ラプラス方程式の解の最大・最小の定理
ラプラス方程式 {((∂^2)u)/(∂r^2)}+(1/r)*{(∂u)/(∂r)}+{1/(r^2)}*{((∂^2)u)/(∂θ^2)}=0 (0<r<A,0≦θ<2π)
境界条件 u(A,θ)=f(θ) (0≦θ<2π)
これを満たす極座標表示された有界な関数u(r,θ)の解は、ポワソン積分
u(r,θ)=(1/2π)*∫[0→2π][(A^2-r^2)/{A^2-2Arcos(θ-ξ)+r^2}]*f(ξ)dξとなる。この式をPとする。
※f(ξ)dξのξは、上のポワソン積分の公式を導く過程の積分計算で変数θと区別するために用いた。
ここで、式Pにr=0を代入して、u(0,θ)をu_qとおく。
u_q=u(0,θ)=(1/2π)∫[0→2π]f(ξ)dξとなる。
ここで、(1/2πB)∫[0→2π]f(ξ)Bdξと変形し、Bdξ=dLとおくと半径Bの円周に沿った1周線積分となり、この積分路をCとおくと、
u_q=(1/2πB)∮[c]u(B,ξ)dLとなる。
この式は領域Dで定義されたラプラス方程式{((∂^2)u)/(∂x^2)}+{((∂^2)u)/(∂y^2)}=0の解uについてD内の『任意』の点Sにおけるuの値をu_qとおくと、このu_pはまわりのuの値(点Sの回りの任意の半径Bの円周上のuの値)の平均値として算出される事を意味している。
※ここで質問です。"『任意』の点Sにおけるuの値をu_qとおく。"とありますが、どうして任意の点Sでのuの値をu_qと仮定し、これをu_q=(1/2πB)∮[c]u(B,ξ)dLの式と関連づけることができるのでしょうか?この式はポワソン積分の公式においてr=0としたからこそ導けたものだと思うので、極座標でr=0の点(原点)でしか定義できないのではないかと思ったのですが、領域D内の任意の点Sでu_q=(1/2πB)∮[c]u(B,ξ)dLの式を考える事は可能なのでしょうか?
続きです。
領域D内の点Sで最大値u_maxを取ると仮定する。
この時、点Sの回りに半径Bの円Cをとり、円C上のuの最大値をu_aとするとu_max>u_aとなる。u_q=(1/2πB)∮[c]u(B,ξ)dLより、u_max=(1/2πB)∮[c]{u(B,ξ)}dL≦(1/2πB)∮[c](u_a)dL=(1/2πB)*(u_a)∮[c]dL=u_a
u_max≦u_aとなるので領域D内で最大値u_maxをとると仮定した事に矛盾する。
よって、ラプラス方程式の解uは領域D内で最大値をとることはなく、境界で最大値をとる。
最小値についても同様である。
※ここでも同じ質問ですが、領域D内の点Sは任意の点であるにも関わらずなぜこの点でのuについてu=(1/2πB)∮[c]u(B,ξ)dLの式を用いることができるのか教えてください。