参考書をお持ちのようなので, 詳細はそちらでご覧いただくのが良いと思われますので, 概略のみ.
>(1)
>>y=Ae^{(√a)x} +Be^{-(√a)x} [A,Bは任意定数]
>>と形式的に解けて・・・
>とありますが、これを証明or解析的に順序だって導くことは容易なのでしょうか?
『高階線形微分方程式』の定係数の同次線形微分方程式のあたりをお調べ下さい.
具体的には
d^2y/dx^2-ay=0 ・・・(a) だと(ただしa≠0のとき)
y=e^(ρx) と置いて代入[ρは定数]. dy/dx=(e^ρx)ρ, d^2y/dx^2=(e^ρx)ρ^2 より
(a) ⇔ (e^ρx)(ρ^2-a)=0 ⇔ ρ^2-a=0 ⇔ ρ=±√a
よって, 基本解として, 1次独立な2解 e^{(√a)x}, e^{-(√a)x} を見つけることが出来て, 一般解はこれらの1次結合により
y=Ae^{(√a)x} +Be^{-(√a)x} [A,Bは任意定数]
と書かれる(a≠0のとき).
なお, これはaが正でなくても(一般の複素数の範囲で)形式的には成立しますが, aが負のときは
y=Ccos{√(-a)・x} +Dsin{√(-a)・x} [C,Dは任意定数]
の形もよく使うことは先述のとおりです.
>(2)
>>d^2y/dx^2-ay=b
>>の特解 y=-b/a を加えて・・・
>ここの部分も機械的にこのように解くしかないのでしょうか。なぜこのようにすれば、解となる?と聞くのは愚問なのでしょうか?
これは線形(微分)方程式の著しい特徴である『重ね合わせの原理』によります(線形方程式なので, 解の重ね合わせが有効).
一般論は参考書でご覧いただくとして,
同次方程式 d^2y/dx^2-ay=0 を満たす一般解y=f(x) が求まれば,
d^2f(x)/dx^2-af(x)=0 ・・・(b) が成立.
さらに非同次方程式(右辺に0でない関数[非同次項]p(x)がある)
d^2y/dx^2-ay=p(x)・・・今は p(x)=b
の特解(解の1つ) y=g(x) ・・・今は g(x)=-b/a
がカンでも何でも良いので見つかれば,
d^2g(x)/dx^2-ag(x)=p(x)[=b] ・・・(c)
も成立.
すると,元の微分方程式
d^2y/dx^2-ay=b
の左辺に y=f(x)+g(x)=f(x)+(-b/a) を代入すると, [途中(b),(c)を用いる]
(左辺)=d^2y/dx^2-ay=d^2f(x)/dx^2-a{f(x)+(-b/a)}=d^2f(x)/dx^2-af(x)+b=0+b=b=(右辺)
で,
y=(同次方程式の一般解f(x))+(非同次方程式の特解g(x)=-b/a)
=Ae^{(√a)x} +Be^{-(√a)x} -b/a [A,Bは任意定数]
が, (2個の任意定数を含み)元の微分方程式の一般解である.
お礼
丁寧な解説ありがとうございました。 大変助かりました。