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万葉集の恋の歌で、
こんにちは。 質問なのですが、万葉集の恋の歌で、女性が男性を見定めているような歌、あるいはこれから好きになる、好きになりたいといった感じの歌はあるでしょうか? ご存知の方、ぜひ教えてください!!
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笠女郎、大伴家持に贈る歌 巻3 395 託馬野に 生ふる紫草 衣に染め いまだ着ずして 色に出にけり (託馬野の紫草を以って衣を染めてみましたが、まだ着る間もなく私の恋心は色に出てしまいました) 中臣女郎、大伴家持に贈る歌 巻4 675 女郎花 佐紀沢に生ふる 花かつみ かつても知らぬ 恋もするかも (佐紀沢に生える花かつみのように、かつて経験したことのない恋をするものよ) 同 巻4 677 春日山 朝居る雲の おほほしく 知らぬ人にも 恋ふるものかも (春日山にかかる雲のように、ぼんやりとしか知らないあなたに恋をしてしまうものですね。) 歌の解釈はあくまで私的なものです。恋の始まりを詠んだ歌を探してみました。
紫は 灰指すものぞ 海石榴市の 八十のちまたに 会へる子や誰 巻十二-三一〇一 たらちねの 母が召ぶ名を 申さめど 路行く人を 誰と知りてか 巻十二-三一〇二
- botankou
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1.名門大伴家の嫡男で教養と才能があふれた大伴家持には多くの女性が憧れていました。そのうちの一人、笠女郎(かさのいらつめ)の家持へ贈った歌は恋する気持ちを露に歌った歌人はいないでしょう。 白鳥の 飛羽山松の 待ちつつぞ 我が恋ひわたる この月ごろを (巻四 五八八) 2.高市皇子・穂積皇子・但馬皇女の三人は、異母兄妹の関係ですが、この高市皇子の妻である但馬皇女は、いつしか穂積皇子を恋するようになり、その歌もせつないものです。(この時代は異母兄妹の婚姻は珍しくはなかった) 人言を 繁み言痛み おのが世に いまだ渡らぬ 朝川渡る(巻二 一一六) 3.天平10年、中臣宅守(やかもり)は狭野茅上娘子(さののちがみのおとめ)と恋におちいったために越前にながされることとなり、その宅守におくった歌もせつないものがあります。 やがて聖武天皇による大赦で、宅守は都にかえることが許されたのですが、許されて帰ってきたのは宅守とは別人だったのですよね。 あしひきの 山道越えむと する君を 心に持ちて 安けくもなし(巻一五 三七二三) 4.あとは万葉のヒロイン、額田王にも天智天皇に対する歌や大海人皇子に贈った歌が結構あります。調べてみてください。 大海人皇子に対する歌は滋賀県東近江市付近の大岡山に刻まれた歌が有名です。 あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る(巻一 二〇)
お礼
botankouさん、はじめまして。 詳細な回答、ご丁寧にありがとうございました。 どの歌も素敵ですが私は特に但馬皇女の歌が切なくて心揺さぶられる思いがしました。 額田王の歌、これから調べてみます。