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歴史は繰り返される
「歴史は繰り返される」 という言葉があります。 この言葉は、戦争など人間が引き起こした大惨事に対して 歴史を学ばない人間を憂いてよく使われますよね。 私はこの言葉から 『歴史は繰り返している』 ということは同時に 『人間の本質は変わってない』 ということ つまり、人間の基本的な本質の普遍性を表すものではないか と考えたのですが、この考えは唯物史観を提唱したマルクスの思想{マルクス主義}に値するのでしょうか? 偶然、歴史哲学や歴史思想などについて調べていたときに ふとこのことを疑問に思ったので、 マルクス主義などについて独自で調べたりしたのですが、 理解力と知識が乏しいもので、理解できませんでした; ちなみに私は、俗に言う左翼と呼ばれる思想を持ってはいません。
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- caesar-x
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『歴史は繰り返される』という言葉は、有名ですが、間違って引用されることが多い言葉です。多くの人が、間違って理解してます。 まずそこから考えるべきです。 マルクスが言った言葉は、正確には、「歴史は二度繰り返す。最初は悲劇として、二度目は喜劇として」 です。 そしてこの言葉はさらに前の時代の人である、エドマンド・バークのこれまた有名は発言を、念頭において言われています。 バーグの言葉が、「歴史から学ばぬ者は、歴史を繰り返す」というものです。 ここに大きな誤解と間違いがあります。 まずマルクスの言葉は、バークの発言の趣旨と同じで、悲劇から学ばぬ愚か者(対象はおそらく政治家だろうと思われますが)をあざ笑ったものであり、歴史が普遍的にどうこういう発言ではないのです。 バークの言葉も同様であり、過去を顧みないものへの痛烈な批判です。繰り返すのは人間であり、それも特定の人間、”歴史を学ばぬもの”です。これは明確です。 振り返って、『歴史は繰り返される』という誤った引用では、主語の変化、ミスがあります。ご存知のように、欧州言語では、無生物主語であっても、真の主語は、ほぼ常に人間です。動作主は誰かでがあるのであり、日本語のように無生物主語自体が何かの行動をするような構文は普通ではないのです。歴史というものが勝手に繰り返すなんてことは、ありえないわけで、歴史が繰り返されたとしても、その動作は人間であり、歴史自体ではないです。歴史という概念は、無形であり、実在するものではないからです。 『歴史は繰り返される』という日本文では、歴史というものが普遍的に繰り返される性質のものであるという誤解が生まれます。 しかしマルクスもバークも、そういうことは言っていないのです。 はっきり言えば、『歴史は繰り返される』などという格言は、”ない”のです。安易な書き換えであり、間違った引用であり、誤解です。 人間が歴史(と同じことを)”を”繰り返すとするならば、それはバークの言うように、歴史を学ばぬ愚か者のせいであり、マルクスが嘲笑するように喜劇なのです。 よってこの言葉、『歴史は繰り返される』をもって、運命論や人間の本質を語るのは、ピントがずれています。
- tyr134
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>この考えは唯物史観を提唱したマルクスの思想{マルクス主義}に値するのでしょうか? 逆ですね。 マルクスの唯物史観は、誤解を恐れずに簡略化して言えば、「歴史は一直線であり、(理想郷である)共産社会へと至る」となりますね。 具体的には、 「原始共同体型→奴隷制型→封建制型→資本主義型→社会主義型→共産主義型」(これらは社会を規定している経済の「形」です) へと、漸進的に発展していくと考えました。 人間は、生活するためには必需品を生産しなければなりません。 その時、かならず「自分たちの意志」に依存せずそれから独立した自然的・物理的で、必然的な一定の諸関係が生じます。これを「生産諸関係」と呼びます。 人間達は、その社会の発展段階に応じたこの「生産諸関係」に規定されながら歴史を紡いでいくとしました。 んで、「それ」を土台として法律とか政府とかの「上部構造」が形作られると考えました。 つまり、「土台」である「経済形態」が建築物である「法律・国家」を規定するわけです。 まぁ、上部構造とか生産関係とか小難しいことは(少しふれましたが)すっ飛ばして説明するとこんな感じになるかと思います。 歴史哲学に興味があるのでしたら、下記の書をお薦めしますよ。 渡邊二郎 著『歴史の哲学 ――現代の思想的状況』 講談社 1999. 著者の渡邊氏は哲学研究家であって歴史研究者ではありません。 それ故、ランケ流の実証主義に陥りがちな日本の歴史学会の影響から幾分か自由な立場で本書は書かれています。 20世紀の主な歴史家・哲学者を取り上げ、「歴史とは何か、歴史といかに付き合うべきか」という根本的な問いを投げかけています。 そのなかに、マルクスとその唯物史観についても分かり易くコンパクトに纏められています。 お薦めの一冊ですね。 E・H・カー 著 清水幾太郎 訳『歴史とは何か』岩波書店 1962. なんかも、面白くてお薦めですよ。 と、なんか話が横道にそれた感がありますが、参考になれば幸いです。
- tanuki4u
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疎外 http://thesaurus.weblio.jp/content/%E7%96%8E%E5%A4%96%E6%84%9F 日本人の日常語としては、上記にあるような感じです。 社会学では、生の人間から何かが分離することを言います。 だから、WIKIPDEIAで 「人間が作ったもの(商品・貨幣・制度など)が人間自身から離れ、逆に人間を支配するような疎遠な力として現れること。」 なんてことを書いてありますが、平たく言えば、印刷工が印刷工場でお札を印刷すると、印刷工が「これを印刷するのに、1分でやったよ」なんてことは関係なく、一万円札は一万円として社会で評価され、印刷工は1分で作った一万円を時給1000円であれば、10時間働かないと、印刷した一万円札をもらえない、つまり10時間×60分 600枚 一万円札を印刷したのに! マルクス主義はその背景として、ヘーゲルの弁証法を持っています。 弁証法とは A という状況にありました B というAを否定する状況が生まれる AもBも満足する C という状況になりました。 A テーゼ B アンチテーゼ C ジンテーゼ ヘーゲルは A,B,C を 観念で考えましたが、マルクスはブツで考えました。 なので、唯物論的弁証法であると自分たちを定義しました。 俗に言う左翼の歴史家は「信長があーだ 秀吉が あーだ というのは間違い。」「戦国時代における、農業生産の進展によって、国人層レベルの領域での支配構造では商人層が利益追求のためには満足できなくなったので、国レベルの戦国大名統治が生じた。さらに、商業基盤の発展によって、日本国全体を経済単位とすべく、統一が進んだ」なんて言い方をします。 農業生産という、ブツの話で歴史を語るわけです。 ※ なので、マルクス主義の歴史書は読んでいても楽しくありません、英雄が出てきませんから。 A テーゼ:郡領域レベルの国人層による領域支配 B アンチテーゼ:農業生産の発展により、郡の領域を越して、コメを移出したい、他の郡でのほうがコメが高く売れる。 C ジンテーゼ:んだったら、国単位での支配構造が欲しいよね ということで、 A+B→C というように、信長とか秀吉という英雄が出てこなくても必然的に歴史は発達するというのが、彼らの考え。 そして その発達の工程、プロセスは 奴隷制社会→封建社会→資本主義社会→社会主義→共産主義 となることになっている 2ch的に書けば 奴隷制社会 ↓ 封建社会 ↓ 資本主義社会 ← イマココ BY マルクス ↓ 社会主義 ↓ 共産主義 資本主義が成熟すると社会主義になって共産主義になるこれは、一個人が云々ではなく、生産様式の変化という人間から阻害されたルールで進むんですよ わかったかな エンゲルスくん なんて事を言っていたらしいが 実際には、共産主義革命が 封建社会に毛が生えたようなロシア さらには 封建社会の中国で起こっちゃったので、想定外じゃん という感じ
- 畑山 隆志(@deltalon)
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前段まではOKだけど、それがなんでマルクスなの? マルクス主義など、いわば歴史は発展するものだ、歴史は闘い、などと思い込み、決めつけただけ。最近の検察と同じで、事実を確かめることなく、思い込みに事実を無理矢理あわせようとした宗教みたいなもの。 こんなもんマルクス主義に重ねるなんて、マルキストが嫌がるよ。 人間の本質が変わっていないのはだれでも知っている一般常識。もし本質が変わっていたら、過去のドラマや未来のSFにでてくる人の動きが理解でき、納得できるはずがない。それでも感動できるのは本質が変わっていないということ。 事実から法則をつくるのが当たり前。理屈に現実を合わせているようではネ。
- tanuki4u
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マルクス的な解釈を行うのなら http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%96%8E%E5%A4%96 疎外が実現されたということになるのかな。 個々人の意思とは関係なく、法則に基づいて社会が変化する。 しかし、マルクス的には、歴史は繰り返さないことになる。 歴史的必然によって、共産主義社会になるのであるから http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%94%AF%E7%89%A9%E5%8F%B2%E8%A6%B3
- aokii
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歴史は繰り返していないと思います。もし、歴史が繰り返されているのなら、もう第3次世界大戦になっているのでは。
お礼
早速の御返事ありがとうございます。 確かにそうですね。 もし、繰り返すのであれば第三次世界大戦は始まっているわけですよね。 そこで、また疑問なのですが、 厳密にいえば、歴史は繰り返さないと思います。 けれど、テレビなどで(学校の授業などでも) よく『歴史は繰り返す』ときくような気がするのですが、 私が過剰に意識しているだけでしょうか。 また質問してしまい、すみません。
お礼
御回答ありがとうございます。 この『疎外』という言葉は、お恥ずかしいことではありますが、 初めて耳にしました。 なるほど。 ではマルクス主義は歴史は繰り返さないとしているんですね。 申し訳ないのですが、 >>歴史的必然によって、共産主義社会になるのであるから についてもう少し説明していただけますか? そこの部分があまりよくわからなくて;