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高分子の多分散と単分散
生命科学を学ぶ大学2年のものです。 Wikipediaによると 合成高分子の分子量は多分散を示す。つまり合成高分子は、同一の組成は持つが分子量は異なる分子の混合物であり…。 とあります。 この、同一の組成は~からがいまいちよく理解できないのですが、 「組み立て方は同じだが、一つ一つの材料(=OとかCとか)の原子量が違う」という意味でしょうか。 また、生体高分子には単一の分子量からなる単分散を示すものも多い…とありますが、これは他の高分子と違い、組み立て方も構成する原子の原子量も同じということですか? 最後に、分子量が異なる理由はやはり同素体によるものですか?
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核酸や蛋白質の様な生体高分子では、それらの「分子式や組成式」は一義的に決まっています。 例えば、核酸なら塩基数XYZ個という具合で、XYZ±αという訳では有りません。 つまり、分子式や組成式から分子量を正確に計算できます。 これに対して合成高分子では、合成反応が確率的に進むために、厳密には「分子量を1つの 分子量値で表すことができません」。代わりに「平均分子量」が使われます。 回答No.1のポリエチレンの例では、原料のエチレンの分子式がC2H4、ポリエチレンの分子式は (-CH2-CH2-)nとなります。ここで、nは重合度と呼ばれエチレンの単位が何個反応して繋がって いるかを示しています。 n=5000なら重合度5000で、分子量は28x5000=140,000です。 しかし、反応が確率的なためにnの大きい物も小さい物も合成され、生成物は分子量の異なる 物の混合物となります。 したがって、合成高分子では分子量を「平均分子量」で表します。 a) nが4000,5000,6000のものがそれぞれ1個なら、3個の平均分子量Mnは140,000です。 b) nが3000,5000,7000のものがそれぞれ1個なら、3個の平均分子量Mnも140,000です。 両方とも、個々の分子の分子量は平均分子量値の回りに「ばらついて=分散」しているわけで、 このことを高分子の分子量の「多分散性」と呼びます。 a)とb)の例では、b)を分散性が高いと言います。 合成高分子でも、分散性の低いものが有り、この場合は生体高分子の様に分子量が確定する 訳では有りませんが、「単分散ポリマー」と呼ばれています。 蛇足です。 分散度の目安として、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが使われます。 a)の例では Mn=28x4000+28x5000+28x6000/3=140,000 Mw=((28*4000)^2+(28*5000)^2+(28*6000)^2)/(28*4000+28*5000+28*6000)=420,000 Mw/Mn=3.0 b)の例では Mn=28x3000+28x5000+28x7000/3=140,000 Mw=((28*3000)^2+(28*5000)^2+(28*7000)^2)/(28*3000+28*5000+28*7000)=830,000 Mw/Mn=5.9 つまりb)の方が分散性は高いわけです。 一般の合成高分子ではMw/Mnは2程度、単分散ポリマーと言われる物は1.1以下です。
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>同一の組成は持つ これは「組成式が同じ」という意味です。 例えばポリエチレンなら、原料のエチレンの分子式がC2H4、組成式はCH2。 ポリエチレンは(-CH2-CH2-)nですが、組成式はCH2で分子量が変わっても同じです。
お礼
ありがとうございました。
お礼
やっと理解できました。 ありがとうございました。