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土地の取得費の考え方
- 資格を目指している方にとって、土地の取得費や必要経費、譲渡費用の考え方は重要です。具体的な例を挙げながら、それぞれの場合における費用の分類を解説します。
- 土地付きの空き家アパートを購入して取り壊し、倉庫を建てた場合、取壊し費用やアパート購入代は土地の取得費として計上されます。
- また、老朽化したアパートの入居者に立ち退き料を払って空き家にし、売却した場合、立ち退き料は土地の譲渡費用になります。さらに、立ち退き料を払って空き家を取り壊し、新築アパートを建てた場合は、不動産の必要経費になります。
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時間的な流れを考えれば簡単です。 (A)不動産の取得までの期間に生じたもの (B)不動産の取得後、運用中の期間に生じたもの (C)不動産の売却前後のタイミングで生じるもの 個人投資家が不動産の購入取得をし、毎年運用してから、最後に売却処分するものと考えた場合、その全期間に生じた損益を計算し、最終的な利回り(お得度合い)を計算するものとします。 (A)甲さんはH10年6月30日に土地を購入取得した。 この土地購入のために生じたものが「取得費」になります。 ここで注意すべき点は、「取得費」には「土地本体価額」と、細かい「取得に要した付随費用(取得経費)」の2つが含まれるということです。 時間的な流れでいうと、その土地を購入しようと考えてから、実際に購入契約を結んで登記が完了するまでに生じたものが「取得費」になります。 つまり、多少のズレはあるかもしれませんが、おおむねH10年6月30日までに生じた購入取得するための支出全般ということになります。 土地本体価額はもちろんのこと、その土地の上に立っていた利用価値のない古い建物の購入代金や取り壊し費用も、土地の取得経費として「取得費」に入ります。 さらにもしも、その古い建物に住人がいた場合、それを立ち退かせるための立ち退き費用や、あるいは土地購入のための仲介手数料も取得経費として「取得費」に含めます。 あるいは、土地の造成・整地費用があれば「取得費」に含めますし、細かい事ですが登記費用も含まれます。 これらはすべて、土地の運用開始前に生じたものですね。 (代金の決済が後日になっていたとしても、それは関係ありません。 お金の決済日ではなくて、費用が生じた時点(モノやサービスの提供を受けた時点)で判断します。) (B)甲さんは、H10年7月1日からH20年11月30日まで不動産賃貸業(不動産所得)を営んでいた。 この不動産賃貸業を営むために生じたお金の支出が「必要経費」になります。 H10年7月1日からH20年11月30日までの運用期間中に生じたもので、かつ、不動産賃貸収入を得るために生じた支払いです。 (C)甲さんはH20年12月31日にその土地を売却譲渡した。 その土地を売り払うために生じた経費が「譲渡経費」となります。 時間的には、通常、売却する少し前から売却日までに生じたものです。 多少のズレはあるかもしれませんが、常識的には売却の数ヶ月前から売却するまでに生じるものです。 土地を賃貸していたわけですから、賃借人に立ち退き料を払っていれば、それは「譲渡経費」になります。 (それをしないと土地が売却できない。) もしもその土地の上に構築物や建物があり、それを取り壊して更地にすることが売却の条件であれば、取り壊し費用もかかりますし、売却するための仲介手数料もあるかもしれませんね。 こういった売却のために生じる経費全般が「譲渡経費」となります。 あるいは、土地売却直後に土地の一部について瑕疵(欠陥)があることが判明し、やむなく修繕した場合の費用も「譲渡経費」となります。 たとえば土地の一部が陥没しており、買主のクレームを受けてやむなく整地し直した費用は、「取得費」にも「必要経費」にもなりませんから、「譲渡経費」とするしかありませんね。
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- -9L9-
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その支出目的で考えます。 1.「土地付きの空き家アパートを購入後に取り壊して倉庫を建てた」場合の取壊し費用やアパート購入代 →アパートが欲しかったわけではなく、倉庫を建てるための土地が欲しかったために支出したのですから、土地の取得費になります。 2.「老朽化したアパートの入居者に立ち退き料を払って空き家にして売却した」場合の立ち退き料 →土地を売却することが目的であり、それを実現するために支出した費用ですから、譲渡費用になります。 3.「老朽化したアパートの入居者に立ち退き料を払って空き家にし、取り壊して新築アパートを建てた」場合 →これは立ち退き料についてのことだと思いますが、もともと収入を得ていた相手に対して支払うものであり、老朽化したアパートを取り壊して立て直すことは継続性のあることであり一種の維持費用ですから、その不動産所得の必要経費になります。維持ではなく新規にアパートを建てるための支出であれば1.の考え方で固定資産の取得費になります。
お礼
ご回答ありがとうございます。何のために支出したのかという理由で考えれば分かりやすいですね。よく整理して覚えておこうと思います。ありがとうございました。
お礼
詳細なご説明ありがとうございます。どの段階で何のために支出したのかという内容を考えれば分かりやすくなりました。言葉自体が似ていて区別がつきずらいですが、よく整理して暗記しようと思います。ありがとうございました。