siegmund です.
前の回答は \frac の \ が抜けたり,\pi のはずが \pai になっていたり,
大分書き損なっていました.
最初はπと書いていたので,つい日本語変換に引きずられて \pai に
なってしまいました.
まあ,実害はありませんでしたが......
さて,
(1) M(1+x,1-x) = \frac{1}{1+t^2} M(1+t^2,1-t^2)
(2) x = \frac{2t}{1+t^2}
から出発するのでしたら(string さんのkの代わりにxと書いています),
(3) \frac{1}{M(1+x,1-x)} = 1 + a_2 x^2 + a_4 x^4 + a_6 x^6 + ...
と書いておきます.
(1)の右辺の逆数にこれを適用して
(4) \frac{1+t^2}{M(1+t^2,1-t^2)}
= (1+t^2) (1 + a_2 t^2 + a_4 t^4 + a_6 t^6 + ...)
= 1 + t^2 + a_2 t^4 + a_2 t^6 + ...
が得られます.
一方,(3)に(2)の展開形
(5) x^2 = \frac{4t^2}{(1+t^2)^2}
= 4t^2 - 8t^4 + 12t^6 - 16t^8 + ...
= 4t^2 \sum_{j=1}^\infty (-1)^j j t^{2(j-1)}
を代入整理して
(6) \frac{1}{M(1+x,1-x)}
= 1 + 4a_2 t^2 + (-8a_2 + 16a_4)t^4 + (12a_2 - 64a_4 + 64a_6) t^6 + ...
になります.
(1)によって,(4)と(6)は等しいのですから,t^n の係数を等しいと置いて
(7) 4a_2 = 1
(8) -8a_2 + 16a_4 = a_2
(9) 12a_2 - 64a_4 + 64a_6 = a_2
から,順次
(10) a_2 = 1/4 = (1/2)^2
(11) a_4 = 9/64 = (\frac{1・3}{2・4})^2
(12) a_6 = 25/256 = (\frac{1・3・5}{2・4・6})^2
が得られます.
すなわち,
(13) \frac{1}{M(1+x,1-x)}
= 1 + (\frac{1}{2})^2 x^2 + (\frac{1・3}{2・4})^2 x^4
+ (\frac{1・3・5}{2・4・6})^2 x^6 + ...
(5)は展開の形が素直ですから,少し頑張れば(13)の一般項も出せそうです.
「知っていることを先に使って」いますが,
(13)はちょうど Gauss の超幾何関数
(14) F(α,β,γ;z)
= 1 + \frac{αβ}{1・γ}z
+ \frac{α(α+1)β(β+1)}{1・2γ(γ+1)}z^2
+ \frac{α(α+1)(α+2)β(β+1)(β+2)}{1・2・3γ(γ+1)(γ+2)}z^3 + ...
の,z = x^2 の場合になっています.
第1種完全楕円積分 K(k) は
(15) K(k) = (π/2)F(1/2,1/2,1;k) ですから,ここらへんは前の私の回答と
つながっています.
ここからあとは,「こうなりそう」です.
確かめていませんので,間違っていたら(うまく行かなかったら)ご容赦を.
(1)(2)は関数方程式になっていますから,
微分して 1/M(1+x,1-x) に対する微分方程式が導けそうです.
全部tで書いておくと,前の因子が 1+t^2 ですから,
tの2階微分で微分方程式が作れそうです.
1/M(1+x,1-x) = Q(x^2) = Q(z) とでも置くと(z=x^2),
上の方で書いたこととのつながりから,
Q(z) の微分方程式は Gauss の超幾何微分方程式
(16) z(1-z)Q''(z) + {γ-(α+β+1)z}Q'(z) - αβz = 0
のα=β=1/2,γ=1 になるはずと思います.
(16)の解を級数展開で求めたものが(14)です.
お礼
siegmundさん、再度ご回答いただき誠にありがとうございます。 展開して係数を決めるというやり方でやればよいのですね。 私は \frac{1}{M(1+x,1-x)} = (1+t^2) \frac{1}{M(1+t^2,1-t-2)} を繰り返し適用するというやり方でやろうとしていました。 超幾何関数と対応関係もよくわかりました。 本当にどうもありがとうございました。