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解析力学(一般化座標の独立性)について
最近、解析力学の勉強を始めた者です。 一般化座標を導入し、ラグランジェの方程式に行く途中で理解できないところがあります。 位置ベクトルをrとして、rdot=Σ(s=1~n)(∂r/∂qs)qsdot+∂r/∂t となるところまでは理解できたのですが、この式をqkdotで偏微分すると、∂rdot/∂qkdot=∂r/∂qkとなることが理解できません。 ここでは、qkとqkdotを独立としているのでしょうが、なぜ独立としていいのでしょうか? ここ一週間ほど考えているのですが、どうしても分かりません。どなたか教えてくれませんか?
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細かいことは抜きにして、 ∂rdot/∂qdot というのが、物理的にどういう状況を考えているのかという事を書いてみますと、 ある時刻に、位置qにいて,qの時間微分がqdotであるような粒子Aと、 同時刻に、位置qにいて,qの時間微分がqdot+Δqdotであるような粒子B を(仮想的に)考えます。 粒子Aの速度ベクトルを、rdot(q,qdot)とすれば、 粒子Bの速度ベクトルは、rdot(q,qdot+Δqdot)と書けることになります。 そうすると、粒子AとBの速度の差Δrdot=rdot(q,qdot+Δqdot)-rdot(q,qdot)というものを考える事ができます。この両辺をΔqdotで割って、Δqdot→0の極限をとったものが、∂rdot/∂qdotです。 ある時刻位置qにいて,その時間微分がqdotであるような粒子を色々と考える事ができますよね。特に、同じ位置qにいるけどその時間微分の値は違うという2つの粒子を考えたりしても何ら問題はありません。そういう意味で、qとqdotは独立になります。 q(t)とqdot(t)と書いたら、『1つの』粒子の運動を追っている事になるので、q(t)を決めればqdot(t)も決まることになりますが、ここでいうqとかqdotというのは単なる実数(の組)であって、q(t)のような粒子の軌道とは違うんです。
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- noocyte
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三たび #11 です. 結局のところ,∂rdot/∂qkdot や ∂L/∂qkdot などの偏微分には特に物理的な 意味があるわけではなく,特定のパターンの既知関数の特定の部分を取り出すための 数式導出技法と理解すればいいのではないかと思います. つまり, rdot(q, qdot) = Σ(s=1~n) (∂r/∂qs) qsdot において ∂r/∂qs は q だけの関数なので,qsdot に関しては1次式になっています. ∂r/∂qs を rdot(q, qdot) で表そうとすれば,上記の点に着目して qsdot で 偏微分すればいいわけです.この偏微分に特に物理的な意味があるわけではなく, rdot(q, qdot) の関数形を利用した単なる数式導出の技法というだけのことです. なので実際に q と qdot の間に関係があろうがなかろうが,どうでもいいわけです. ∂L/∂qkdot の場合も同様で,運動エネルギーの関数形は (直交座標での) 速度 成分の2乗和になっているので,速度成分で微分すれば (その速度成分×質量) つまりその速度成分に共役な運動量が得られる.だから一般化運動量を ∂L/∂qkdot で定義するのだと言っていいと思います.
お礼
何度も書き込んでくださってありがとうございます。 みなさんのおかげでだいたい理解できたと思います。 これからもしっかり勉強していきたいと思います。 本当にありがとうございました。
- noocyte
- ベストアンサー率58% (171/291)
#11 です. > つまり∂rdot/∂qkdot = ∂r/∂qk は恒等式だということですよね? まあ,そういうことですね. ∂rdot/∂qkdot = ∂r/∂qk などと書くと,偏微分やら時間微分が入っているので, 微分方程式のように錯覚してしまいますが,r(q),rdot(q, w) は既知関数ですから. なお,qkdot での微分が出てくるのは Euler-Lagrange の運動方程式でも同じですが, ラグランジアンを q,qdot の関数 L(q, qdot) とするところまではいいとして, L を qkdot で偏微分するという点に非常に驚き・違和感・胡散臭さと疑問・面白さ などを感じました.(笑) それに対して色々考えた結果, (d/dt)(∂L(q, qdot)/∂qkdot) - ∂L(q, qdot)/∂qk = 0 を, (d/dt)(∂L(q, w)/∂wk) - ∂L(q, w)/∂qk = 0 と w = qdot の連立微分方程式と解釈することで,当時は一応納得していました.
- noocyte
- ベストアンサー率58% (171/291)
私も大学1~2年の頃,解析力学に非常に興味を持っていました. しかし,manatwork さんと全く同じ点が大きな疑問でした. その後自分なりに色々考えて一応納得していたのですが, 今回改めて考え直してみました. q ≡ (q1, q2, …, qn),qdot ≡ (q1dot, q2dot, …, qndot) とします. r = r(q, t) ですが,この場合tは本質的ではないので省略して r = r(q) とします. このとき,rdot がどういう関数形になるかを考えます.質問文にあるとおり rdot = Σ(s=1~n) (∂r/∂qs) qsdot ですが,rdot および ∂r/∂qs の独立変数は何でしょうか? もちろん,r の独立変数が q なので,∂r/∂qs の独立変数は q です. そこで,∂r/∂qs を Fs(q) と書くことにすると, rdot = Σ(s=1~n) Fs(q) qsdot 次に rdot の独立変数は何かという点ですが,運動方程式を解かない限り, qsdot を q の関数として表すことはできません. したがって rdot の式はこれ以上変形できず,rdot の独立変数は q と qdot として扱うほかありません.そこで rdot を G(q, qdot) と書くと, rdot ≡ G(q, qdot) = Σ(s=1~n) Fs(q) qsdot q と qdot が「独立」変数と書いたので,たぶんここでひっかかっているでしょう.(笑) しかしここでは,とりあえず G の関数形だけを問題にしているので, q と qdot の間に関係があろうがなかろうが,その点は気にしなくても大丈夫です. そこで気が散らないように,qdot を w と書き替えておきます.(笑) G(q, w) = Σ(s=1~n) Fs(q) ws G の全微分は dG = Σ(k=1~n) {(∂G/∂qk) dqk + (∂G/∂wk) dwk} ですが,これは qk と wk の間に関係があろうがなかろうが成り立ちますよね? qk と wk の間に関係がある場合には,dqk と dwk を独立に選ぶわけにはいきません. しかし今は,それはどうでもいいことなのです. なぜならば,今求めたいのは dG ではなく ∂G/∂wk だからです. これは q と w の関係の有無によらず,G(q, w) の関数形だけから決まります. ∂G/∂wk = Fk(q) これを元の記号で書けば ∂rdot/∂qkdot = ∂r/∂qk … という説明でどうでしょうか? (自分では約30年目にしてようやく納得できたと思うのですが.)
お礼
親切丁寧な回答ありがとうございます。 noocyteの言われていることは、つまり∂rdot/∂qkdot = ∂r/∂qk は恒等式だということですよね? eartern27さんの回答とあわせて考えると、なんとなく分かった気がします。
- connykelly
- ベストアンサー率53% (102/190)
#6のconnykellyです。 >なんどもしつこく質問してしまって、本当に恐縮なのですが、 そのしつこさが大事ですね。といっても疑問に充分お答えできるだけの自信はありませんが(^^);; ちょっと気分転換して3次元空間での関数z=f(x,y)を考えましょう。この関数のx,yは独立変数ですね。LagrangianはL=L(q,qdot)と書かれますので(←tを顕に含まない場合)3次元空間の類推からqとqdotは独立変数であると。。。しかしこの議論はお気づきのようになぜqとqdotを独立変数に選んだのかという疑問の解決にはなっていませんね。昔、解析力学の本を読んだとき、qとqdotを独立変数として理論を組み立てると上手くいくということが書かれていたことを思い出します。この辺がLagrangeの物理的直感というものですかねぇ(←ええ加減な話)。たしかにそのときmanatworkさんの疑問のように??と感じたことを記憶していますが、そのうちになんとなく慣れてしまって。。。Hamiltonの正準理論ではqとpが独立だと主張することになりますが、これは位相空間での話ですね。以上駄言でした。
お礼
connykellyも当時は疑問に感じたことがおありなのですね。それを聞いて安心しました。eatern27さんの回答でなんとなくわかったような気になれました。さらに自然に感じられるように、connykellyさんのように勉強していきたいと思います。長々と付き合っていただき本当にありがとうございました。
- moumougoo
- ベストアンサー率38% (35/90)
No.2の回答で r'=(∂r/∂q)q'+(∂r/∂q')dq''+(∂r/∂t)---(☆☆) でしたが r'=(∂r/∂q)q'+(∂r/∂q')q''+(∂r/∂t)---(☆☆) でした失礼しました。 せっかくなので、 あと、逆質問になってしまいますが ∂rdot/∂qkdot=∂r/∂qk だとqkとqkdotは独立という意味になるのでしょうか?ひょっとすると私の独立の意味がおかしい?のかもしれませんが、私は以下のように考えています。 ラグラジアンは経路の関数でで、qとdq/dtは独立に考えません。変分をとるとき q(t)+δq(t) を考えて、これにあわせて (dq/dt)(t)+δ(dq/dt)(t) を考えますよね。さらに、δ(dq/dt)=(d/dt)δqとしたりします。独立だったらこんなことできません(お互い関係ないわけですし、べつにオイラーラグランジュ方程式を満たす経路というわけではなくで、それは変分の局値として、そのあとで決まることですよね)。 なので、∂rdot/∂qkdot=∂r/∂qkは単純にrがqkdotを陽に含まない変数だから得られる関係だと思います。 ちなみに、数学的にはラグラジアンは接空間の関数として考えることになり座標と接ベクトルの組の上の関数と考えます。また、ハミルトン形式はqとpは独立ですよね。ルジャンドル変換をして余接空間(qとpは独立)の関数として考えて、その代わり、正準方程式を満たすように要請されていることになります。 という感じですがいかがでしょうか?
お礼
つまり「偏微分を取ると0になるということは、独立ということをあらわしているのではなくて、単に関数の中にその変数を陽に含まない、ということを言っているだけ」ということでしょうか? 確かにそう考えると式変形のつじつまは合いますね。 私もいろいろ考えているうちに、そこらへんのことが曖昧になってきて、数学の本などで偏微分について調べたりもしたのですが、どれも2変数関数f(x、y)をx方向やy方向で偏微分するとどうなるか、問う言うことぐらいしか書いてなくて、方程式のなかのある変数を他の変数で偏微分することなどについては、書かれてませんでした。実際はどうなんでしょうね?
- nomercy
- ベストアンサー率66% (12/18)
>ラグランジアンにたどり着く前のqをdot(q)とは独立とみなして、それで微分する、という段階でもう分からないのですが、 最初は、これはただ形式的にそう見なしても正しい答えが得られる、 というくらいに割り切ってしまっても良いかもしれません。 正しい結果が得られるのはANo.4で示した通りです。 >ラグランジアンを持ち出さずに説明するとするとどういう風になるのか、もしよろしければ教えてくださいませんか? 先ほどはラグランジアンと言いましたが、別にラグランジアンに限った話ではありません。 一般にq,\dot{q}の関数、汎関数であっても話は全く同じです。 No4では L = Σ_n [a_n \dot{q}^n(t) + b_n q^n(t)] と書きましたが、右辺はq,\dot{q}の任意の関数を表していますので、ラグランジアンでも何でもこの形で表現することが出来ます。 >しつこくて申し訳ありません。 いえいえ。 大体の人は質問されても嫌な顔はしないはずです。 むしろ楽しく感じているでしょう。 自分のことで忙しくて他人にかまっていられない、という状況もありえますが…
お礼
>最初は、これはただ形式的にそう見なしても正しい答えが得られる、 というくらいに割り切ってしまっても良いかもしれません。 確かにこういう姿勢も大切なことだと思います。小学校で分数の割り算を習った時はなぜ逆数を掛けるのかなんて考えなくても、今ではそれが自然なことになっていますしね。 私もそれが正しいことだと素直に受け入れられればよいのですが、細かいことまで気になる性格でなもので、なかなかそういうことができません。それに温かいお言葉ありがとうございます。
- connykelly
- ベストアンサー率53% (102/190)
#3のconnykellyです。 >方程式を解いた後には、位置x(t)とv(t)速度の間には関係が出てきますよね? はじめは独立と考えていたのに、最後には2つの間には関係が出てくる のが、不思議で、まだ腑に落ちません。 バラバラの関係(各独立変数)にあったqkとqkdotはある初期値を与えられて、Euler-Lagrangeの方程式を解くことによりはじめて相空間に一筋の道(運動の軌跡)が決定されることになりますね。そこで初めてqkとqkdotの関係(丁度y=f(x)のような関数関係)が決まると思いますが、このような説明でどうでしょうか。
お礼
なんどもしつこく質問してしまって、本当に恐縮なのですが、できればもう少しだけお付き合いしていただけると大変ありがたいです。 今まで、物理やら数学やらをやってきた感覚では初めは独立なのに最後には独立じゃないってことがやはり納得いきません。 例えば連立方程式を解くときには最初から最後まで変数の間にはある関係があるとして、その関係を崩さないまま変形していって答えを導く、というものだと思います。もし連立方程式に、変えることのできる初期条件みたいな任意定数が入っていた場合でも、変数を独立とはみなさず、ある変数で他の変数を微分したりしないと思うのです。感覚の奥のほうに問題がある気がしてなりません。できれば分かりやすい例えなどをあげてくださったら、何かつかめるかもしれません。 また、分からない理由は、時間と(位置、速度)を同時に動かして考えているからではないのかと思い、ある特定の時刻tにおいてはqとdot(q)は独立に決めることができるので微分することができるのかなと考えましたが、それでもあと一歩わかりません。おそらくいまひとつすっきりしないのは考える順番が逆になっているからだとおもうのですが、逆に考える際に頭の中で引っかかっているものが何なのかが分かりません。 よく分からない文章で申し訳ありません。
- nomercy
- ベストアンサー率66% (12/18)
>私が質問した、dot{q}で偏微分するという作業は、変分をとる、ということなのでしょうか? 質問の意味を掴みかねますが、 \dot{q}で偏微分した値というのは qと\dot{q}を独立変数と見なしてグラフを描いた場合の \dot{q}方向の傾きに他なりません。 つまり \dot{q} → \dot{q} + δ と値が変化したときのLagrangian(に限らなくて良いですが) の変化は L → L + ∂L/∂\dot{q} ×δ + O(δ^2) となります。
お礼
ラグランジアンにたどり着く前のqをdot(q)とは独立とみなして、それで微分する、という段階でもう分からないのですが、ラグランジアンを持ち出さずに説明するとするとどういう風になるのか、もしよろしければ教えてくださいませんか?しつこくて申し訳ありません。
- nomercy
- ベストアンサー率66% (12/18)
最近この辺の質問を各所で見かけるような気がします。 多くの大学ではちょうど今が解析力学の講義の時期なのでしょうね。 さて本題ですが、これはEuler-Lagrange方程式の導出をもう一度ちゃんと見直すと理解できるはずです。 Lagrangianは一般に L[q,\dot{q}] = Σ_n [a_n \dot{q}^n(t) + b_n q^n(t)] という形に書けるわけですが、ここで q(t) → q(t) + δq(t) という微小変化を与えたときの変化を見るのでした。 なお、この微小変化の下で速度は \dot{q}(t) → \dot{q}(t) + \dot{δq}(t) = \dot{q}(t) + dδq/dt と微小変化します。 このときに 「δq(t)を与えれば\dot{δq}(t)が決まるのだから qと\dot{q}を独立に微分をとるのはおかしい」 というのが疑問な訳ですね? Lagrangianの変化 L → L + δL は L → Σ_n [ a_n (\dot{q}(t) + \dot{δq}(t))^n + b_n (q(t) + δq(t))^n ] = L + Σ_n [ n a_n \dot{q}(t)^{n-1} \dot{δq}(t) + n b_n q(t)^{n^1} δq(t) ] + O(δq^2) ≡ L + δL つまりqとδqを独立と見て δL = \dot{δq}(t) ∂L/∂\dot{q} + δq(t) ∂L/∂q + O(δq^2) という計算をしても正しい結果が得られます。 なのでqとδqを独立と見るのは只の便法だと捉えても良いわけです。 あるいは最初は qとδqを独立と見ておいて 最後に \dot{δq}(t) = dδq/dt という条件を課す と思っても良いです。
お礼
丁寧な回答ありがとうございます。 私が質問した、dot{q}で偏微分するという作業は、変分をとる、ということなのでしょうか?
- connykelly
- ベストアンサー率53% (102/190)
>qkとqkdtotの間には一般には微分方程式の関係があると思うのですが、それにもかかわらず、独立と考えてもよいのでしょうか? 微分方程式の関係というより微分の関係ですね。ここでよく考える必要があると思いますが、ある位置qkとその地点での速度qkは全く独立していますね。仮に独立していなければすべての位置は予めその位置での速度が決まっていることになってしまいます。。。 #1で言いましたように、物体の運動はある時刻 t での位置 x(t) と速度 v(t) を指定すれば完全に決まってしまいます。蛇足ながらすこし補足しますと、位置と速度を座標とする空間を考えたばあい、物体の運動状態はその空間の点の座標として表されることになります。この空間を相空間と呼びますが、運動はこの相空間内の軌跡(trajectory)として表されます。統計力学では位置と運動量からなる空間を位相空間と呼んでいます。
お礼
回答ありがとうございます。補足までつけていただき、感謝しています。 >ある位置qkとその地点での速度qkは全く独立していますね。仮に独立していなければすべての位置は予めその位置での速度が決まっていることになってしまいます。。。 この部分は一応感覚で理解できるのですが、方程式を解いた後には、位置x(t)とv(t)速度の間には関係が出てきますよね? はじめは独立と考えていたのに、最後には2つの間には関係が出てくる のが、不思議で、まだ腑に落ちません。そもそも方程式を解くという作業の意味が分かっていないのかもしれません。 おそらく的外れなことを言っているのでしょうが、できればそういうことに関してもう少し詳しく教えていただけないでしょうか?
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お礼
つまり独立となるのは、ある時刻におけるqとdot(q)で、最終的に関係をもつのは、すべての時刻を考えた軌跡(関数)としてのq(t)とqdot(t)だ。ということなのでしょうか?