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誤訳?神戸大入試問題と某予備校の模範解答に疑問
- 神戸新聞掲載の神戸大入試問題の和訳に疑問の声が上がっている。
- 模範解答の構文と意味におかしさを感じるという意見もある。
- 別の本からの質問では、一文の訳の解釈に疑問がある。
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masaqqさん、こんにちは! いつもご丁寧に過分なお言葉を頂戴し、実際はおそまつですので、汗顔の至りです。 さて、本日も、masaqqさんならではのご質問と思います。 (1)This fourfold increase since 1950 is at the heart of the greenhouse effect that is warming the earth. この模範解答は明らかに因果関係を逆転させてしまっていますね。予備校は入試問題を受け取り即座に解答を作りますので、どうしても間違いが少し出てくるだろうと思います。 masaqqさんの書かれた訳が、まさに模範答案と思います。 (2)The pretext was the last thing that Hastings was likely to want. これはネットに出ていました。 It was necessary to find some pretext for a confiscation inconsistent, not merely with plighted faith, not merely with the ordinary rules of humanity and justice, but also with that great law of filial piety which, even in the wildest tribes of savages, even in those more degraded communities which wither under the influence of a corrupt half-civilisation, retains a certain authority over the human mind. 【A】pretext was the last thing that Hastings was likely to want [=lack]. とあります。 http://www.columbia.edu/itc/mealac/pritchett/00generallinks/macaulay/hastings/hastings18.html なにか恐ろしい没収を企んでいて、いろんなことに抵触しない口実を求めている文脈です。 ここはやはり【a 】でないとおかしいです。著者の写し間違いでしょうか?the だとすでにあるものになりますので、be likely to want とうまく呼応しません。 この文脈を離れて、もし Hastings という人が、(他の人が持ちだす)口実なんか欲しくない、という意味であれば A pretext was the last thing that Hastings wanted to hear. とかいったように何かhearのような動詞が欲しいところです。be likely to want も少しぎこちなく感じます。でもこじつければ、A pretext was the last thing that Hastings was likely to want. で、masaqqさんの書かれた訳で通る場合もあるでしょう。文脈次第ということになりましょう。 ******************************* 以前にお尋ねになられた、辞書の件です。辞書の評価に個人差があるのは当然で、自分に合った考えを自分で見つけることがベストです。 私個人は、英和はどれがよいか、英和と英英とどちらがよいか答えを見出すには、まず自分でつきあってみなければ分らないではないかと考え、若いころから、投げ売りの辞書を買い込んできました。あれこれ使ってみると、基本語については、英和に限るという結論を得ています。英英に基本語の詳しい用法を求めるのは、木によって魚を求めるの類いだと思います。例文は、英和はまだまだ不自然なものが多いので、英英はそれを補ってくれます。 人によりますが、言葉へのこだわりの強い人は、辞書を読むことを楽しめる人ではないでしょうか。これまでのmasaqqさんの書かれたことを拝見しますと、非常に有望な有資格者(!)ではないかと判断いたします。 辞書は言葉の姿の三割くらい出せればいいほうだね、と、私の先生のお一人がおっしゃっていたのをいまだによく覚えていますが、当時は、まさか、と思っていて聞いていたその言葉は、本当だな、とこのごろ思います。同一の言葉について、いろんな辞書にあたりますと、ある辞書には他の辞書にはない有意義な情報が載せられており、全部を見ることで、やっと三割くらい見えるのかな、という感じです。 近年出ている幾つもの英和中辞典は、用法等の情報をぎっしり詰め込んでいて読みごたえがありますが、一方で読みにくいので、私が「読む」のに愛用しているのは、ニューアプローチ、ユニコン、スーパーアンカー等の高校生初級用辞典です。masaqqさんも辞書読みを始められれば、面白くなると思いますよ。1日10分でもいいから、that とか of とかの基本語の項目を読まれますと、思わぬ発見があるはずです。 辞書は言語情報のデパートですので、最も効率良くショッピングができます。向こうから情報がやってくるのを待つだけではどうしても出会いに限りがありますね。辞書で仕入れた情報が、生きた文の中で出てきて、あっ、これだったんだ、ということがあれば、脳内でシナプスが文字通りつながった感覚があります(笑)。 以上、とりとめもありませんが、ご参考になれば幸いです!
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- duosonic
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こんにちは。 (1) どっちに似ているのか分かりませんが、僕だったらこう訳すということでご参考までに。要するにこの文は at the heart of をどう解釈するか?という話ですね: ・This fourfold increase since 1950 is at the heart of the greenhouse effect that is warming the earth. 、、、直訳すると「1950年以降(二酸化炭素の放出量が)4倍になったことは、地球温暖化を引き起こしている温室効果の核心に位置する」ですよね。ここで「核心に位置する」を何と解釈するか。「核心に位置する ⇒ 温室効果があるからこそ4倍増加が起きる ⇒ 押しも押されぬ主因である」ということではないでしょうか? つまり「地球温暖化を引き起こしている温室効果のため、1950年以降(二酸化炭素放出の観測量が)4倍となった」という解釈が成り立ちます。 ただ、僕は「放出量が4倍になった」というよりも、温室効果でCO2が大気中にトラップされたため「観測量が4倍になった」としたいところですね。温室効果で観測量は倍増するのでしょうが、放出量自体が倍増するものではないと思えます。文脈上、真意はどちらでしょうか? (2) The pretext was the last thing that Hastings was likely to want. 、、、ご承知の通り、the last thing ~ wantが慣用句で「最後に ~したいこと ⇒ 極力回避したいこと」という意味ですね: ・Going to a dentist is the last thing I want (to do) now. どうして「want ⇒ 欠如する」というのかイマイチハッキリしませんが、きっとヘイスチングズの性格や生涯をよく知っている人にすると、そう意訳ができるという話なのでしょう。 英語では文意、すなわち筆者が言いたかったを掴むことがタイヘン重要ですが、そもそも筆者の意図が分からない、或いは曲解しないとならないような一文をもって「これはこう訳す」と言われても、それは悪文に過ぎませんよね。 いずれにせよ、ご質問文には最後の want のところに to hear、to say、to make などと謳われていないので、ヘイスチングズがつまらん言い訳を聞きたくなかったというのか、プライドがあって自ら言い訳したくなかったというのかは、この文章だけでは分かりません。ご指摘の通りですね。 ご参考までに。
お礼
回答有難うございます。下線部訳のため、前の文章から載せたらわかりやすかったんですが・・・ 化石燃料の燃焼によるCO2の放出量がいくら、という文章が前にありましたので、たぶん放出量でいいと思います。 ところで、ちょっと疎いのですが、「温室効果のため二酸化炭素の観測量が増加する」という因果関係はあるのでしょうか?逆のような気がするのですが・・・ wantには望むのほかに欠如するという意味が辞書にありますが、注釈がないととてもそうは読めないと思いました。難しいですね。
- aikipower
- ベストアンサー率60% (12/20)
模範解答の最もおかしい所は、「二酸化炭素の放出量」という主語のフレーズが原文にないことです。忠実に訳すと次のようになります: 1950年以来のこの4倍の増加は地球を暖めている温室効果の核心である。 そうすると、日本語の模範解答を英語に訳す(「戻す」)と次のような文章になります: The main cause of the fourfold increase in the amount of released CO2 in such a manner since 1950 is the greenhouse effect that causes/generates global warming. そしてあなたの解釈を英語にすると: The fact that the amount of released CO2 has increased annually by fourfold in such a way is the central (factor) of the greenhouse effect that raises the Earth's temperature. P.S.の英文の件ですが、あなたの言う通りです、この文章を見ただけではどちらの解釈も成り立ちます。
お礼
回答有難うございました。英訳の方も参考にさせていただきます。
補足
すみません、長文の中の下線部の部分の、「和訳」問題です 今見たら書き方が紛らわしく、「英訳」と勘違いされてしまったようで申し訳ありません
お礼
go_urn様 いつもありがとうございます!毎回本当に有意義な回答を頂き、なかなか得難い貴重なご指導と感謝しております。 1つ目の質問ですが、解答速報でこんな間違いをするだろうかという疑念があり、私のほうが何か大きな錯誤をしているだろうかと確認したく質問させていただきました。解答作成者がよほど疲れていたのでしょうか(笑)。 2つ目の文ですが、本ではやはりtheです。ネット上に原文が出ているんですね、驚きです。言われてみれば、aでないとおかしいですね。気づきませんでした。注釈か文脈がなければたぶん誤読してしまいます。 辞書についてですが、お勧めのようなちょっと易しめの辞書を読んでみようと思います。基本語の項はあまり読んだこともなかったので。書店でいくつか手にとって検討してみることにします。 今回も有難うございました。英語をやっているとときどき森の中で迷っているようなというか、自分がどこに向かって何をやっているんだろう、進んでいるんだろうかという気持ちになることがありますが、先達のアドバイスは本当に励みになります。またお時間ありましたらよろしくお願いします。