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葉隠を読み、古典に目覚めました。
葉隠を読み、古典に目覚めました。 葉隠(原文、現代語訳付き)を読みました。 さすがに内容も面白いし、原文の言葉の響きに日本語の鮮やかさをみました。 もっと色々な古典を読んでみたいと思います。 学生時代に使っていたいわゆる古典の教科書がセレクション的にも良いかと思いましたが、あれは確か現代語訳が載ってなかったような・・・ 以下の観点で、皆さまのお薦めはありますか? ・原文、現代語訳の両方が乗っているもの ・文法を勉強したいわけではありません ・内容が面白かったもの(小説、随筆、啓蒙書、俳句、童話・・・ジャンルは問いません)
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私は趣味として古典を読んでるだけの者ですから、本の選び方も行き当たりばったりで、個人的な嗜好もたっぷり入っていますので、そのつもりで参考にして下さい。 古典とはその定義によって、いつまでも残って来た本の事です。一つの作品でも本が幾らでも出ていますので、作品の名前さえ分れば、必ず現代語訳付きの本も探せるはずです。そのことに関してはご自分で探すことをお薦めします。孰れにしても、何冊か古典を読了出来れば、各頁の上か下に書いてある注を参考にするだけで、現代語訳なしでも殆ど読めるようになるはずです。 『家訓集』(講談社学術文庫): 葉隠れが面白かったなら、この本も面白く読めると思います。現代語訳付きでした。 『日暮硯』恩田木工: これも、これも葉隠れ好きの方向け。 『五輪の書』宮本武蔵: 私自身は余り印象に残っていないのですが、これも葉隠れ好きの方向け。 『雨月物語』上田秋成: 怪奇もので、マンガを読んでいるような気楽な気持ちで読めます。 『御伽噺草子』渋川清右衛門: 今手元のこの本が無いので、どの編で読んだか忘れまいましたので、ウエッブで探した渋川清右衛門の編集した物を紹介ておきします。 『北越雪譜』鈴木牧之: 大変美しい文章です。 『折たく柴の記』新井白石: 著者の心の美しさに、こちらの心が洗われる作品です。 『雑兵物語、あおむ物語』(岩波文庫): 文語でなく口語で書いてある珍しい本ですので、大変読み易いです。おあむさんが戦の篭城のとき、仲間のお侍さんが相手の首を取って来ると、その生首をきれいに洗って、顔にお化粧をするのは女性方の仕事だったと書いてあります。始めは怖かったが、直に慣れたとも書いてありました。また、雑兵物語でも、戦で敵の捨てて行った村や城の井戸水は飲むな。喉が渇いたら、必ず流れている水を飲め。井戸には糞が入っているから、と書いてありました。また、足軽が怪我をして回りに水が無いときは、鉄で作った足軽の戦用の笠に自分の小便を溜めておいて、喉が渇いたらそれを飲め、とも書いてありました。凄い本です。 『徒然草』吉田兼好: 各章が一回で読み切れるだけの丁度良い長さになっているのが絶妙です。 『花伝書』世阿弥: 芸を納めるにはどうしたら良いかのハウツー物です。どんな分野の方にも役に立ちます。 『宇治拾遺集』: これは、『今昔物語』と重なる部分が多いのですが、全体があの膨大な今昔物語と比べて遥かに短いので、手頃に読めます。今昔物語は私の尊敬するあの世界的に偉大な奇人南方熊楠が自分の娘に唯一の財産として、彼が自分で筆写したものを残した作品です。これ以上の宝をお前に残す事は他には出来ないと言ったそうです。熊楠のあの膨大な博識の倉庫の一つでもあります。私はただ今読破中です。熊楠は今昔物語の全巻の筆写を15歳のときに終わらせたそうです。 『往生要集』源信: 世界中の国のどの作品でも地獄の描写は必ず面白いのですが、天国や極楽の描写になると詰まらなくなるのが普通です。私はこの作品を読んで、これなら極楽に行っても良いなと言う気になれました。ダンデの『神曲』の天国はすぐ飽きてしまいそうで、行って見たいとは思いませんでした。 『日本外史』頼山陽: 漢文の書き下し文で読みましたが、歯切れの良い文章の流れは第一級です。歴史観としては新井白石の『読史余論』の漢文訳という評価がされているそうです。 『神皇正統記』北畠親房: 南北朝の戦の合間に、それも当時における世界史とも言えた中国史を視座に置きながら軍人が書いた、驚くべき作品です。 『愚管抄』慈円: 当時、教養人は漢文で書くのが常識だった時代に、一般大衆にも読んでもらいたいと、わざわざ片仮名で書いたその志に頭が下がる歴史書です。日本最初の史観を論じた本です。 『保元物語、平治物語』: 戦記物としては『将門記』に次ぐ第二番目に古い作品ですが、文章の質はいきなり第一級で、その点でホメロスを彷佛とさせます。将門記は洗練されていない印象でした。『平家物語』のあの膨大な作品を読む前に読んでおくと良いと思います。 以上、思い付くまま。 選択をご覧になってお気づきと思いますが、ここには女性方の好きそうな本は余り載せてありません。私はどちらかというと男っぽい作品が好きです。 日本の国文科の学生は圧倒的に女性が多く、その結果、血気盛んな高校男子が授業中に教わるのは、 ながい話しをつづめていえば 光源氏が生きて死ぬ なんて言う恋愛物ばかりのようで、首がどうとばかり落ちたり、切った張ったの血湧き肉踊るような作品が余り出て来ないようで、退屈で可哀想だと思います。 他には、他の方の意見を参考にして下さい。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >私はどちらかというと男っぽい作品が好きです。 >首がどうとばかり落ちたり、切った張ったの血湧き肉踊るような作品、退屈で可哀想だと思います。 同感です。教科書にはあまり出てこないものですね。 >『雑兵物語、あおむ物語』(岩波文庫): >文語でなく口語で書いてある珍しい本ですので 江戸の口語にも興味を持っていたところでした。 たくさんご紹介してくださり、ありがとうございます。 リストを持って、休日に図書館を訪れたいと思います。楽しい休日になりそうです。