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不良債権処理における税効果会計の影響って?
不良債権処理における税効果会計の影響って? 昔(10年ほど前)のビジネス書を読んでたら、「税効果会計が導入されたら、不良債権処理が進む」って書いてありました。どういうことですか?税効果会計って、利益と課税所得のズレを修正する手続きのことですよね?会計知識・理解が浅く、よく意味がわかりません…。 詳しい方、解説のほど、よろしくお願いします。
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言葉だけの説明では、意を尽くせないので設例を書いてみました。 [設例] 税引前当期利益 1,000 不良債権 800 (税務上損金にならない) 税率 40% ケース1.不良債権を処理しない場合 税引前当期利益 1,000 法人税等 400 税引後当期利益 600 ケース2.不良債権を処理し、税効果会計を適用しない場合 税引前当期利益 200 (1000-不良債権処理800) 法人税等 400 税引後当期利益 -200 この場合は、税引前当期利益が黒字なのに、税引後当期利益がマイナスとなる。これは、不良債権処理が損金とならないために、法人税等は1,000に対して課税されるからである。 ケース3.不良債権を処理し、税効果会計を適用した場合 税引前当期利益 200 法人税等 400 法人税等調整額 320 (不良債権処理800×40%) 差引調整後の法人税等 80 税引後当期利益 120 税効果会計により、法人税等調整額が計上される結果、税引前当期利益200と税引後当期利益120が対応したものとなる。 税効果会計の制度がなければ、ケース2.のように税引前当期利益が黒字なのに、税引後当期利益がマイナスのような決算しかできませんでした。これでは配当もできません。そこで税効果会計の制度化によりケース3.のような決算ができるようになったということです。 「税効果会計が導入されたら、不良債権処理が進む」とは、このような意味だと思います。
お礼
な、なるほど!解説ありがとうございます。めちゃ、わかりやすいです。税効果会計のおかげで、不良債権処理によるP/Lの一時的な悪化が和らぐわけですね。であれば、企業側もあまり躊躇なく、処理できますね。回答、拝読するまで、「不良債権=損金不算入」というところが、全然理解できてませんでした。 本当にありがとうございました。すごいスッキリしました。