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室生犀星の詩の中に出てくる「完全されて」の読み
室生犀星の「すぐれた実在」という詩があります。 一本の蜜柑の木であるが 一二三ばかりの実がなつている 黄ろい日光のやうな色をして 考え深さうになつてゐる そのまるまるした格好がすなほに枝の上に離れられないもののやうに見える みてゐると冬といふ季節の一番すぐれた温かさが感じられる ものの円味がああも完全されて ぽつかり空間をしきつてゐるのを見ると …… …… という詩です。 ここの7行目を見ると「完全されて」とあります。 これは「かんぜんされて」と読んでよろしいのでしょうか? あるいは、そういう読み方は他でなされてますか?犀星のオリジナルなのでしょうか? ご教示頂ければ嬉しいです。
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質問者が選んだベストアンサー
「完全する」(かんぜんする)というサ変動詞があります。日本最大の国語辞典『日本国語大辞典』(小学館)に載っています。小さな辞典にももちろんよいものはありますが、大きな辞典も引かないとだめです。 「完全する」の意味は「全うする」(まっとうする)とだいたい同じです。
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- cxe28284
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完全は名詞又は形容動詞ですので、「完全された」では意味が通じないのではないかと思います。 何かの当て字ではないかと思います。一番近い言葉は「まっとうされて」ではないかとおもいます。 完成されての思い違いではありませんよね。回答になってなくて御免なさい。
お礼
ご回答大変ありがとうございました。No.2の回答者様のご回答にある通り、「サ変動詞」に「完全する」という動詞があるようです。つまり、解決することが出来ました。 また何か質問することがありましたら、またよろしくお願いいたします。
補足
はい、思い違いではないです。質問文の引用部分は一言一句違えてないです。室生犀星の書いたままです。 おそらく当て字なのではないかとは思いましたが、やはり、お詳しい方でも、そのように感じられると言うことは、あまり一般的な書き方・読み方ではないと言うことなのでしょうね。 「完全」の部分を「まっとう」として詩の一部を書いてみますと。 「…… ものの円味がああも『まっとう』されて ぽつかり空間をしきつてゐるのを見ると すこしの胡魔化しも、うそもない 在るものはそのままで美しい」 となります。 こんどは「まっとう」では意味が通じなくなるようにも思います。 ちなみに上記引用部分を合わせて、「すぐれた実在」という詩は最初から最後まですべてということになります。全体を読まれて、「完全」の部分はいかがでしょうか?)
お礼
ご回答ありがとうございました。たしかにサ変動詞の「完全する」を確認出来ました。 最近はネット辞書にのみ頼っているので、なかなか大きい辞書にあたる機会が少なくなってダメですね。 今回は大変助かりました、重ね重ねですが、ありがとうございました。