある記事は、出典が書いていないので、意外とほんとうかどうか分からないことがあるようです。 エーリッヒ・マリア・レマルクの言葉は確認できました。「黒いオベリスク」(山西英一訳、河出書房新社1958年)上巻p277.「たったひとりの死者は死であるのに、二百万はただの統計にすぎない」とありした。 これにて、一端みなさんからお答え頂いたことに対するお礼として、終わりたいと思います。 みなさん、ありがとうございました。
- takurinta
- ベストアンサー率71% (64/90)
No.1です。 また少し調べました。この言葉の来歴についての調査がありましたので、参考まで。 どうやら、一次ソースにあたらないと、本当のところはわからないようですね。こうなってくると、アイヒマンの言葉も実際の裁判記録にあたらないといけないのかもしれません。英語版Wikipediaにはそのような証言をしたという逸話が載っていないので、どこかから紛れ込んだ可能性もあるのではないかと思われます。
- takurinta
- ベストアンサー率71% (64/90)
元ネタはDer schwarze Obelisk (黒いオベリスク) という作品のようです。日本語に翻訳されているかどうかは知りません。
お礼
takurintaさん、早速のご回答ありがとうございます。 参考URLを見ました。英語が不得意なので正確には理解できませんが、大体分かりました。いずれにせよ、アマレクの「黒いオベリスク」は1956年の発行とありますから、スターリンはその3年前の1953年に亡くなっていますのでスターリンがアマレクの言葉を引用することは出来なかったことは明白なようです。 一方、アイヒマンは、1944年8月に問題の発言をしています(「ヒトラーの共謀者」(下)原書房p69)が、その時にはアマレクの「黒いオベリスク」は発行されていないので、これはアイヒマン独自の考えのように思えます。
お礼
LN-TFさん、早速のご回答ありがとうございます。 お教え頂きました『黒いオベリスク、ある遅い青春の物語』山西英一訳。河出書房新社は、私の市の図書館にもないようです。どのような文脈の中で言われた言葉なのか、興味がありますので、もう少し捜してみたいと思います。 スターリンとアイヒマンの発言との関連は、takurintaさんへのお礼に私の推定を書きました。間違っているかもしれませんが・・・。