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状態動詞にはアスペクトはあるのでしょうか?
こんにちは。 動作動詞はテンス対立もアスペクト対立もあると書かれているのですが、状態動詞はテンス対立があると書いてあるだけでした。 どうしてアスペクト対立は書かれていないのでしょうか?完了相と未完了相の対立は「ル」や「タ」では現れていないということでしょうか? どうしてこのようなことになるのか教えてください。
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ひとまず、「日本語」のことは脇におきましょう。 英語で(文法形式上の)アスペクトと言えば、be doing(進行形)とhave done(完了形)の2つ(言い換えれば、出来事の始まりを表す「始動相」を欠いているの)です。 be doingは、基本的に、動作動詞と関わる表現形式なので、この時点ですでに「状態動詞では、アスペクトの対立は生じない」と判断できることになります。 しかし、厳密に言えば、テンス対立と違って、アスペクト「対立」そのものが、英語では生じません。例えば、I have been writing a letter.のような「完了形」と「進行形」の共起が可能だからです。つまり、進行形と完了形は「相互に排他的な関係にはない」ので「対立」という用語は、テンスの場合と意味合いが違ってくるのです。 このことは、そもそも何を指して「アスペクト」と呼ぶべきなのか(完了と未完了の定義も含めて)、再考すべきであることを示唆しています。これは、さらに言えば、すべての自然言語に関わる問題でもあるので、すぐには結論が出ない問題でもあります。 現実的な方策としては、英語のbe doingやhave doneという形式を使って、英語の話者が「どのような認識を伝えているのか?」を考える方が空疎な議論に振り回されることを避けることができます。 例えば、"be ill"というのは、本来的には、それ自体、「持続・進行中」のニュアンスを含み、"be ill"の状態が「完結・完了」するということは、"be well"の状態に変化することを表すので、have doneの「完了形」にはなりにくい動詞句です。ところが、I have not been working since I have been ill.のような表現が可能です。この文は、失業に追い込まれた「病気が今も治っていない」ことを間接的に伝えていますが、ここから、英語の現在完了形は、「過去の出来事や過去から続く状態を現在の視点と結びつけて述べる」ことを示唆していると考えることができます。 「アスペクト」とは、と演繹的に議論を進めるよりも、例えば、have doneならhave doneの実際の使われ方に着目しながら帰納的に、完了形の用法の本質を探るほうが最終的には学ぶことは多いと思います。
お礼
回答ありがとうございました。 >実際の使われ方に着目しながら帰納的に、完了形の用法の本質を探るほうが最終的には学ぶことは多いと思います。 実際にやってみることにしました。 ありがとうございました。
補足
回答ありがとうございます。 英語のアスペクトについても理解が深まったので、大変ありがたいのですが、登録カテゴリーを間違えてしていたことに今気づきました。 大変申し訳ないのですが、日本語のアスペクトについてもご教授していただけないでしょうか? 確かに、定義自体曖昧ですよね。 このことを考えていて、それなりに書物を見てみましたけれど、アスペクトの定義そのものが微妙にズレがあって、 それが混乱のもとになっているなと思いました。