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偽装が詐欺や詐欺罪になる要件は?
食品の品質や製品性能の偽装が問題になっていますが、なぜ民法の詐欺や刑法の詐欺罪をすぐに適用できないのすか?
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- nep0707
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No.1,2です。 >日本では違法行為がやり得になるような気がします。 その思いを正確に書くと「やり損にならない」だと思いますよ。 違法行為をした人が、違法行為を償うだけで、それ以上の痛い目に合わないのはおかしい、と…。 >米国では行政が私人に代わって損害賠償請求し、分配する仕組みがあるとか 本当に米国にこのような制度があるかどうかは不勉強で知らないのですが、 少なくとも懲罰的損害賠償=損害額以上の賠償をさせる制度はあるようです(英米法特有…かな?)。 ただ、これもまた2つ批判があります。 ・民事、刑事の分化を妨げる制度であり、「基本的に自分のことは自分で何とかする」という国民の法的自立の障害にもなる ・加害者からより多く取るのはいいとして、被害者に被害額以上の利益が入る「焼け太り」を許すのはいかがなものか (特に2つ目は、倫理的問題だけじゃなく、被害者が逆に後ろ指差されることにつながりかねない) ということで、懲罰的損害賠償もそれほど人気があるとはいえないのが現状でして、 日本の制度もそれなりに合理性のある制度とは言えるんです。 (要するにどの制度も一長一短がある、ということ)
- nep0707
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No.2です。 民法にいう「人」は(権利義務の性質が許さないのでない限り) 法人も含まれますので、これは法人も主体となりえます。 刑法の詐欺罪は、 「他人を欺く行為により錯誤に陥らせ、その錯誤を利用して財物を交付させるか不法な利益を得ること」 であり、財産の移動がなければ詐欺罪既遂とはなりません。 民法96条の詐欺とは、 「他人を欺く行為により錯誤に陥らせる違法な行為」をさします。 それによって売買などの法律行為をさせた場合、 相手方は法律行為の取り消しを求めることができる、ということです。 ちなみに、もとより民法は当人同士で問題をどう解決するか?を規定しているに過ぎないので、 当人がアクションを起こさなければ国家権力の出番はないです。
- nep0707
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まぁ、材料や賞味期限を偽って、消費者を騙して 「騙されなかったら買わなかったであろう商品を買わせた」 点をもって詐欺罪とすることは可能な気はしますが… ただ、詐欺罪の主体を考えると構造が単純でないってことはあります。 一般刑法犯(刑法に定められている犯罪)の主体は自然人であり、 法人は主体になりえないというのが通説判例ですから、 「会社の犯罪」というとらえ方がそもそもできません。 …というか、「会社の犯罪」ととらえた時点で、たいていの場合法律論じゃなくなるんですけどね… 「(自然人としての)誰が」詐欺罪を犯したの?を確定させなければなりません。 直接品物を売ったのはお店の人だけど、お店の人は知らずに売っていたかも知れない… 仕入れ先も同じことが言えますし、 実際に偽造を実行した人が確定できればその人は詐欺の実行犯を問えるでしょうけど、 その人とて誰かの命令でやっていたかもしれない… そう考えると、立件の難しい場合が多いのではないでしょうか? 社長が命令したことが立証できれば社長に詐欺罪の教唆犯なり間接正犯を問うこともできるだろうけど、 実際、そういう単純な構造かどうかは一律にいえないし… (下が勝手にやっていて、社長が後で知って慌てふためく…ってことだってあると思いますよ) それなら、行政関係の法律のほうがもっと簡単に当てはめられることが多いので (自然刑法犯だけでは限界があるのでこのような法律を作っているともいえる) そちらで捜査機関が動く、ということではないかと思います。
お礼
刑事罰の対象は法人ではなく、自然人だから罪を犯した者の特定は難しいということ、とても良く理解できました。 民法上の詐欺の適用はどうなのでしょうか。やはり同じ理論ですか? また、仮にその人を確定できたとして民法の詐欺と刑法の詐欺罪の要件の違いはあるのでしょうか? もし再度ご回答いただけたら幸いです。
- mat983
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http://www.g-live.jp/topics/topics5.html 上記サイトには、 [取り締まる法律が省庁間で異なり、専門家からは法制上の不備も指摘されている」とあります。 賞味期限を偽った場合は、詐欺罪としては重いことも背景にはあると思います。
お礼
面白いサイトですね。ご紹介ありがとうございます。
お礼
ありがとうございます。よくわかりました。日本では違法行為がやり得になるような気がします。米国では行政が私人に代わって損害賠償請求し、分配する仕組みがあるとか・・・日本にも必要に感じました。