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粒子分散型複合材料と分子充填複合材料 との違いはなんですか?
フィラーコンポジットの日本語訳を調べた所「粒子分散型複合材料」と「粒子充填複合材料」の2つがあります。「分散」と「充填」では何が異なるのでしょうか? 資料を調べましたが、明確な違いがわからず混乱しています。 ご教授お願いいたします。
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大きな違いはないと考えてよろしいと思います. フィラーコンポジットでは・・・ 固体粒子を扱う場合,粒子は「分散」させる必要はなく,混ぜ込めば適当に分散 します.よって,「粒子充てん」複合材料という言い方をします. ところが,液体粒子を分散させるようなケース,例えばポリマーアロイのように 異なるプラスチックを液状にしてかき混ぜ,一方を分散相,もう一方を母相にして から固体のポリマーを得ることがあります. この場合,粒子を充てんするわけではないので,「粒子分散型」複合材料という 言い方をします. また,カーボンブラックのように,非常に細かい粒子であって,凝集(粒子が集まって かたまりになってしまう)が問題になるような場合には,「分散」の方を使います. 現在では,非常に多種多様なフィラーコンポジットが存在しますので, これらの用語は混同して使用されています. 固体粒子を充てんしたプラスチックの場合には,全く同じと考えていいと思います. ただし,上記のようないきさつがあるため,材料の組み合わせによっては, 片方の呼称が好んで使われる,ということはあると思います. 具体的な材料の内容がわかれば,もう少し詳しく説明できます. ちなみにJISでは「充てん(not充填)」の方を使っているようです. JIS K 7052:1999をご参照下さい.
- 参考URL:
- http://www.jsa.or.jp/
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- shota_TK
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No1の者です.たびたびすみません.ちょっと気がついたことがあったので・・・ もしかしたら,粒子の方が弾性率が低い場合に「分散」を使い, 粒子の方が弾性率が高い場合に「充てん」を使っているのかも知れませんね. ただ,これは学術的に認められている考え方ではないと思います. 複合材料を,幾何学的に捕らえ,「分散相と連続相」と位置づけた場合に, 「粒子分散複合材料」と呼びます. 一方,異質なものを混ぜ込むという思想の場合に「粒子充てん複合材料」と呼びます. どちらも形式上のことなので,本質的には同じです. なお,フィラー(filler)の語源であるfillの用語は「満たす」という意味です ので,「充てん」のニュアンスが近いです.fillerは,充てん材,詰め物などと 訳しますね.フィラーとも言います.粒子充てんの場合,particle filled composites とか,PP filled with particleなどの表現が一般的と思います. 分散の場合,disperseを使いますね.dispersed phase(分散相)とう言い方は よくします.「粒子分散複合材料」は強いて言うなら filler dispersed compositesだと思いますが, この用語はあまり聞きません.
お礼
shota_TK様 何度もありがとうございました。3段階の説明を頂きわかりました。 つまり、割合の問題なのではないでしょうか? フィラーがポリマー中に分散するような量ならば分散で、ポリマーに詰込むような量ならば充填と理解しました。 本当にありがとうございました。
- shota_TK
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No1の者です. 「分散と充填のどちらなのか」と質問された,ということは, この両者は区別して使用されているんですね? 学術的には,分散と充てんの違いはないと思うのですが,業種によっては 区別して使用しているのかも知れません. 恐らく,分散の方は「メリットの大きい材料を積極的に入れる」という思想で, 充てんの方は「安価なものを入れてコストを下げる」という思想ではないかと 思います.(違うかも知れません) 業界のことはぼくはわからないので,他の方の回答を待ってみて下さい.
お礼
早速ご回答ありがとうございました。 私が現在取り扱っているフィラーコンポジットはPPとタルク(微粉:2μm程度)からなっております。 「分散と充填のどちらなのか」をよく質問されて困っていました。 この場合『粒子充填複合材料』ととらえてよいのでしょうか。 詳しいご教授をお願いいたします。