繰延税金資産について・・・どうしてもわかりません。
1.簿記3級を目指して独りで勉強しているものです。偶々パナソニックのPLを見て勉強をしていました。
平成24年度第3四半期連結累計期間(平成24年4月1日から12月31日)
1.1 これを見ると売上高が5兆4397億円。営業利益が1220億円。税引き前損益が-2694億円。
法人税等が3686億円。で純利益が-6238億円となっています。赤字なのに法人税等が3686億円とあまりに巨額なので注記を見ますと繰延税金資産の評価引当金の計上額が4125億円含まれいるとあります。この繰延税金資産の評価引当金の計上についての初歩的な質問です。
2.繰延税金資産については教えてGooでも多くの質問・回答がなされてますがどれを読んでもどうも初学者の為か納得がいきません。ついては私が今まで理解したことを書きますのでそこでの誤りがあればご指摘いただきさらにその先をご教示いただくとうれしいです。
3.今まで理解したこと。
3.1 企業には財務会計と税務会計の二種類ある。財務会計は収益-費用=利益、税務会計は収益金-損金=所得という計算を行い、課税は利益ではなく所得に対して掛る。
3.2 収益と益金、費用と損金は概念が異なるので一致はしない。従って利益と所得も一致しない。
収益から益金に参入できるもの出来ないもの、損金に算入できるもの出来ないものの4種類の調整(申告調整)を経て初めて利益と所得は関係づけられる。
3.3 会社は財務会計で計算した利益に基づいて財務会計からみた理論上の法人税額を計算し取締役会で承認を取った後申告調整を行い納税する。
その場合、所得と利益の関係で所得が利益より多い場合がある。(所得>利益)
この差額(例えば所得が100で利益が70の場合は差額は30)はBS上は繰延税金資産として計上し、PL上では法人税等調整額としてマイナス(益)する。
4.私の疑問
4.1 例えば当期税引き前利益が1000、理論上の法人税が30%として1000x0,3で300。繰延税金資産計上に伴う法人税等調整で-400すると当期純利益は1000-300-400=300となります。
疑問1:繰延税金資産が計上されると当期利益がふくらんで見えるとどこかに書いてあったのを覚えているのですがありますが、むしろ縮小するのではないでしょうか?
それとも法人税等調整額の欄はもともとマイナスの欄なのでその数字にマイナスをつけるという事は1000-300-(-400)=1100という計算をすることなのでしょうか?
疑問2:繰延税金資産計上は会社が黒字であることを前提に認められる制度だから会社が黒字を出す見込みがないと繰延税金資産の計上が認められなくなる恐れが生じる。そのような場合には繰延資産計上をやめなければならない。つまり翌期にそのような事由が生じた時には改めて400を法人税等調整額として(今度は単に)引き算してやらなければならない。
つまり翌期の税引き前利益を10として理論上の法人税額を3とすると10-3-400=-393が翌期の純利益となる。
パナソニックで起きたことは簡単に言うとこういう事が起きたと考えていいでしょうか?
よろしくおねがいします。
お礼
非常にわかりやすい回答ありがとうございました。私は税理士試験の財務諸表論を勉強していたので(今年8月受験)ある程度はわかりました。今年から実務でも財務に関わるようになったのですが、実務レベルではわからないことだらけです。さらに質問して良いでしょうか? ・欠損金には法人税相当額と地方税相当額とがあるのでしょうか?それぞれ詳しく教えてください。 ・欠損金にも繰延税金資産があるのでしょうか? ・そもそも損金や益金に算入限度額を設けている理由は? ・貸倒償却で税法上損金と認められなかった場合は、有税の貸倒償却となりますが、ここでいう償却とはどういう仕訳ですか?また有税とはどういうことでしょうか? ・一時差異が解消できる時期の基準ってあるのでしょうか? 長ったらしい質問ですみません。宜しくお願いします。