- ベストアンサー
宋詞とは?
「宋詞」とは、日本で言うところの「唐宋八大家文」の中の蘇軾の書いた文章のような作品のことを指すのでしょうか。 まず、そのことをお教えいただきたく思います。 また、「宋詞」は、あまり日本では知られていない言葉、あるいはジャンルのように思うのですが、その経緯についてご存じの方がいらっっしゃれば、教えていただきたく思います。
- みんなの回答 (5)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
大学でで中国文学を専攻していた者です。 中国文学の世界では「詩」はそのまま”シ”といいますが、「詞」のほうは、中国語にあわせて”ツ”と言っています(紛らわしいので)。 さて、元来詩から派生したものではありますが、詞は音楽に合わせて歌われたもので、古代の楽府にも比せられたり、あるいはそのまま「楽府」と呼ぶこともあります。 ここで大事なのは、音楽に合わせるために、韻や平仄などの規格の厳しさです。その厳しさは唐詩以降のいわゆる「近体詩」の比ではありません。それこそ韻律の教科書と首っ引きになります。もちろん曲調も沢山あり、「曲調は念奴嬌か西江月か臨江仙か」によって規格はまったく違うものになります。 「詞を作るのによいのは三上(馬上・床上・厠上)」などと言われ、じっくり考えないと中国の文学者でも面倒なものです。それでも水滸伝や三国志演義などにこの詞が沢山挿入されていますから、中国ではそれなりに人気のある文学形式ではあります。 日本人も「詩」の規格までは何とか覚え、菅原道真から夏目漱石に至るまで、多くの人が詩を作りましたが、ついに「詞」の規格を使いこなせる人まではほとんど生まれませんでした(全くと言ってもいいかもしれません)。 人気の問題もそうですが、それ以上に「中国語を知らないと、作るのが恐ろしく面倒」だというのも理由ですね。
その他の回答 (4)
- garamond
- ベストアンサー率53% (1119/2111)
#3です。参考URLで「臨江仙」の詞牌 (#3で「パターン」と言ったもの) 蘇軾のほかに歐陽修、李清照など数人の作品が見られます。
- garamond
- ベストアンサー率53% (1119/2111)
「宋詞」とは、“宋代の詞” という意味です。 「詞」は字数、句数、押韻の決まったパターンに字を当て嵌めて作る韻文ですから、 >「唐宋八大家文」の中の蘇軾の書いた文章のような作品のこと ではありません。 「填詞(てんし)」「詩餘(しよ)」とも言います。 下に蘇軾の詞の例を示します。 「臨江仙」というのは上に述べた「パターン」の一つです。 《夜歸臨皋》 臨江仙 夜飲東坡醒復醉,歸來彷彿三更。 家童鼻息已鳴雷。敲門都不應,倚仗聽江聲。 長恨此身非我有,何時忘卻營營! 夜閑風靜紋平。 小舟從此逝,江海寄餘生。
お礼
例まで挙げていただいて、ありがとうございました。おかげで、イメージがはっきりしてきました。
- luune21
- ベストアンサー率45% (747/1633)
>蘇軾の書いた文章のような作品のことを指すのでしょうか? そうです、代表的詞人だと思います。でも蘇軾の書いた文章がみな「宋詞」というわけではありません。蘇軾には唐詩もあります。「宋詞」とは時代性よりも形式による区分の意味合いが強いと思います。 >その経緯について 自信ありませんが、人気の問題であるように感じます。 唐詩は、なんともいえない抒情性と美しさをもっており、非常に日本人受けするものだと思います。 一方、宋詞の代表は豪放詞であり、抒情より論理的、議論的であり、どちらかといえば硬くゴツゴツとした感じで、あまり好まれないのではないでしょうか。 申しわけありませんが、学術的な回答はできません。
お礼
なるほど「豪放詞」ですか。興味がわきました。でも、まず実物にふれてみないとはじまりませんね。ありがとうございました。
- ariraro
- ベストアンサー率25% (3/12)
大学のとき、一般教養で教わったような記憶がある程度です。今はまったく違う分野で仕事をしています。以上のことをふまえてごらんになってください。また間違い等ありましたら、訂正ください。 中国のでは、漢の文章・唐の詩・宋の詞・元の曲、というように宋代の詞は有名だと思います。 簡単にいうと、詞とはもともと曲のようなものがあり、それに言葉を当てはめた文学なのではないでしょうか。(ある音程があり、それにどのような言葉をあてはめるか。作曲家が曲を作り、それに作詞家が詞をかく、というイメージ) 唐代の詩、いわゆる唐詩とは違うと思います。 以上のように記憶してますが、違っていたらごめんなさい。
お礼
ご回答ありがとうございます。新たな世界が開けました。
お礼
知りたかったことについて、ほぼ完全に教えていただき、うれしく思います。素人が安易に近づくべきものではないようですね。でも、書き下し文のレベルでしか読めませんが(よって、宗詞の本質にはふれられませんが)、少しずつ親しんでいきたいと思います。ありがとうございました。