「ん音便」を探しています
次の(1)~(3)の全部を満たす言葉(これを仮に「ん音便」と言うことにします)の例を探しています。
(1) 2つの独立した言葉で成る。
(2)前の言葉の末尾の音「ん」と後の言葉の先頭の音とがくっついて1つの音を成す。
(3)くっついてできた言葉がくっつく前と同じ意味を表す。
例として、「何円」という言葉を考えます。「何」と「円」とは独立した言葉なので(1)を満たします。
前の言葉の末尾の音は「ん」で、後の言葉の先頭の音は「え」なので、これがくっつくと「ね」という音になるので、(2)を満たします。
くっついてできた「なねん」は「何円」という意味ではないので(3)を満たしません。
したがって、「何円」は「ん音便」ではありません。
別の例として、「反応」という言葉を考えます。「反」と「応」が独立した言葉であるかどうかはよく分かりませんが、仮に独立した言葉であるとします。すると(1)を満たします。
前の言葉の末尾の音は「ん」で、後の言葉の先頭の音は「お」なので、これがくっつくと「の」という音になるので(2)を満たします。くっつく前に「はん」の中にあった「ん」はくっついた後も「はんのう」の中に「ん」として残っているので厳密にはくっついたことにはなりませんが、これは一応「くっついた」とすることにします。
くっついてできた「はんのう」はくっつく前の「はんおう」とは違う意味なので(3)を満たしません。
したがって、「反応」は「ん音便」ではありません。
かなり考えたのですが、思い当たりません。何かないでしょうか.
探している理由は、英語では「n」はその直後の母音と容易にくっつく(例えば、「in an orange」は「イナノレンジ」のように発音する)のに日本語では滅多にくっつかないので、日本語ではなぜくっつかないのかと思ったのがそもそもの始まりです。