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正方行列の逆行列と一般化逆行列の違い
今まで,逆行列を考えるときには,対象となる行列は正方行列でした. しかし,一般化逆行列というものがあって,対象とする行列は正方行列で なくても良いみたいなのですが,そうすると,逆行列を考えるときには 正方行列であるという縛りはかからず,どんな行列でも良いと考えていいのでしょうか? また,正方行列の逆行列と一般化逆行列の違いは何でしょうか? 一般化逆行列ではどのように逆行列を求めるのでしょうか? ネット上を調べましたが,詳しく分からなかったため質問させて頂きました. 御存知の方は,教えてください.
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>正方行列であるという縛りはかからず,どんな行列でも良いと考えていいのでしょうか? いいです。具体例が一個あるとわかりやすいと思います。線形代数のほとんどは、連立方程式がらみです。連立方程式、 Ax=b において、Aがn×mで、n=m かつ detA≠0 なら、A^(-1)があるので、 x=A^(-1)・b (1) と解が決まります。しかし応用上は、n=mとは限らない時も、けっこうあります。そのような時でも、(1)の形に解が書けたら便利だよなぁ~、というのが、たぶん事の発端です。 n>mとします。この場合 x の次元はmで、bの次元はnとなり、条件過多になります。 このような場合、とんでもない幸運により、解 x が存在する時もありますが、存在しない時の方が普通です。しかし応用上は、なんらかの近似解は必要になります。そこで残差ノルム最小条件、 |b-Ax|^2=最小 をたいてい使います。これによって定まる x は一意です。具体的には、 A^T・Ax=A^T・b と変形します(^Tは転置です)。A^T・A は、Aのランクがmならmになり、det(A^T・A)≠0 です。従って、残差ノルム最小条件下での解は、 x=(A^T・A)^(-1)・A^T・b となり、(A^T・A)^(-1)・A^T は、n>mの時のAの一般逆行列の一種です(#2さんの最小二乗型)。 参考書ですが、#1さんの「伊理正夫,一般線形代数」は、厚くて高いけど良書です。私は、次の本を紹介します。 線形代数―行列とその標準形 (シリーズ新しい応用の数学 16) (単行本),伊理 正夫 (著), 韓 太舜 (著) この本は、「伊理正夫,一般線形代数」より(いくらか)薄くて安くて簡単です。一般逆行列について、系統的に書かれた本は、日本語ではこれくらいだろうと思います。
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- kumipapa
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こちらもご参考まで http://www7.ocn.ne.jp/~kawa1/GIM.PDF
- arrysthmia
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「一般化逆行列」?、普通「一般逆行列」と訳さないだろうか? 私のお薦めは、これ。 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-ISBN=4130640704 行列Aに対してABA=Aが成立するようなBを、Aの一般逆行列と言う。 Aがn行m列の行列ならば、積ABAが定義できるように Bはm行n列でなければならない。 このようなBは、任意のA(正方行列でなくても)に対して存在する。 それどころか、任意のAに対して複数存在するので、どの一般逆行列の話だか 条件を付加して指定しなければわからない。よく話題に上るものに、 反射型一般逆行列、最小二乗型一般逆行列、ムーア・ペンローズ型一般逆行列 などがある。他にも様々ある。それぞれの定義は、上掲の参考書を参照されたい。 Aが正方行列で、しかも正則(逆行列が存在する)な場合には、 逆行列が唯一の一般逆行列となる。
- grothendieck
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ここで質問する前に参考書を調べ、疑問点を絞って頂きたいです。 参考書 伊理正夫「一般線形代数」 (岩波書店)
お礼
参考書を参考にさせていただきます。
お礼
詳細な回答ありがとうございます。 疑問点は理解できました。 しかし,線形代数の基礎がまだ不十分だと感じたので,オススメされた 参考書を購入しようと思います。 まずは,「伊理正夫,一般線形代数」から・・・。