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繰延税金資産
最近とくに話題になっている繰延税金資産とはどういう考え方による資産なのか教えてください。
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#1の方のご回答どおりです。 例えば、銀行がA社に200億円貸していました(無担保)。 A社が自己破産すると、200億円回収不能になります。 企業会計上は200億円を(貸倒れ)損金として処理しても、税務署は200億円をそのまま損金とは認めません。 とりあえず、半分の100億のみ税務署は損金として認め、A社の財産処分がなされ債権者に返済できる分だけ返済して破産が完了するまで、残りの100億円は損金として認められません。少しでもA社の財産処分から回収できるかもしれないから、破産申請時点では損金の最終金額が確定できないという理由です。 10年後、A社の土地など全てが処分され破産が終わりました。結局、滞納税金や従業員への退職金、弁護士費用などで資産処分金は消えてなくなり、銀行は1円も回収できませんでした。 ここではじめて残りの100億円が損金として税務署から認められます。 つまり、最初A社が破産申請した時点で会計上は200億円の不良債権処理をしましたが、税務署では100億円しか認められず、その結果残りの100億円については利益となり、50億円の税金を支払わなければなりません。 破産が完了すれば、残りの100億円が損金として認められるのでその決算期の納税額から50億円が減らされて、トータルでトントンになるということです。 最初に50億円分に納税しても後で返ってくるから、資産として計上しておこうというのが繰り延べ税金資産です。 ただし、ここには問題があります。 A社の破産が完了した年の銀行決算が50億円以上納税するほどの利益をあげていれば、先に払った税金はチャラになりますが、赤字だったら税務署が還付してくれるわけではありません。あくまでも相殺ですから、見込んでいたお金が返ってこないとうことになります。銀行からみれば取られっぱなしです。 ちなみに、欧米では(少なくとも私が直接知っている欧州の某国では)A社が倒産した時点で200億円全額損金として認められ、後から少しでも回収できれば、回収した年に利益として計上し税金を払うという実態に即した税法となっています。 日本の税法だと、不良債権の処理に税負担が伴い、不良債権処理の足かせになるだけでなく、本来支払うべきでない税金までもとられてしまうことにもなりかねません。 繰り延べ税金資産を認めるのを3年分にするか5年分にするか、という議論は枝葉末節であり、税法自体を実態に即した、また、不良債権処理をスムースにできるようなものに変えていくことこそ重要なことなのです。
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- sukesan2
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#2です。 たびたび申し訳ございません。 国が税法上、不良債権処理を抑制してきたにもかかわらず、銀行経営者のみをいけにえにして、偽善者になろうとする現在の欺瞞。 マスコミも問題の本質を横において、銀行の繰り延べ税金資産は水増し資産だのなんだの、正義感を装い、国民の不安をあおり金儲け。 こんな欺瞞に満ちた日本でいいのか、思ってしまいます。
繰延税金資産とは、企業会計では本来ならば次期以降に負担する税額が、税法上の規定でその期に計上されたために、企業の税引後利益が少なくなってしまいます。 そのために、本来は翌期以降に負担すべき税額を、企業の繰延資産として計上して、本来の企業会計上の利益に合わせる手法です。 つまり、税金の前払分を資産に計上することです。 最近話題になっているのは、銀行の不良債権処理で、不良債権を貸倒処理しても、税務上の貸倒として認定されないものがあります。 その場合に、有税償却をして企業会計では損金にしても、税務申告で調整をして、会社決算よりも課税所得に加算して税金を納付します。 次期以降に、税務上の貸倒として認定されると、前に納付した税金が還付されることになりますから、その還付が見込まれる額を、前の期で資産として計上する方法を取ります。 この、還付見込額を計上したものが繰延税金資産と云います。 参考url、中段以降をご覧ください。
お礼
有難うございます。
お礼
わかりやすい説明有難うございます。