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統計 (1) 信頼度、(2) SD、(3) T検定(?)
1.IQ 90 信頼度 85-95 とはこのIQ=90という結果の信頼度が85-95%だと言うことでしょうか? 2.SDで例えば >-1 SD や > -3 SD と言うのはどのように解釈すればよいでしょうか? 3.あるテスト結果で結果の値が29(T=34)と記述されているとき、このT=34 とはどのように解釈すればよいでしょうか? 以上、ご教授よろしくお願いします。
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1.IQについて ここで書いていらっしゃる「信頼度」は、おそらく「信頼区間」と勘違いなさっていると思います。現在、私の手元にありますWAIS-IIIのマニュアルで言えば、IQや群指数にこの信頼区間が、90%水準と、95%水準と2種類記載されています。ご承知のように、心理測定には、誤差を伴いますので、その誤差を考慮に入れた場合、お示しの例でいえば、実際の測定結果がIQ=90になった場合、ある信頼水準で、実際の値(真の値)は、85から95の範囲に、その信頼水準の確率で入ると考えられる、ということです。 ご質問には信頼水準の数値がありませんが、仮にこれが、90%信頼水準で、信頼区間が85~95であれば、90%の確率で、対象者のIQ値は、85から95の範囲に入ると考えられることを意味します。 2.SDについて SD(標準偏差)は、測定値のばらつきの程度を示す数値であり、その測定値が正規分布にしたがう場合に、さまざまな統計学的な意味を持ちます。上記のWAIS-IIIのIQでいえば、ある年齢集団での平均的能力を持つ場合IQ=100になるよう換算値が作られ、その場合、SDは15になるように作られています。この例でいうと、-1SDとは、平均からSD1つ分低い値を示します。すなわち、85となり、>-1SDは、IQ85未満を示します。 先ほどの正規分布の特徴から平均値から+1SD(-1SDも同様)の範囲には、理論上、それぞれ34.13%の対象者が含まれます。ちょっと趣旨からそれますが、平均値を挟んで、+1SDから-1SDの範囲には、全対象者のうち、68.26%が含まれることになります。 さらに、+、-いずれの場合も、平均値から3SDの範囲には、それぞれ49.87%の対象者が含まれます。したがって、>-3SD、つまり平均から3SD未満の部分(正規分布のグラフでは、左端の小さい部分)には、50%-49.87%=0.13%の対象者しか含まれないことになり、ここに入るということは、きわめて小数であることを示します。 3.T=34の表示 このTは、おそらくT得点を意味します(正確には、Z得点=標準得点)。つまり、お示しの例では、結果の値(素点または粗点)が、29点の場合、標準化した標準得点でいえば、34点に相当することを示していると思われます。 標準得点は、得点が正規分布するときに、平均値とSDとを使用して、多くの場合、平均=50、SD=10になるように換算した得点をいいます。受験などの偏差値と同様の公式で得られます: T=(測定値-平均)/測定値のSD 平均を50、SDを10になるように換算するには、この測定結果に10をかけ、さらに50を加算すると得られます: T'=[10×(測定値-平均)/測定値のSD]+50 なお、WAIS-III、WISC-III、K-ABC、DN-CASなど、最近の知能検査、認知能力検査で用いられているIQや、群指数、標準得点は、このT得点(Z得点)と同様の考え方で、平均=100、SD=15になるよう換算します: IQ(群指数、標準得点)=[15×(測定値-平均)/測定値のSD]+100 したがって、ご質問のTが、この標準得点(平均=50、SD=10の場合)であるとすると、29点は、平均よりも1SD以上低い得点であると見なすことができます。
お礼
vzb04330 さん ご親切に丁寧なご説明をありがとうございます。 ゆっくりじっくりもう一度本と照らし合わせて考えて、またお礼なり質問をさせていただきます。 ありがとうございました。
補足
vzb04330 さん 改めて、お礼を申し上げます。 本当に分かりやすく、的確なご説明で、統計からずいぶん離れていた私にもよく分かりました。 本当にありがとうございました。