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繰延税金資産とは?税金の計算方法や影響について解説します
- 繰延税金資産とは、法人税等の税金を計算する際に使用される仮の資産です。当期の税引き前利益から理論上の法人税額を差し引いた金額に相当します。
- 繰延税金資産の計上により、当期利益が見かけ上増えることがありますが、実際の利益は変わらず、計上された繰延税金資産が後の期に税金として支払われる場合に利益が減少することに注意が必要です。
- また、繰延税金資産の計上は会社が黒字を予測していることを前提として認められており、黒字が見込めない場合には繰延税金資産の計上が認められなくなり、その場合は改めて法人税等調整額として差し引くことになります。
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こんにちは。税効果会計は簿記の中でも非常に理解しにくいところなのですが、よくご勉強されていますね。 まず、4.の疑問にお答えしつつ、他のことに触れて回答します。 4.1 考え方としては、3段落目「それとも」以降にお書きのことが正解に近いです。 4.2 お考えのとおりです。 4.1に関連してなのですが、3.3にある「財務会計からみた理論上の法人税額」というものを計算することはありません。法人税額はあくまで税引前当期純利益から申告調整を通じて計算します。この申告調整の際に、収益と益金、費用と損金の差額のうち一時差異と呼ばれる差額(交際費や受取配当金など永久差異でないもの)から法人税等調整額を計算します。 P/Lのうち、ここの部分を取り出して並べてみると、以下のようになります(所得>利益の場合); 税引前当期純利益 1,000 法人税、住民税及び事業税 440 法人税等調整額 -40 400 当期純利益 600 パナソニックのP/Lで「法人税等」と呼んでいるのは、法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額を加減した金額を指しています。この法人税等が「理論上の法人税」のパーセンテージと近くなることはあります。というよりむしろ、税引前当期純利益×税率=法人税等に近づける工夫が税効果会計(繰延税金資産・負債や法人税等調整額の計算)なのです。 上記の例は、税率を40%とし、一時差異である費用を損金より100多く計上した場合の計算式です(永久差異を無視するなどかなり単純化しています)。一時差異100×税率40%=40を法人税等調整額として計上した結果、税引前当期純利益×税率=法人税等が成り立ちます。 4.2に関連してですが、上記の例で挙げたことは今後も黒字が見込まれているときの話です。繰延税金資産はその一時差異が解消されるときに納税額がないか、納税額<一時差異解消額と見込まれる場合には、繰延税金資産を取崩さなければなりません。これを評価引当金と呼びます。ご覧になった財務諸表ではそれが起きているのです。 ご覧になった財務諸表は四半期財務諸表ですから、内容がかなり簡略化して記載されています。さらにパナソニックの連結会計は米国会計基準準拠で記載されていますので、勉強中の日本の簿記会計とは多少異なることがあります。できれば通期の有価証券報告書から連結ではない個別の財務諸表をご覧になることをお勧めします。そうすれば税効果会計関係の注記も見ることができます。パナソニックは有価証券報告書を自らのサイトに掲載していませんので、EDINETから見ることができます。
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- yuzuibu
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ごめんなさい。 2について、イマイチ何を言いたいのか理解できません。 引当金の性質(定義)に当てはめて考える事、 全体像を考える事、繰延税金資産についてもう少しきちんと復習しないと きちんとした回答はだせそうにありません。 私自身、まだ勉強中の身ですので、ご容赦ください。
お礼
yuzuibu様 1.私の腰だめの質問をご丁寧に検討してくださってありがとうございました。 2.今日ふと思い立ってパナのキャッシュフロー計算書を見たら何か分るかもしれないと思ってみてみました。(四半期連結キャッシュフロー計算書(自平成24年4月1日-平成24年12月31日) 3.冒頭は非支配持分帰属利益控除前四半期純利益として6334億円の損となっています。これだけ見ると法人税等が入っていますがそのあとの行で法人税等の繰り延べ額として3193億円を引いており繰延税金資産の評価引当金はキャッシュフローには影響を与えないことがはっきりしました。 4.皆さまのご教示を合わせ考えますと繰延税金資産の評価引当という操作は現金性がないとわかりましたのでキャッシュフローには影響しないのではと考えておりましたが初学者の為念を入れて確認したかったのです。 5.しかしこう考えて見ますと私のような一般人はともかくステークホルダーたる方々は単にPLのお尻だけ見ていて一喜一憂してはいけないという事ですね。 6.でもこの繰延税金資産の評価引当の決定は何時、誰がどういう根拠で決定するのかすごく興味があります。これが恣意的に行われたら企業業績(当期純利益)を大きく左右することとなりステークホルダーに極めて大きい影響を与えるのではないでしょうか? 最後になりましたがご教導いただきました皆様に御礼もうしあげますとともにパナソニック始め同じように赤字で苦しんでいる日本の電機メーカー、がんばれ!とエールを送りたいです。
- yuzuibu
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>今回の法人税等調整額36868億円のうち >繰延税金資産の評価引当金の計上は4099億円らしいのですが >これはキャッシュフローには響かないんですよね。 >だとしたらまだ安心できるような気がします。 損益計算書とキャッシュフロー計算書はイコールではありません。 キャッシュフローとは現金の流れを表すものです。 損益計算書には現金売上だけでなく売掛金や受取手形の収入も売上に含まれてます。 売上原価(原材料など)も全て現金で購入している訳もありません。 ですので、イコールとはなりません。 実際にいくら支払ったかは、キャッシュフロー計算書を見て下さいね。 あまり突っ込んで考えてますとエンドレスで3級の勉強に戻れなくなりますよ(笑) もちろん、興味ある事を極めて財務諸表論を勉強するまで頑張るぞ!!と 思っても良いと思いますけどね。 パナソニックに思い入れがあるだけでこれだけ勉強する気になれるのが羨ましいですよ(笑)
お礼
yuzuibu様 1.コメントをありがとうございました。まずお詫びと訂正です。パナソニックの法人税等調整額は36868億円ではなく3686億円です。(出所:パナソニック平成24年第4半期連結累計期間自平成24年4月1日至平成24年12月31日)大変失礼いたしました。 2.私が最後に確認したかったのはパナソニックのPLの注記に、この法人税等調整額3686億円の内4125億円が繰延資産に対する評価引当金の計上が含まれている。と書いてあったのでこの4125億円はこれより前の期(例えばX期)に税金の前払いとして払った額をその期(X期)には法人税等調整額として純利益がふくらむ方向で計算していたのを純利益が見込めない当期においては法人税等調整額で純利益から引いておきなさいという事だけで別に現金の移動を伴うものではないから当期のキャッシュフローにはいささかの影響をも与えないのですねということです。 この理解でよろしいでしょうか?
- yuzuibu
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>営業利益が黒でも当期純利益が突然大きく赤になるというのは >あまり良い制度でもないのかなあという感想を持ちました。 営業利益は本業での利益を表すものであり、 当期純利益はその会社がいくら翌期に資産運用できるか示す数値でもあります。 繰延税金資産を表示しないのであれば、最初の回答で説明したように 当期純利益になんら意味の持たない数値を示す事になります。 繰延税金資産は前払費用として先に計上しているだけです。 資産運用できる数値を示す事で、どれくらいの配当をもらえるのか等 投資する者にとって考えるのに必要な内容です。 貸借対照表、損益計算書、個別注記表、付属明細表、株主資本等変動計算書 など様々な内容を加味して企業については考える事ですので、 繰延税金資産だけをとりあげて、あまり良い制度ではないと考えるのはどうなのでしょう。 と個人的に思います。 気に障ったらごめんなさい。
お礼
yuzuibu様 貴重なご意見をありがとうございます。基本的にはおっしゃるとおりだとおもいます。 私はパナソニックとは何の関係もありませんがパナソニックは好きな会社です。家の製品の多くはパナ製で実に細かなところまで設計が行き届いているのがいいです。 そんな会社だから経営はきっと堅いのだと思いました。ところが私のような一般人には寝耳に水の大赤字。そこでPLを見てみたのですが、これが営業利益で赤字であればまだ驚かないのですが営業利益段階で黒字にもかかわらず法人税等で3686億も引き算されているので大層驚きました。そこでわかる範囲で原因を理解しようと思っていました。 財務諸表を毎期御覧になってる皆さま(ステークホルダー)の方々からみれば今回の事態は想定の範囲内であれば私はいいと思います。要は企業業績が悪化するときには前兆というものがあって財務諸表をしっかり読んでいればわかるのだ。ということならば安心ですが。いきなり崖から落ちるように転落というのは怖いと思いました。 ちなみに今回の法人税等調整額36868億円のうち繰延税金資産の評価引当金の計上は4099億円らしいのですがこれはキャッシュフローには響かないんですよね。だとしたらまだ安心できるような気がします。
- hata79
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大変失礼と承知で。 3級合格なさってない方が税効果会計に手をつける必要性がありません。 江戸時代の人間が、スマートフォンを手にして「なんだろな」と考えこんでるようなものです。 理解できなくて当たり前なのです。 例。 九九がまともにいえない者が、因数分解の話しをかじって「難しいです」と言い出すようなものです。 「それは後でやればいいから、今は九九を言えるようにしようね」がアドバイスです。 3級の問題集には繰延税金資産計上・法人税等調整額という言葉は登場してないはずです。 あなたの質問は「簿記」ではなく法人税の申告書の作成(税務調整)についてです。 3級→2級→法人税と勉強には順序をつけるとよろしいかと思います。 また、決算書を勉強資料にするなら連結決算書などは「あっちにいってて」貰いましょう。 そんなものは3級合格してから「こういうものもある」というレベルで拝見して「わからん!」とすれば良い代物です。 ところで、質問文冒頭で「3級」とされてますが「1級」のうち間違えでしょうか。
お礼
hata79様 ご指摘ありがとうございます。おっしゃる通りだとおもいます。 そもそも事の発端は私はパナソニックという会社が割と気に入ってましてかゆいところに手の届くような設計思想に共感を覚えておりました。家の家電製品もおのずとパナ製が多いです。 だからという事でもないですが、経営も手堅くやってるんだろうなと思っていた矢先にこの大赤字。いったい何が起こってるのかしらと思ってPLを見たら営業利益は少ないけど黒字。で、法人税等をみたら3686億・・最初はケタ違いかと思ってしまいました。これが営業外損益で損を出している(事実3919億出ています)ならふ~んそんなこともあるだろうねということで私の興味はそこで終っていたと思います。(笑) 法人税等でなんで営業利益の3倍もの金を取られるんだろう?と思っていろいろ調べているうちに繰延税金資産にぶち当たったわけです。決して3級の勉強の過程で現れた疑問ではございません。ま、今回は相手が悪かった?とうことで本来の勉強に戻ろうと思います。
- yuzuibu
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ズバリの回答ではありませんが、参考になればと思ってURLを記します。 以下の回答は私が以前に他の質問者さんの回答をしたものです。 http://okwave.jp/qa/q7156329.html
お礼
yuzuibu様 さっそくのご回答ありがとうございました。お陰でよく理解できました。法人税等調整額のところで税法からの要求と財務会計からの要求を調整しているという事ですね。
お礼
Maior123様 1.早速のご回答深謝します。お陰でよくわかりました。会計法からの要請でひとまずPLを作ってそのあと申告調整を行うのではなく法人税等調整額で税法からの要求と会計法からの要求の調整をしているという事ですね。 2.繰延税金資産を計上した期の純利益が増える仕組みは私の理解(法人税等調整額の欄そのものがもともとマイナスの欄なのでそこにマイナスの数字が来るという事は-(-)ということで純利益欄では+側に振れるという理解)で正 しいとの確認をいただいたのでこれで疑問点が解消しました。ありがとうございました。 3.しかし今回のパナソニックのような例を見ますと繰延税金資産というのは「泣きっ面にハチ」「水に落ちた犬を更に叩く」というという性格を持っている事が分りました。営業利益が黒でも当期純利益が突然大きく赤になるというのはあまり良い制度でもないのかなあという感想を持ちました。 また何かあったらどうかご教示下さい。