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文末の「たる」について
古文についての質問です。 見すまじき人に、外へ持ていく文を見せたる。 訳は、見せるべきでない人に、他のところへ持っていく手紙を見せてしまった。とあるので文末のたるは完了の助動詞たりだと思うのですが、 その場合だと、連体形のたるではなく終止形のたりだと思うのですがなぜこの文はたるになっているのでしょうか? どうか教えてください。よろしくお願いします。
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>文末のたるは完了の助動詞たりだと思うのですが、 そのとおりです。普通の文章ではもちろん ○外へ持ていく文を見せたり と終止形で終わります。ここで「たる」としているのは、 連体中止法という文章技法で、終止形を連体形で終わる ことで余意や余情を表現できるのです。「たり」として しまうと動作が完了してそれで終わりですが、「たる」 とするとその動作の行為が後を引いて「見せてしまった」 という感情を引きずる効果を出します。日本語はこうい 憂き目細やかなところが実に美しいですね。
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出典は「枕草子」の「あさましきもの」ですね。 No.1の方のおっしゃるように、連体形には余情表現の用法もありますが、この場合は違うと思います。 「あさましきもの」ですから、「~のはあきれたものだ」が列挙されているのですが、その繰り返しが省略されたものです。すなわち、 【古文】「見すまじき人に、外へ持ていく文を見せたる(、あさまし)。」 【現代文】「見せるべきでない人に、他のところへ持っていく手紙を見せてしまったの(は、あきれたものだ)。」 の( )が省略されたもので、「準体法の、述部の省略」とでもいえましょうか。枕草子をはじめ、古文に頻出する用法です。
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ご回答ありがとうございます。 NASTYさんのおっしゃるとおり、この文の出典は枕草子です。 それにしても古文というものはすごく繊細で奥が深くてなんだか勉強のしがいのあるというか、日本古来の美しさを感じる事ができるすばらしい学問ですね。 とてもわかりやすく解説していただき、ありがとうございました。 これからも古文の勉強を頑張っていこうと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 今、古文を独学で勉強しているのでとても助かりました。 古文は全くのビギナーなので、このような用法があるとは全然知らなかったのでとても勉強になりました。本当にご丁寧に回答していただき、ありがとうございました。