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毛管現象における液柱の運動方程式および液柱の振る舞いについて

こんばんは 標記の件で質問がございます. 例えば密度ρ,表面張力係数T,接触角θとなる液体が満たされた水槽に内径D(=2R)のストロー等をさすと, 毛管現象によって,液柱が安定になった時の高さHは  H=2Tcosθ/ρRg・・・(1) となることは教科書にもよく載っており,原理も分かります. しかし,その状態になるまでの物理現象が載っているのは見たことが なく,安定になるまでの時間や,液柱が上昇する速度のオーダなどが わかりません.そこで運動方程式をたててみました. 水面の高さを0とし,鉛直方向をz,重力加速度をgとして,ストローをさしてからの時間をtとすると,液柱の運動方程式は  ρzπR^2d^2z/dt^2=2πRTcosθ-ρzπR^2g・・・(2) ⇒d^2z/dt^2=2Tcosθ/(ρzR)-g ここで,(1)より  d^2z/dt^2=g(H/z-1)・・・(3) (3)式より,z<Hでは,正の加速度となることが分かります. また,この微分方程式を解くために  v=dz/dt とおき,  d^2z/dt^2=dv/dt=(dv/dz(/(dz/dt)=v(dv/dz) これを(3)式に代入し,変数分離し,積分すると,  v^2=2g(H*lnz-z)+C (C:積分定数)・・・(4) となると思いますが,これで合っているのでしょうか? というのは,(4)式の右辺がz<Hの時に負になることがあるので, 確証が持てません.(そうならないようにHとCの値が決まるのかも しれませんが・・・) また,仮にz<Hまででv,つまり速度が正になったとすると, dv/dtも正なので,z=Hになっても,速度は正,つまりz>Hになるので, z=Hまわりで振動しながら,安定するのかどうかが一般的な毛管現象 なのかどうかが分かりません. (1)運動方程式・(4)式の解答は合っているか?(厳密には,液柱運動中 は動的接触角として考えなければいけないとは思いますが・・・) (2)一般的に,毛管現象は液柱が安定するまで安定高さ付近で振動するのかどうか?  以上です.よろしくおねがいいたします.

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回答No.2

厳密に解くのは難しいので、Lucas-Washburnの式L=(R・T・cosΘ・t/(2・η))^0.5で解けば、時間の関数になりますが、ストローを鉛直方向に立てた場合は、液体の自重で釣り合うところで止まりますので、それを考慮します。 ストローを液面から距離dに差込み、液面がストローの先端からlの距離這い上がってくると考えますと、 圧力 P=2・T・cosΘ-ρ・g・(d-l)・・・(1) ハーゲンポワズイユ式  Q=π・P・R^4/(8・η・l)・・・(2)  (η:粘性係数) (2)に(1)を代入して、 Q=[2πR^3TcosΘ-πR^4ρg(d-l)]/(8ηl)・・・(3) また、Q=dV/dt=πR^2dl/dt・・・(4) (3)、(4)から dh/dt=1/l[(RTcosΘ)/(4η)+(dρgR^2)/(8η)]-(ρgR^2)/(8η) このような微分方程式になります。 一般解は求まらないと思いますので、Runge-Kutta 法を使って数値的に解けばプロットは可能と思います。 参考URLに試算したものをおいて置きます。 なお、液注のH付近での振動については感覚的に現象は見られると思うのですが、物理的な式にする方法は良くわかりませんでした。

参考URL:
http://rohypnol.hp.infoseek.co.jp/Lucas-Washburn.pdf
doomkey
質問者

お礼

お返事が遅くなり、申し訳ございません。 ご回答ありがとうございました。 これまでの経緯を申します。 質問中の運動方程式に壁面の粘性摩擦の項を加えなければならないことが「表面張力の物理学」という本に記載されておりました。 この本によると、液柱が上昇する瞬間は重力が小さいので、重力項 を無視し、ある程度上昇した時は慣性力が小さいので、慣性項を 無視することで、それぞれの状態による解析解(#2さんがおっしゃっているwashbornの法則)が記載されていました。そして、それぞれの解析解を連続につなげれば、上昇中の解はあらかた分かりました。しかし、上昇してから下降→上昇の減衰振動部の解析解は全ての項を考慮しなければならないので、Runge-Kutta法で数値的に求めましたが、全ての項を考慮した解析解は分からず終まいでした。この運動方程式(微分方程式)の一般解を解析的に求めることはできないのかも知れないですが、例えば、理論上昇高さ付近から液柱をスタートさせると、摂動法で解析解(初期値問題)を導き出せるのかもしれません。 (ちなみに振動しながら液柱理論上昇高さに到達するかどうかは管内径、表面張力係数などのパラメータに依存するということはRunge-Kutta法でパラメータを変化させることで確認しました。ちょうど機械力学でいう減衰振動、臨界減衰、過減衰の考え方に相当するものだと思います。)

その他の回答 (1)

  • jamf0421
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回答No.1

ρzπR^2d^2z/dt^2=2πRTcosθ-ρzπR^2g は多分正しくないと思います。これだとρzπR^2の質量を持つもの全体にかかる加速度が右辺に等しいことになります。左辺のρzπR^2のzは長さであって、微分d^2z/dt^2のzの方は全体の重心の位置にあたるはずです。 運動方程式は流体の運動方程式ならば流体力学的微分 ∂/∂t+(V・grad) をつかって ∂V/∂t+(V・grad)V=-(1/ρ)gradP...(1) になる筈です。ρは水の密度、Pは圧力です。非圧縮性流体ならば divV=0...(2) で話は楽にはなるはずですが、今の問題では毛細管中での流れですので壁と流体の関係が本質的に重要と思います。つまりz軸方向だけの単純な1次元問題には出来ないのではないでしょうか?ある程度定量的結果を得ようと思うならかなり難しい問題となると思います。接触角も、流体が動くときは前進接触角と後退接触角で異なりますが残念ながらそれについても詳しくありません。これらの情報も定量的計算をするにはかなり重要と思います。

doomkey
質問者

お礼

お返事が遅くなり、申し訳ございません。 ご回答ありがとうございました。 これまでの経緯を申します。 質問中の運動方程式に壁面の粘性摩擦の項を加えなければならないことが「表面張力の物理学」という本に記載されておりました。 この本によると、液柱が上昇する瞬間は重力が小さいので、重力項 を無視し、ある程度上昇した時は慣性力が小さいので、慣性項を 無視することで、それぞれの状態による解析解(#2さんがおっしゃっているwashbornの法則)が記載されていました。そして、それぞれの解析解を連続につなげれば、上昇中の解はあらかた分かりました。しかし、上昇してから下降→上昇の減衰振動部の解析解は全ての項を考慮しなければならないので、Runge-Kutta法で数値的に求めましたが、全ての項を考慮した解析解は分からず終まいでした。この運動方程式(微分方程式)の一般解を解析的に求めることはできないのかも知れないですが、例えば、理論上昇高さ付近から液柱をスタートさせると、摂動法で解析解(初期値問題)を導き出せるのかもしれません。 (ちなみに振動しながら液柱理論上昇高さに到達するかどうかは管内径、表面張力係数などのパラメータに依存するということはRunge-Kutta法でパラメータを変化させることで確認しました。ちょうど機械力学でいう減衰振動、臨界減衰、過減衰の考え方に相当するものだと思います。)