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形而上学・形而下学の語源
この前、辞書を読んでいた時に形而上学という言葉を見つけました。すごく不思議な言葉なんですが、「形而上学」という言葉はどうやってできたんでしょう? 過去の質問に、明治になって西欧から文化が取り入れられた際に「metaphysica(metaphysika, metaphysique)」の訳語として造成された、という説明がありましたが、西暦何年に何をやっている誰々さんが作った、というような具体的なデータはないのでしょうか? あと、「形而上」って何でしょう?訳語を新たに作るとなると、その訳に根拠……日本語の場合は漢字を使って意訳するか仮名を使って音訳するか……があると思うのですが、私は形而というものを見た事がありません。 ご存知でしたら教えて下さい!
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>「形而上学」には2つの意味があったんですね。 違います。ta meta ta physika の意味が分かっていないので、錯覚が起こっているのです。(つまり、ta meta ta physika というのは、アリストテレスの本の名でもあるのですが、これで、「学」としての形而上学の意味にもなるのです)。 以下のページに、「ta meta ta physica」と「形而上学」の意味的関係が説明されています。それによれば、physika(ピュシカ)というのは、自然学というより、むしろ、「形而下学」と、アリストテレスの哲学システムのなかでは、呼ぶに相応しいようです。 「タ・メタ・タ・ピュシカ」とは、「ピュシカの後の本・学」という意味で、「ピュシカの後」という意味ではなく、この場合、「形而下学」の後・次に来るのが、「形而上学」であるというのは、自然であるとなっています。 つまり、形而上のことを扱うので、「形而上学」ですが、他方、ロードスのアンドロニコスの配列によって、「ピュシカ=自然学諸本」の後に置かれたので、「形而下学の後の学」とは、認識や智慧の階梯順序からして、それは「形而上学」のことで、ta meta ta physica を訳すと、「形而上学」となるのだとされます。 >http://www.max.hi-ho.ne.jp/aisis/memo-random-1/r-metaphysica-1.html -------------------------- なお、「易経」というのは、儒教において尊重される四書五経の一つで、簡単に言えば、「占いの本」ですが、これは「世界の構造についての概論書」だとも言えます。「易経的世界把握」とでも呼べばよいのか、陰陽の二元構造の反復で、世界は成立しており、世界の運動や現象も、この陰陽二元構造に基づくパターンで成立しているという考えです。 「陰」でも「陽」でもない根元を、「太極」と言います。これが陰陽の二元に分離し、「陰」と「陽」の両儀となります。陰と陽の組み合わせが更にあり、「陽陽」「陽陰」「陰陽」「陰陰」の四つのパターンができ、これを四象と言います。これが更に分化して、「陽陽陽」「陽陽陰」「陽陰陽」「陽陰陰」「陰陽陽」「陰陽陰」「陰陰陽」「陰陰陰」と八個のパターンになると、これを、「八卦」と言います。 八卦を上と下で組み合わせると、六十四のパターンになり、六十四卦で、この六十四が、世界のありようや展開運動の基本パターンとされます。 戦争などで、現在の状況や、未来の展望を知りたい場合、偶然で、陰か陽が出るようにして、このプロセスを六回行うと、六十四卦のどれかが出てきます。出てきた卦が、現在の状況を示していて、これがどういう意味かを読みとるのには、易経の「解釈文」を使います。 世界のありようを、六十四のパターンに分けて、把握するのだと言えますが、これは未来の展開を知ることができるので、「占い」に使えるのです。 「陽」が六回出てきた場合、「乾(けん)」と言い、「陰」が六回出てきた場合は、「坤(こん)」と言います。「乾坤」で、天地とか、宇宙の意味になります。「乾」は天を表し、「坤」は地を表すからです。 >http://www.layer.ne.jp/~ushio-ekidan/gogyo/ss1.html
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- Evianus
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「自然学の後」(ta meta ta physika[ギリシア語]meta-physics) が語源だと思います。 アリストテレスの中心著作で、全14巻です。 アリストテレスは古代ギリシアの哲学者です。 詳しくはgooの辞書に載っています。
お礼
ありがとうございます。「形而上学」には2つの意味があったんですね。本質はあまり変わらなさそうに見えるけど……
- greetinggreentea
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すいません。 西周あたりがあやしいと思って、ちょっと探してみたら出てきました。 井上哲次朗という人みたいです。 参考URLの第十一節にあります。
お礼
ありがとうございます。URLのページ、すごく長いですねー。一節からがんばってみたんですけど、数十行ぐらい真面目に読んだらあとはナナメ読みしてしまいました。形而上という語も、古い古い歴史があるのですね。哲学史も興味を持てるジャンルになりました。
- greetinggreentea
- ベストアンサー率27% (27/99)
易経に、 「形而上者謂之道、形而下者謂之器」 …形よりして上なるもの(形がなくて五感でとらえられないもの)、これを道といい、形よりして下なるもの(形があって五感でとらえられるもの)、これを器という… ここから、「形而上」「形而下」という言葉が使われるようになったようです。 明治の頃、誰がmetaphysicaの訳語として「形而上学」をあてたのかまでは知りませんが。ご参考まで。
お礼
回答、ありがとうございます。漢文は勉強していないので、易経というのも殆ど初耳です。易経には他の事もたくさん載っているんでしょうねえ……一度、調べてみます。
お礼
ありがとうございます。もう何がなんだか分からなくなってきた…… 「ta meta ta physika」=「meta-physics」=「形而上学」 ああ、そうか、成る程……タ・メタ・タ・ピュジカをギリシア語に訳したのがメタフィジックスで、それを日本語に訳したら形而上学になるんですね? 易経は、哲学の本というより占いの本なのですね。陰陽道で、「奇数と奇数が重なる時は陽と陽が(陰と陰が?)重なるから厄除けのお祝いをする」というようなことを聞いた事があります。1月1日は元旦、3月3日は雛祭り、5月5日は子供の日、7月7日は七夕、っていう風に……