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カラー・ストループ効果

NHK人間講座の「進化の隣人チンパンジー」という番組で、 カラーストループ効果※というのが紹介されていたのですが、 この効果の原因として、 「2つの違う色情報の処理と意味情報の処理が同時に進行し、競合をおこすため、一方を答えるときにもう一方を邪魔するからだ。」と解説されていました。 でも、そうだとすると、被験者に色のついた文字の「色」を読ませても、「意味」を読ませても、 同程度に遅れることになると思います。 しかし、私の感じですが、明らかに「意味」を読んだほうが楽です。 このことから、色情報の処理よりは、意味情報の処理のほうが、(同時ではなく)はるかに早いのでは?と思うのですが、 みなさんはどう思いますか? 上の解説は、研究者のほぼ一致した見解だそうですが・・・ ※被験者に色のついた文字を読ませる。文字の色と意味を一致させた場合よりも、一致しない場合のほうが、 答える速度が遅くなる。 つまり、赤色の「緑」よりも、緑色の「緑」のほうが 答える速度が遅くなる。ちなみに、 漢字がよめない外国人にやってもらうと、 (当然ながら)速度は変わらないらしい。

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  • aster
  • ベストアンサー率70% (374/533)
回答No.2

  これは、誤解があるというか、脳の情報処理過程について、単純に考えておられるのだと思います。 この「情報処理の競合」の説明ですが、どういう処理過程なのか、こうだという知識に基づいて記します。色の付いた文字を見て、その文字を読ませるという時、どういう処理過程があるかということです。 色の認識・認知と、文字の形の認識・認知が起こります。「色の認知」は、色だけの認知に留まる場合、単一の処理過程です。また、文字の形の認知も、形だけの認知なら、単一処理過程です。 問題は、色を見て色の名を言うには、「色の認知」プラス、それを「言語化」するという作業過程が必要で、この時、認知した色を適切な言語に分類するという作業が出てきます。 色を色として認知するだけなく、何かの色を呼ばねばならない場合、色の分類という作業があるのです。この時、「色の名」とその「内包=定義概念」が、人間の場合あります。チンパンジーも、原始的言語で、そういう概念規定があるのだと思います。 視覚で、色を認知するだけでなく、概念での分類を行う、つまり、色に名前を付けているという作業が伴うのです。 1)みどりという文字が赤で書かれている場合:みどりという文字のパターン認識を行い、それに対応する発音を行おうとする。この時、発音を行おうとした時点で、「意味把握」が、無意識であっても進行します。 他方、色の赤も見えるので、読めと言われている文字が色の名前なので、同時に、単に、視覚で、赤を認識するだけでなく、赤の分類も行って、それがみどりという言葉の示す概念=色とは違うと確認した上で、「みどり」と読みます。 2)みどりという文字が緑で書かれている場合:みどりという文字のパターン認識を行い、それに対応する発音を行おうとする。この時、発音を行おうとした時点で、「意味把握」が、無意識であっても進行します。 ここで、過程が違って来るのは、緑の色が見えており、みどりという文字パターンに対応する概念=色の認識、みどりという色の分類過程と、同時に起こります。同時と言うより、一つの過程で、この処理が終わるのです。「緑」という色の分類概念を呼び出す過程が、みどりを読む過程で起こる、意味確認と同じ過程になるのです。 どちらも、「緑」という色の分類概念を、無意識で呼び出し吟味する過程だからです。 1)の場合、「緑」の色概念把握と、「赤」の色概念把握の二つの過程が必要で、しかも両者を比較する、過程も無意識は行っています。すると、二ステップか三ステップ、余計に思考の処理過程が必要になります。 そのため、1)の方が、2)より遅れるということになります。 尋ねておられることについては、文字は、色の名前や、色に関係した判断が必要な概念でないとします。 例えば、「青」い色で、「コップ」という文字が書かれていた場合、青とコップに何か特に連想がある人は別ですが、日本語に十分習熟した大人だと、この文字を見るだけで、無意識的には、色の概念分類把握も、コップの概念把握も、同時に起こります。 そこで、色を答えるようにと指示された場合、視覚で「青」と見て、これを概念分類する処理をして、「あお」と答えるのが普通です。同時に、「コップ」のパターン認識や概念認識も起こりますが、途中で放棄される可能性が高いです。 勿論、文字である以上、概念把握処理を、無意識は放棄しなかった場合、両方の過程が進行します。従って、コップという文字の把握が妨害します。つまり、文字でない、ただの紙に書かれた単純な図形が青に塗られていて、その色を言うのよりは、「コップ」の場合の方が時間がかかります。 反対に、書かれている文字を答えるようにと指示された場合も、無意識は同じステップの処理過程を行うと考えられます。「コップ」を発音しようとすると、コップの概念が分析判断されてしまうのです。 その例として、例えば、「ナナイロンインコ」という文字を見せて、読むようにと言った時、「七色いんこ」と読む人が出てくるはずです。これは、文字列を眺めて、概念把握を行い、その概念・言葉に対応する読み方を述べているのです。 「読み間違い」がよくあるのは、文字を一個一個確認し、頭のなかで読んで、それから、概念把握するのではなく、文字列をパターン認識して、概念を把握して、それに基づいて、発音するためです。 それでは、「青」の色の方は、単に視覚認知だけで、意味把握や概念分析は行わないのかというと、普通、文字は黒で書かれているので、この場合、青が気になると、青の色概念把握を無意識過程で行うと考えられます。 色と読みと、どちらを指示されるかで、同じ処理過程にあって、指示されていない方は、処理が途中で放棄される可能性があります。 しかし、これこそ、実験心理学で実験してみないと答えが分からないので、わたしの考えるところでは、おそらく個人差が出てくると思います。色に強く反応する人と、文字に強く反応する人がいるからです。 色に反応する人は、読みを指示されていても、色の概念把握をそのまま進めてしまうでしょう。また、文字に反応する人は、色を指示されても、文字の概念把握を進めるでしょう。  

noname#108554
質問者

お礼

>実験心理学で実験してみないと答えが分からないので、わたしの考えるところでは、おそらく個人差が出てくると思います。色に強く反応する人と、文字に強く反応する人がいるからです。 そう、そこです。重要ですね。 どのぐらい個人差があるんでしょう? まとめると、色と意味を違えたほうが、処理過程が複数ある分、時間がかかるということですか・・・ わかりやすい回答をありがとうございました。

その他の回答 (2)

noname#1942
noname#1942
回答No.3

ついこの間やりました!(笑) 私がやった時は、被験者は私を含めて大学生4人でした。(毎週グループ毎にやっているのでだんだん結果がたまっていきますが、私は学生なので自分達の結果でしかお答えできないんです。すみません。) 私たちの場合は、「あか」「あお」「きいろ」「みどり」という字と「+++」という記号(?)が赤、青、黄、緑の4色でランダムに書かれたものの色を言う実験(「あか」が青で書かれたり黄色で書かれたりですね)と それぞれの文字が同じように4色と、それにプラスして白色で書かれたものの単語を読む実験でした。 私のグループでは、単語を読むほうが早かったです。統計的に検定をしたら あまり差はないのかもしれませんが、簡単な結果だけでも。 色を読む方は、早い人で約0.5秒、遅い人では約0.7秒かかりました。 単語を読む方は、早い人で0.36秒程度で、遅い人でも0.5秒はかかりませんでした。 たった4人の結果なので自信はないのですが、反応時間に差は出ても、 出てきた単語をそのまま言う方が楽なのではないでしょうか。 私は楽でした(笑) ちなみに、グループ内では、色を言う時は全く違う色を言ってしまう人がいましたが(黄色で「あか」と出ているのに「あお」と答えてしまったり…)、単語を読むときは間違えた人はいませんでした。

noname#108554
質問者

お礼

面白いですねぇ。 この実験は、いろいろ変形ができそうです。 たとえば、色と意味を一致させた場合の、色を答える速さと意味を答える速さとか。 あるいは、文字が漢字とひらがなで書いた場合の反応速度の差とか。

  • redbean
  • ベストアンサー率38% (130/334)
回答No.1

>処理が同時に進行し、 この「同時」は、「同時に始まって同時に終わる」という きつい意味ではないと思います。単に2つの処理が一緒に 行われて競合する状態があると言いたいだけでしょう。 色と意味が一致しない文字の「色」を読ませる場合と「意味」を 読ませる場合を比較するような実験は、おそらく既に行われて いると思います。結果については知りませんが。

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