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大分県の方言「おじい」は「怖い」と書くのでは?
大分県では、「こわい」ことを「おじい」と言いますが、これは方言で漢字があるとは思っていませんでした。 ところが、昨日TVで「怖気づく」という文章が画面に出たとき、「怖」を「おじ」と読む事があるということに気付きました。 同時に、「おじい」という方言は、「怖い」と書いていたのではないかとも思いました。 そして、単に方言ではないかも知れないという疑問も湧いてきました。 今では古里を離れて、何十年も使うことなど無い言葉ですが、何かご意見を頂けると嬉しいです。
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文語(古語)に「怖づ」という動詞があります。 現代口語では「怖じる」です。 「盲蛇に怖ぢづ」で知られています。 おおせのように「おじけ」「おぞけ」もあります。「怖気」と書きます。 「怖じ怖じ」という副詞もあります。 しかしながら「怖じい(おじい)」という言葉は、辞書では認知されていないようです。 「怖づ」という動詞が古語にあります。 多分これか、これの根元のようなところから転成した形容詞が「怖じい(おじい)」ではないかと思います。 この形容詞が古い時代に九州地方で使われ、それが残っているのかなあと想像しました。 今、若者言葉で「ぴんくい」という言葉があるようです。「ピンク色の」という意味なんでしょうね。 方言には、昔国中で使われた言葉が残っています。 琉球方言には奈良時代の言葉が残っていると聞きました。 いろいろ想像してみるのも楽しいですね。 Yahoo国語辞書 お・じる〔おぢる〕【▽怖じる】 [動ザ上一][文]お・づ[ダ上二]こわがる。びくびくする。「物の影に―・じる」 おぞ‐け【怖気】 こわがる心。おじけ。「―がつく」 おじ‐おじ〔おぢおぢ〕【▽怖じ▽怖じ】 [副](スル)恐れるさま。おずおず。おどおど。
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- bacaisao
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#1です。 方言は田舎言葉とバカにされますが、本当は、元々は筋目正しき標準語であったと思われます。 柳田国男は「方言周圏論」というのを書きました。要旨は下に示した通りです。 言葉は使われ方が激しいと摩滅したり変形したりして変わって行きます。 文化の中心地、交通の要衝の地から、言葉は変化していくものだと思います。 反対に僻地ではほとんど変化せず、方言となって残るのでしょう。 柳田国男は、池に石をポトンと落としてできた波紋が広がるように、言葉が伝播していく様を周圏論で表現しましたが、私は方言とは三日月湖のようなものだと思いました。 考えてみれば、我々が今使っている漢字の音読みも、千数百年以上も昔の中国の発音です。 日本では漢字が伝来した当初の発音からあまり変化せず、固定化していると思いますが、御本家ではドンドン変化していて、漢詩を音(オン)の生読みで中国人に伝えても、それこそチンプンカンプンの?です。 方言のルーツをたどると古語に行き着くと思います。 ひょっとしたら、その地方だけに自然発生した新造語(若者言葉)がそのまま残っていることも考えられます。 いろいろ想像すると楽しいですね。 「方言周圏論要旨」 ・・・各地のカタツムリの呼び名の方言分布を比較検討することにより、言葉が近畿から地方へ伝播していったことを明らかにしたもの。この中で提唱された理論が方言周圏論である。言葉は文化的中心地を中心として、まるで何重もの円を描くように周辺へと伝播し、中心地から遠く離れた地方ほど古い言葉が残っていることを示したものである。・・・ 「方言周圏論」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B9%E8%A8%80%E5%91%A8%E5%9C%8F%E8%AB%96 「三日月湖」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%97%A5%E6%9C%88%E6%B9%96
お礼
ご回答ありがとうございます。 三日月湖は始めて知りました。アマゾン川か何かの映像で見たことが有るかも知れませんが。 今度旅行するときは意識して見てみます。 方言周圏論は、大阪に住んでいた時に見た、探偵ナイトスクープのアホ馬鹿分布や、映画の砂の器でそれらしき事は記憶にあります。 今回は改めて勉強させていただきました。 カタツムリは、大分県でもそう言います。 大分県は九州でも他の県と少し違っているように思います。 アクセントは若干関東よりで、アホは使わず馬鹿と言います。 中国では単に昔ながらの漢字だけと思っていましたが、結構変わっているのですね。 日本語は、漢字の音訓、ひらがな、カタカナ、アルファベット、新しい若者言葉等を巧く組み合わせ、柔軟に使用する、世界一の言語だと思っています。 仰るように中国より古い音読みを残しているということは、更に素晴らしさが増したように思います。 最近中国では、漢字の間にひらがなの「の」を入れることがおしゃれということで流行っているそうです。 「日本の味」とか「漢の詩」のような使い方だったと思います。 時に知識の波紋に揺れるというのも、良いことですね。 ありがとうございました。
- kine-ore
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「おぞい【悍い】[文]おぞし(形容詞ク活用)(「おずし」の変化か)(1)気が強い、(2)恐ろしい、(3)よくない…」(小学館「国語大辞典」) これは「おぞまし(悍まし)」(形容詞シク活用)とともに、歴史のある用法であり、「おじおそれる(怖じ恐れる)」という表現も国語辞書には載っています。 また東京堂出版「全国方言辞典」の「おぞい」の項では、「恐ろしい」という意味では仙台・能登・滋賀・島根・広島・松山・大分など広範囲で、一方「おじい」では大分・宮崎・鹿児島でとあります。 ですから、なんと大分ではその両方が使われると記載されていることになります。 したがって、方言といえども「おぞい」は今日でも標準的に使われる範囲の用語ですが、「おじい」は方言性が色濃く、そして、こと大分については、その両方が使われるという意味で、古式の現代語であり又その地方特有の方言でもあるという実に興味深いエリアということでしょうか。
お礼
ご回答ありがとうございます。 「おぞい」はあまり使った記憶がありませんが、みな漢字があるのですね。 今回皆さんの回答で、いろんな言葉と漢字の使われ方を知り、大変楽しく勉強になりました。 言葉は生き物と言われ、若者言葉が一般に使われることも多くなりましたが、意味のある漢字を使わず、カタカナだけの言葉には、寂しさを感じます。 古くても良い言葉はできるだけ使って、後世に残していきたいと思います。 ありがとうございました。
- trgovec
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方言に古語が残ることは割とよくあることです。外国語でも見られる現象です。 #1の方と同様、「怖づ」の語根が形容詞の変化するようになった確率はかなり高いでしょう。「よだきい」も古語の「よだけし(大げさだ・大儀だ・面倒だ)」が変化したものと考えられています。
お礼
ご回答ありがとうございます。 「よだきい」もそうですか。大分県を代表する方言ですね。 この言葉以上に、この気持がこめられる言葉はないです。 場合によっては江戸っ子も、「よだきい」と言うようになったかも分からないですね。 ありがとうございました。
お礼
早々に、ご回答ありがとうございます。 ふと湧いた疑問ですが、丁寧で詳しいご回答を頂き、恐縮いたします。 私の推測も当たっている部分もあり、良い気分です。 「おじおじ」もありましたね。余り使いませんので、漢字も意識していませんでした。 最近は教育やTV、ネットの影響で、方言が大分減ったようですが、昔はその方言が国中広く使われていたと思うと、楽しいですね。 またまた、疑問が広がりそうです。 有難うございました。