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ips細胞から理論的には卵子も精子も作り出せる
素人の質問ですみません。 ips細胞を使うと一人の人から、精子を作ることも卵子を作ることも、理論的には可能という記事を見て、例えば、男性由来のips細胞ら卵子、女性由来のips細胞から精子をどうやって作るのだろう?と思いました。なぜ可能なのか、教えていただけませんか。 よろしくお願いします。
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私もちょっと最近のマスコミの報道は過大評価だと感じます。 ES細胞を万能細胞と紹介しているのにも、ちょっと抵抗があります。 理論上と言われますが、理論上であればなんでも可能ですよ。 理論上でなければ私はまだまだだと思います。 いくらそれらしい論文を挙げたところで、実際読んでいないでタイトルの字面だけをおってしまうのならば、マスコミの過大評価と変わりませんよ。実際、論文を書いたり読んだりすると、考察の部分ではおもしろさをアピールするために可能性の話をすることがあります。そこをだに評価すると問題です。IPS細胞にもその性質について賛否両論あります。 それともうひとつ、研究者が卵子ができたとかいうとき、何を根拠にすると思いますか? それは例えば、卵子に特異的に発現している遺伝子(マーカー遺伝子とか言ったりする)が数種類発現しているとか、胚発生の途中まで卵割が進むとかもあるかもしれません。 しかし、実際の卵子とは、ちゃんとした個体まで作る能力がある細胞であるはずです。そういう意味では、実験的にできたものは所詮数種類のマーカー遺伝子が発現しているだけであり、胚発生の途中までしか行かない細胞であるのみです。 それでも、その論文の結論は卵子ができたと書くでしょう。私はそれをマスコミは女の人がいらない世の中が来るとかはやしたててるような感じがします。
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- nayu-nayu
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論文は読んでいませんが、2003年のScienceや2004年のNatureに出された下記論文から、iPS細胞でも理論的には可能だろうと推測しているのだと思います。 Derivation of Oocytes from Mouse Embryonic Stem Cells http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/300/5623/1251 Derivation of embryonic germ cells and male gametes from embryonic stem cells http://www.natureasia.com/japan/nature/index.php?n=6970 関連ニュース(日本語、一般人向け)はNature Digestに載っています。 http://www.nature.com/ndigest/index_ja.html?volume=3&issue=8 ご覧になりたい場合、いずれも理系の大学図書館なら確実に所蔵していますが、県立図書館など大規模な図書館なら持っている場合もあります。 もし興味があれば、図書館にご相談下さい。
お礼
具体的な足がかりを頂いて、恐縮です。 Nature Digestを早速読ませていただきました。 細胞の成熟の確かさという問題はあるのかな?と思いましたが、新しくips細胞という方法を得て、こうした研究がどこまで進むのか、とても関心が強くなりました。 上記以外の文献については、国立国会図書館のコピー・郵送サービスを活用したら入手できるかな?と考えております。 後は、解読できるか? という能力の問題です。(笑) ありがとうございました。
- tatoo
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最近、マスコミ等の報道でよくこの手の話は聞きますね。 しかし、あまりにも過大解釈であるので「おいおい」って思う今日この頃です。 理論上というか、まだまだ机上の空論で語るとみなさんが回答されているような事は可能です。しかし、あくまで現在ではほぼ不可能です。 マスコミが煽りすぎです、はっきり言って。 どうも、一般の人の感じで言うと、「IPS細胞ができたから、それをもとに試験管でいろいろな細胞(精子や卵子等々)ができる」的な事を想像されるかもしれませんが、今のところそれができるのはアフリカツメガエルだけです。(カエル胚の細胞をいろいろな濃度のアクチビンで処理をするといろいろな器官が誘導されるという東大の浅島先生の方法) 野瀬先生の方法はBMP4というマウスの始原生殖細胞を誘導する因子で、ごくごく初期の生殖細胞に分化させた後、マウスの精巣に移植するという方法です。結局、マウスの体というゆりかごにゆだねなければならないのです。 なので、マウスの精巣に移植してからは、マウスの精巣で普段起こっていることが移植された細胞にも起こる訳ですから、女性由来の精子は異常が起こりアポトーシスなどでダメになる事が多いと思います。ましてや、男性由来の卵子などは絶対に卵巣に移植してもできないと思います。 そういう意味では質問者の方の疑問には「不可能」と答えるのみです。 IPS細胞ができてすごいところを敢えて挙げれば、これまでは受精卵頼らなければならなかった材料を自分の細胞で作れるかもしれないというところです。 しかし、あくまで材料ができたかもしれないとってだけなので、「じゃ、これからどう作るの?」ってところが全く現在ではできないといったところです。 材料の細胞をどうやって必要な細胞または器官に「分化」させるかということこそが大事で、そこはまだまだだということです。そこをマスコミ等はいかにもできる!って煽りすぎかと。
お礼
詳しく教えていただきすみません。 >どうも、一般の人の感じで言うと、「IPS細胞ができたから、それをもとに試験管でいろいろな細胞(精子や卵子等々)ができる」的な事を想像されるかもしれませんが そのとおりです。さらに、精子・卵子も、という点がインパクトがあったので、昔の教科書の記憶を手繰り寄せ、最初に元になる細胞が出来て、次に生殖巣(卵巣・精巣)?に移動とかするんじゃなかったかな? などと考えている内に、複雑なプロセスがいろいろありそうに思え、混乱してきて質問させていただきました。 説明していただいて、ちゃんと理解できたか不安ですが、とても、しっくりきました。今の段階では、やはり、有力な材料が出現したと受け止めるのが良いのですね。 ありがとうございました。
- ga111
- ベストアンサー率26% (247/916)
>1人の細胞から精子と卵子を作れる可能性があるなど新たな倫理的問題もある。 女性由来のips細胞から精子が可能という風にも取れますね。ips細胞はES細胞(以下に出てくる)と似ているので、以下の手法が可能なのかもしれません。(私はちょっと調べてみましたが確証はえられませんでした。) http://wiredvision.jp/archives/200309/2003091802.html 研究者たちはこれまでES細胞を、さまざまな種類の細胞に分化させてきた。卵細胞への分化も行なわれている。だが、今回の研究を行なった科学者チームによると、精子の分化に成功したのはこれが初めてだという。 三菱化学生命科学研究所の野瀬俊明主任研究員がリーダーとなって進められた今回の研究の結果は、『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)オンライン版に今週掲載される。 野瀬主任研究員が率いる研究グループはまず、ES細胞と、『BMP4』というタンパク質を作り出す細胞とを混合して培養した。このタンパク質は、胚の発達中に、精子の元となる始原生殖細胞の形成を促進する働きをする。通常の胚の中では始原生殖細胞の形成に3日かかるが、実験環境では1日のうちに形成が始まったものもあった。この始原細胞を生きたマウスの精巣環境で育てたところ、精子になったという。
お礼
ga111さんが指摘してくださった記事が、他の方の教えてくださったことを理解する元になりました。ありがとうございました。
補足
わざわざ調べていただいてありがとうございます。 nativepageさんが、教えてくださったこととも繋がっていますね。 上記の研究のお話から推測を広げると、元は女性由来(XX)でも精巣という環境で育てるという点で、精子への可能性があるということでしょうか。難しいですね。 また、前回、回答下さった中にあったYを持った卵子は、理論上あり得るかもしれませんが、きちんと成熟する(させる)という点が問題かと思うのですが、いかがでしょうか。 もし、またお時間があれば、ご教示ください。
- ga111
- ベストアンサー率26% (247/916)
男性の細胞は性染色体がXYですので、生殖細胞へ分化させた場合、減数分裂でXを持った精子、卵子、Yを持った精子、卵子は作れると思います。 問題は女性でYを持った精子、卵子はできないと思います。記事を直接引用されれば、記事が間違っているかどうか判断できるかもしれません。執筆者もたぶんそれほど専門家ではないと思います。
補足
回答いただいてありがとうございました。 >問題は女性でYを持った精子、卵子はできないと思います。 丁度、この辺りのことで疑問を感じ、混乱してしまいました。 私が見た記事は、以下の新聞記事で、何も詳しく示されておりませんでした。 http://mainichi.jp/select/science/news/20071121ddm003040154000c.html
- nativepage
- ベストアンサー率40% (24/60)
iPS細胞は様々な細胞に分化する能力があります。 もしiPS細胞を卵や精子のおおもとになる生殖始原細胞や 卵を作る卵原細胞や精原細胞に分化させることができた場合、 iPS細胞から卵や精子を作り出せるということになります。 確か、すでに精子を何かの幹細胞から分化させるのはかなりいいところまで行っていたと思います。 悪いことばかりではなく、同性愛者のカップルにも子供ができる 可能性があるので、やる国も出てくるかもしれませんね。
お礼
早速、回答いただいてありがとうございました。 すでに、精子を分化させるレベルまでは、今までの研究でも、手が届きそうなんですねぇ。驚きました。
お礼
論文に関して、専門的な視点から具体的に教えていただき、とても興味深かったです。 >卵子に特異的に発現している遺伝子(マーカー遺伝子とか言ったりする)が数種類発現しているとか、胚発生の途中まで卵割が進むとかもあるかもしれません。 上記なども、次へのステップとして大切なことかもしれませんが、重要なのは、現段階で行われていることと、可能性としては想定できることを、よく区別して理解するということですね。 >私もちょっと最近のマスコミの報道は過大評価だと感じます。 ES細胞を万能細胞と紹介しているのにも、ちょっと抵抗があります。 >私はそれをマスコミは女の人がいらない世の中が来るとかはやしたて てるような感じがします。 マスコミ頼りではいけないということなのだと思いますが、誤解や変な方向に話が盛り上がる状態を作るような煽り方をせず、その分の労力を丁寧な説明に使って欲しいなと思います。こうした分野は、わかりやすい説明があると、とてもおもしろいし、いろいろ考えるきっかけにもなると思いました。 ありがとうございました。