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狭義の国民所得と広義の国民所得について
私はマクロ経済学を勉強していますが、国民所得の説明が理解できませんでした。 広義の国民所得(=GDP、GNP)は生産面、支出面、分配面の3つ面から見て等しくなると書いています。つまりGNP=GNE=GNIとなりますよね? 他方、狭義の国民所得(=NI)はおそらく、生産要素提供者の分け前であり、 NI=GNP-固定資本減耗-間接税+補助金 と定義されています。 つまり、GNPとNIの関係は GNP=NI+固定資本減耗+間接税-補助金 となりますよね? 私の疑問点は「広義の国民所得の分配面(GNI)」と「狭義の国民所得(NI)」がなぜイコールにならないのか、という事です。同じ分配の所に注目しているのになぜイコールにならないのでしょうか? また、考えているうちに混乱してきてしまったので、三面等価など前提が間違ってるかもしれません。その辺も指摘してもらえると嬉しいです。
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NIの内訳が雇用者報酬と営業余剰であることは確認できますでしょうか。 また、説明のために市場価格を調整する項目である「間接税-補助金」は捨象させてください。ここではGNP=付加価値=固定資本減耗+雇用者報酬+営業余剰とみなします。 そのうえで、GNPを生産要素による付加価値の集計値と考えましょう。 生産要素は労働と資本からなるといわれますが、ここでは敢えて資本を企業組織と生産設備にわけて考えましょう。つまり、労働力の提供と生産設備と、それらを集約した企業組織が、生産に貢献すると考えましょう。 従って、付加価値の分配とその名称は次の3つになります。 1 労働への報酬=雇用者報酬 2 生産設備への報酬=固定資本減耗 3 企業組織への報酬=営業余剰 いかがでしょうか。生産設備は使用によって減耗しますが、固定資本減耗とはそれに対する報酬であると考えるのです。また営業余剰とは、労働と設備への報酬を除いた残余とされる企業の内部留保分です。 このように解したとき、分配面を雇用者報酬と営業余剰の2つで計るのがNIであり純額(ネット)の国民所得とよばれます。一方、固定資本減耗を 加えた3つで計るのがGNIであり、通常は国民総所得とよばれる粗額(グロス)の国民所得になります。生産設備への報酬を考えるのか否かが、「経済学」としての国民所得の捉え方の差異です。 また、固定資本減耗相当額は、実際は少なくとも雇用者報酬にはならないという理由で、企業の内部留保の一部を形成していると考えることもできます。この場合には「粗(グロスの)営業余剰」と「純(ネットの)営業余剰」という言い方があります。前者は固定資本減耗を含めた営業余剰、後者は含めないものです。 したがって、GNP=雇用者報酬+粗(グロスの)営業余剰と書くこともできます。 なお、統計としての国民所得をみるときは、移転所得の扱いや国内ベースと国民ベースの違いによって、前述のような計算では出てきません。ここまでの話はマクロ経済学を読み進めるときの参考として下さい。
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- rainboy
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GNIとNIの違いは、 NI=GNI-固定資本減耗-間接税+補助金 ですよ。 同じ所得という概念を扱っていますが、全く同じ所得を扱っていません。 広義が固定資本減耗分や間接税や補助金を考慮せず 狭義が上記を考慮しています。 定義が違うということです。
- at9_am
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前提は、概ね正しいです。 ただ、 > 他方、狭義の国民所得(=NI)はおそらく、生産要素提供者の分け前であり、 が違います。NIは狭義の国民所得というよりは、必要経費を差し引いた、という形で理解した方が良いでしょう。GDPでは必要経費として材料費は入っています(正確にいえば相殺されている)が減価償却(≒固定資本減耗)等は入っていません。