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取締役解任について(社員身分から突然取締役になったが…)
上場企業の100%出資子会社で代表取締役を2年ほど任されて来ました。過去の2年間は親会社の社員身分の執行役員として、子会社の代表取締役を任されて来ましたが、子会社の経営に専念することを勧められ、一度親会社を退職し同じ子会社の代表取締役、という身分になりました。 ところが親会社の社員身分を離れ子会社の代表取締役となってから3ヶ月後に突然、取締役解任か辞任かを選択するように迫られ、その後は親会社に雇用する義務は無い…と一方的に会社を去るように迫られています。 今思えば、解雇(解任)し易いようにわざと子会社の役員にした、とも思えるのですが、こういった場合親会社には何らかの不当性は無いものなのでしょうか?お詳しい方からのお知恵を頂戴できれば幸いです。
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- methuserah
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まず役員任期がいささか不明瞭なので、とりあえず最短の1年という前提で説明させていただきます。そもそも平成17年・18年の1月は、まだ新会社法が施行されていないので取締役の任期は2年を越えることはありません。 >解雇(解任)し易いようにわざと子会社の役員にした ここについてですが、役員の解任より従業員の解雇の方がずっと簡単です。従業員は1ヶ月の猶予をもって解雇すれば何のペナルティもありませんが、役員は雇用契約ではなく1年ごとの委任契約になります(会社法330条)。給料が月極の雇用契約であれば例え1年契約の雇用契約の途中で解雇しても1ヶ月の猶予又は1ヵ月分の給料を支払えばいいのですが、委任契約である役員を任期満了前に解任する場合は『その解任について正当な理由がある場合を除き』損害賠償請求をすることができます(会社法339(2))。 この賠償額の目安は、『任期満了まで就任していれば受け取れたであろう役員報酬の額』と思ってください。つまり今すぐに解任になったとしても今期決算に関する定時株主総会終結までの役員報酬相当額は払ってもらえるということです。 ただ、親会社があなたに『その後は親会社に雇用する義務は無い』と主張しているところが気になります。 上場企業の法務担当者(少なくとも子会社とはいえ代表取締役に辞任を突きつけられるような地位にいる人)であれば、任期前解任のペナルティを知らないということは考えられません。 そこで先方が何を考えているのかをいくつか予想しますと、 (1)今回の辞任・解任の話は『次回(平成20年)の任期満了をもって解任する』という予告(正確には解任ではなく“重任にはしない”ということ)と、もし『解任されるくらいなら自分から辞任する』というならそれはそれでかまわないという趣旨。 (2)あなたに解任されるべき重大な事情があるが、あなたがこういう場でそれを公開するのを避けているか、あなた自身もそれに気付いていない。まぁたいていの人は弁護士に相談するときでも、自分に都合の悪いことはなかなか言わないものです。あなたがそうだということではなく、あくまで一般論として。 (3)担当者があなたをなめている。任期前解任のペナルティなんてどうせ知らないだろうし、せいぜいネットや又聞きでなどで中途半端に聞きかじったネタで抵抗するのが関の山だろうとタカをくくっている。 …というのがとりあえず考えられます。他にもあるかもしれませんが、この中のどれかであれば対応としては (1) 言い方はともかく、親会社側の対応はきわめて親切・丁寧。コンプライアンスはかくあるべしというくらいです。 (2) 辞任の道を残してくれたのは親会社の最後の思いやりといったところです。解任されるようなことをしていないかどうか、一度考えてみてください。ちなみに業績悪化は原則として任期前解任の『正当な理由』にはなりません。具体的にはあなたが何らかの犯罪にかかわっていたとか、部下や他の役員の重大な不始末について引責辞任を迫られるということはあります。 (3) あなたが単身で賠償請求をしても会社はのらりくらりとかわすでしょう。内容証明も効果があるかどうか疑問です。あなたの主張を強力に裏付けてくれる専門家の力を借りた方がいいかもしれません出向役員とはいえ、仮にも代表取締役という重責のある人が、ネットで拾った知識をかざしたのでは一笑に付されるだけです。『お金をかけずに、できれば穏便に…』と考えているのであれば、思惑通りに泣き寝入りするのが最善手です。自分に法律を扱えないならば扱える人間を金で雇い、必要であれば訴訟も辞さずにとことん大暴れをする、法律をかざすとはそういうことです。『法律かざして穏便に』は存在しない選択肢と思ってください。ただあなたが専門家を使えば相手も必ず顧問弁護士を使ってきます。上場企業の顧問弁護士であれば間違いなく企業法務のスペシャリストですので、相応の覚悟と準備をして臨んでください。 ▽▽条文▽▽ 会社法 (株式会社と役員等との関係) 第330条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 (解任) 第339条 役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。
- methuserah
- ベストアンサー率80% (16/20)
その子会社の役員任期は何年になっていますか? ↑会社の定款に出ています 最後に役員に選任されたのはいつですか? ↑記憶でもいいですが、正確なものは会社の謄本に出ています 解任・辞任を突きつけられたのはいつですか? ↑日にちまでお願いします。 その子会社は何月決算ですか?また最後の決算に関する定時株主総会はいつ行なわれましたか? ↑これも日にちまでお願いします。 この内容次第で、解任に対して損害賠償請求ができる場合があります。ただし解任を阻止することはできません。株主総会はいつでも役員を解任することができるからです。 もちろん辞任した場合は何もできません。経緯はどうあれ、形式的には本人都合により辞めただけだからです。
補足
回答ありがとうございます。 >その子会社の役員任期は何年になっていますか? 確か3年です。 >最後に役員に選任されたのはいつですか? H19年3月28日重任とあります。H17年1月から毎年この時期に重任して来ています(ということは1年任期???)。昨年の業績等を解任の理由にするには、(決算が12月なので)決算の数字を知った後に重任している… というおかしな順番ではあります。 >解任・辞任を突きつけられたのはいつですか? H19年6月11日です。 >その子会社は何月決算ですか?また最後の決算に関する定時株主総会はいつ行なわれましたか? 12月決算です。決算に関する…というか株主総会自体が形式化しており、定例のミーティングがあるのでそれをもって取締役会議や株主総会として書類を管理部が作っているという慣習でした。 恐らく解任には違法性は無く、やっても任期満了までの報酬を要求しての損害賠償請求かな?とは思っています。H17年の就任時とは親会社の経営陣が総入れ代えになっており(入れ代わったのはH19年4月)、経営というよりは社内政治の色合いが濃いのは事実です。 コメント、よろしくお願い申し上げます。
- mahopie
- ベストアンサー率64% (563/872)
法的には、株式会社の取締役の身分は株主総会による任期期間での委任契約ですので、解任の為の株主総会の特別決議が必要ですが、100%子会社であれば周辺の条件設定は十分可能ですので、少なくとも「違法」ではなさそうです。 確認事項としては、 1.親会社退職時には退職金を受け取られましたか? 2.経営を一任された子会社の業績は、本来の期待度合いと比して如何でしょうか? 3.子会社社長と本社の部長等肩書きとの整合具合は? 4.その他取締役の処遇はいかに? 5.その他、周辺事項として質問上では表面化していない・できない事実関係があるのでは、と考えます。 6.個人的には、解職される前の時間で、社長としてできる事を全うされれば、と考えます。
- bkyoumu
- ベストアンサー率41% (68/164)
これは労働問題に詳しい弁護士を最寄の弁護士会で紹介していただいたほうがよろしいのではないでしょうか。 少々悪質だと思います。
補足
お手間おかけします。大変参考になります。 (1)今回の辞任・解任の話は『次回(平成20年)の任期満了をもって解任する』という予告(正確には解任ではなく“重任にはしない”ということ)と、もし『解任されるくらいなら自分から辞任する』というならそれはそれでかまわないという趣旨。 これは無く、「12月までの報酬でどうか?」(本来は株主総会の終了時までの3月末が任期)と持ちかけられていますので、ある程度の交渉をして来ている、と見ています。 (2)あなたに解任されるべき重大な事情があるが、あなたがこういう場でそれを公開するのを避けているか、あなた自身もそれに気付いていない。まぁたいていの人は弁護士に相談するときでも、自分に都合の悪いことはなかなか言わないものです。あなたがそうだということではなく、あくまで一般論として。 親会社側が「解任か辞任するか選べ」というその理由は以下の2点。 1.業績 2.任期中に稟議書類等の事務処理に怠りがあった です。1.については数字の話ですのでこちらとしても「そうですか」という程度ですが、2.については、稟議書類の事務処理に怠りがあった事は事実としても、当時(現在は経営者が代わっています)の経営陣から了解を取らずに行った決済事はありません。当時の経営者も、「稟議書は遅れても、内容は了解済み」との言質を残しており、その発言を聞くために現経営陣は旧経営者からヒアリングもしたそうです。 (3)担当者があなたをなめている。任期前解任のペナルティなんてどうせ知らないだろうし、せいぜいネットや又聞きでなどで中途半端に聞きかじったネタで抵抗するのが関の山だろうとタカをくくっている。 なるほど…。確かに、即解任ではなく、12月まで(年度末、本来は3月末までの任期)という交渉を持ちかけて来ていますので、少々ナメられているのかも知れませんね。 …というのがとりあえず考えられます。他にもあるかもしれませんが、この中のどれかであれば対応としては (1) 言い方はともかく、親会社側の対応はきわめて親切・丁寧。コンプライアンスはかくあるべしというくらいです。 (2) 辞任の道を残してくれたのは親会社の最後の思いやりといったところです。解任されるようなことをしていないかどうか、一度考えてみてください。ちなみに業績悪化は原則として任期前解任の『正当な理由』にはなりません。具体的にはあなたが何らかの犯罪にかかわっていたとか、部下や他の役員の重大な不始末について引責辞任を迫られるということはあります。 (3) あなたが単身で賠償請求をしても会社はのらりくらりとかわすでしょう。内容証明も効果があるかどうか疑問です。あなたの主張を強力に裏付けてくれる専門家の力を借りた方がいいかもしれません出向役員とはいえ、仮にも代表取締役という重責のある人が、ネットで拾った知識をかざしたのでは一笑に付されるだけです。『お金をかけずに、できれば穏便に…』と考えているのであれば、思惑通りに泣き寝入りするのが最善手です。自分に法律を扱えないならば扱える人間を金で雇い、必要であれば訴訟も辞さずにとことん大暴れをする、法律をかざすとはそういうことです。『法律かざして穏便に』は存在しない選択肢と思ってください。ただあなたが専門家を使えば相手も必ず顧問弁護士を使ってきます。上場企業の顧問弁護士であれば間違いなく企業法務のスペシャリストですので、相応の覚悟と準備をして臨んでください。 アドバイス、ありがとうございます。 硬軟両方の観点から検討したいと思います。 本件、旧経営陣の残した事業と人材を一掃したいとする政治の部分が大きく作用しておりますので、あまり深入りし過ぎないように心がけたいと思います。