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ペクチナーゼ関連についての質問
- ペクチナーゼの精製について説明しました。普通売られているものではセルラーゼ活性が残っているため、さらなる精製が必要です。
- ペクチナーゼの技術を使うと、ジュースを作る際に細胞を破壊せずに作ることができます。
- 質問内容は、1) セルラーゼ活性が残っているとどのようになるか、精製の必要性について。2) みかんのじょうのう膜の成分と含量割合について。3) 細胞が破壊される理由と酸化防止剤の使用について。4) ペクチナーゼの処理時間短縮化の可能性についてです。
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ネットで探されるのはおそらく無理でしょう。 今手元に資料がございませんので一部だけ回答いたします。 後日補足させていただきます。 回答を 1.ペクチナーゼを精製する際にセルラーゼがコンタミするのです。一般に市販されているものは、細菌からの精製品として売られています。タンパク精製をやったことがおありならばわかると思いますが、似たような場所で働くものは、精製の際に最後まで残ってくることがよくあります。ペクチナーゼの場合も同様でコンタミしてくるのです。ちなみにセルラーゼを購入した場合もペクチナーゼ、アミラーゼのコンタミがあり使用の際には気を付けねばなりません。さて前回質問にあった酸アルカリ法のポイントは「じょうのう」と「さのう」の構成成分比の違い、すなわちじょうのうにペクチンが多く、さのうにはセルロースが多いことを利用しています。この違が、ペクチンなどは可溶化、セルロースは不要のままに残るのです。もしもペクチナーゼを使った場合、さのう中のセルロースまで分解を起こす可能性が出てきます。缶詰においてミカンの形が残っているのは細胞壁が強固なまま保存されているためであり、仮にセルロースが分解された場合強度が落ちる可能性が十分にあります。しかし、セルラーゼ活性がひどく残っている分けではないのであくまでも可能性の問題です。精製の方法はイオン交換かラムで十分です。使用カラムは酵素により異なります。 2.一般的な細胞壁構成成分と違いはありません。申し訳ありませんが、含量割合までは不明です。正直なところこの分野のもの、特に糖質は直接的に定量する方法はなく、抽出量=存在量と見なされるためにあまり正確な値もでないのです。生化学的に解析というよりも 食品科学の分野での分類が主に使われます。 3.じょうのう膜を含むすべての細胞と考えていただいてよろしいです。ミカンよりリンゴで考えていただいた方がわかりやすいのですが、皮を剥いたリンゴが褐色に変色することはよく知られている現象です。これはフェノールオキシダーゼをはじめとする酸化酵素により、フェノール類が酸化されるわけです。健康にいいといわれるポリフェノールもこの一つです。細胞から出された酵素は細胞内と違い無秩序に働きだします。しかもこれらの酵素はなぜか失活しにくいものが多いのです。酸化防止剤をいれることでこれらの働きが抑制できるわけです。勉強不足で申し訳ないのですが、有名なSODによる活性酸素消去系におきましては、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェノール)が含まれますので、ビタミンCの添加が有効なことはわかりやすいのですが、フェノールオキシダーゼがビタミンCとどのように関連しているかまでは知らないのですが、この辺は結果オーライで行われているのでしょう。 4.これはジュースの場合ですよね。可能です。遠心をさらに強力、長時間にして沈殿として落としてしまえばいいのです。ただこの方法でほかの成分まで沈殿するかどうかまではわかりません。 かなり、専門的なお話ですのでなかなかネットではつらい面もございます。足りない部分は補足いたしますので、要求していただければ幸いです。 後日、参考書を紹介させていただきたいと思います。しかし絶版、マイナーな学会誌が多いために手にいれづらいかもしれません。
その他の回答 (2)
ペクチンオリゴ糖は6種類ほどに分類されます。分類方法は様々ですので6種以上分けられる方も入るかもしれません。その中で特に生理活性がいわれているのはホモガラクツロナン(ポリガラクチュロン酸)になります。エリシター活性でいくつか報告はあるようです。問題なのはペクチンでなければならないものが残念ながらないようです。話としては面白いものもいくつかあります。特に青森県産業技術開発センターがいくつか面白いものをやっています。参考URLです。 original paperは申し訳ありませんが分かりません。産業センターから何本かは出ているようですけど。
お礼
akiyamaharukaさん、貴重な情報ありがとうございました。頂いた情報をもとに少し時間をかけて文献調査してみたいと思います。 今後とも宜しくお願いします。
先の回答に少し補足します。 今回の様な目的ならば、セルラーゼ活性は考えなくても良いのではという話です。 また現在は搾ったあとのペクチン失の除去は主に限外濾過膜を使うのが主流のようです。 さてご質問の回答は さのう、じょうのうの考えはその通りあっております。次に細胞壁について少し、細胞壁成分(高等植物:緑色植物)は構造多糖類と呼ばれます。ここに含まれるものはセルロース、ペクチン質、ヘミセルロースに分類されます。というわけで細胞壁には、多かれ少なかれこれらの成分は含まれるわけです。各植物、部位によりこの割合が変わるわけです。ペクチン質、ヘミセルロースはいろいろな多糖類の総称とかんがえていただくのが良いと思います。 酵素の件ですがおそらく分解されると思います。実験の際には浸透圧(さのうが壊れると大量の水分、酸が飛び出すため)、緩衝液の選択がポイントになるでしょう。 参考文献として 植物細胞壁と多糖類:培風館 桜井著 がよいと思います。
補足
再度の丁寧な回答と参考文献ありがとうございます。図書館での所蔵を確認できましたので、是非覗いてみます。 質問を変えた方がよいのでしょうが、関連した質問で、 「ペクチン」由来のオリゴ糖で面白い(?)ものはあるのでしょうか?あればその分離方法(NF・UF等)が記載されているOriginal Paperをご教示下さい。
補足
akiyamaharukaさん、詳細かつ丁寧な回答ありがとうございます。 まず、「セルラーゼ」に関しては少し使用経験があります。 みかんに関して、基本的な部分の理解が欠落していたようです。 1.「じょうのう」と「さのう」の区別が出来ていませんでした。百科辞典等で調べれば良いのでしょうが、みかんの皮をむいて出てくる半透明の白いのが「じょうのう膜」で、じょうのう膜をむいて出てくる小さいつぶつぶの膜が「さのう」でしたかね? 更に、ヘミセルロースは両者に含まれているのでしょうか? 仮に、このみかんの処理に使用する「ペクチナーゼ」を精製して極力「セルラーゼ」を除去してた成分と「セルラーゼ」のexo-typeとを混合して(混合割合が問題か・・・?)しても、さのうは一部分解されるでしょうかね?実用的な意味はないと思いますが、実験的(?)な興味として・・・。 今後とも宜しくお願いします。