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McLafferty転位について
2-pentanoneがMcLafferty転位を起こしたときに生成する物質を教科書通りに考えると1-methyleth-1-ene-1-ol(O上に非共有電子対1組と非共有電子が1個存在するもの)が生成すると思うのですが、授業では1-methylethanalのカルボニル基に隣接する2つの炭素のうちの1つが ーCH2・となっているもの(O上に非共有電子対1組だけがあるもの)が生成すると習いました。この場合、どう考えればよいのでしょうか。だれか教えてください。
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No.2です。 例えば、フェノラートイオン(Ph-O^-)を描く場合、 共鳴式としては「O上に負電荷」「p-位のC上に負電荷」 「o-位のC上に負電荷」(→これは2つ)の4種を描けますが、 通常はO上に負電荷を置いた式で代表させます。 これは、その構造が最も寄与が大きいからです。 では、原子の移動のないものでどうやって寄与率をみるか、 ということになるかと思いますが、 これは結合距離・結合角によって判断できます。 つまり、もしもC上に負電荷があるものの寄与が大きければ、 その極限式において炭素の結合次数は1ですので、 ベンゼン環のC-C結合の長距離化となって現れるわけです。 (実際には、その寄与率は小さいため、フェノラートのベンゼン環が ベンゼンのそれに比べて大きいということはないはずです) 共鳴におけるそれぞれの極限式の寄与が、実際に結合距離の 違いとして観察されている例としては、ナフタレンが挙げられます。 つまり、ナフタレンの共鳴式を描くと、橋梁位のC-C結合は 3つの極限式の中で1度しか二重結合になりませんが、 そのC-Cの結合距離は、実際、1,2-位のC-C結合よりも 長く(=単結合性が大きく)なっていたと思います。 ・・・ということで、そのラジカルを「ある極限式に代表させて表現する」 のであれば、「どちらの電子状態がより安定であるか」を考慮する 必要があるのではないかと、私は考えます。 (もちろん、共鳴がある際には、それを考慮に入れた構造式を描くことが 必要な場合もあると思いますが;例えば、ベンゼンを六角形+丸で描くとか、 3原子間に点線を描いてそこに電荷を表示させる、といったように)
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補足します。 共鳴の概念というのは、実際にどちらかの状態にあるというのではなく、両者が混ざりあった中間的な状態にあるという意味です。つまり、どちらの構造式で書いても、それで化学的性質を適切に表すことができないという意味です。 したがって、どちらかの構造式で書くのは、あくまで「便宜的なもの」であり、本質ではありません。本質は単独の構造式では書き表せないということです。 したがって、「便宜的な表現方法としての構造式」は、どちらも正解です。 共鳴構造で書いた式の、どちらが重要であるかとか、どちらの寄与が大きいかという議論は可能でしょうが、現実に、その構造式で表される物質というのは仮想的なものであり、存在しないわけですから詳細な議論は無意味ですし、検証もできません。 ただ、本件の場合には、どちらか一方が他方に比べて極端に好ましいとかいうことはないと思います。多くの研究者がそういう判断をするからこそ、複数の表記方法が使われるわけです。 少々、理屈っぽくなりましたが、「2種類のラジカルは安定性が違いますが、・・」という見方は不適当であり、ここで書かれている式はあくまで便宜的なものであり、どちらか一方の式で表されるラジカルが存在するわけではありません。どちらで表記しても、同一のラジカルです。 たとえば、ベンゼンの炭素-炭素結合を書く際に、二重結合と単結合を交互に書きますが、実際にはすべての炭素-炭素結合は等価ですよね。二重結合になったり、単結合になったりするわけではありませんよね。つまり、共鳴というのはそういう考え方であり、このラジカルの場合にも同様のことがいえるということです。 たとえば、炭素ラジカルと酸素ラジカルの安定性に関しても、・CH2OHとCH3O・について比較することは可能ですが、それは原子の配列が異なる別のラジカルだからです。 ご質問の件では、どちらで表記するにしろ、原子配置の同じ、同一のラジカルです。ですから実験的に比較することはできません。もちろん想像することは可能ですが、確認することはできません。要はその提案を他の研究者たちが、化学的な常識と照らし合わせて、適当と判断するかどうかということです。
- DexMachina
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「炭素ラジカル」と「酸素ラジカル」とでは、 一般的に後者の方がより不安定になります。 (高分子のラジカル重合で、水系の反応であっても炭素ラジカルが 水で潰されたりしないのも、ヒドロキシラジカルが炭素ラジカルより 不安定なためであることを思い出して(もしくはノートを見返して) もらえば、ご理解いただけるかと思います) 従って、酸素による水素引き抜きの直後には、salad152さんが考えたような 酸素上に不対電子が存在した状態になるかもしれませんが、 そのラジカルの不安定性によって、不対電子はすぐに炭素上に移動します。 (つまり、酸素上に不対電子がある状態は、いわば「中間体」です) そのため、授業の方では、最終(・・・というのも変ですが)生成物である、 炭素上に不対電子が存在したラジカルをその生成物として示した、 ということだと思います。 ※なお、私自身はご質問の転移反応の詳細を 把握しているわけではないので(汗)、 あくまでラジカルについての考え方としてご理解下さい。
補足
回答ありがとうございます。質問したいことがあるのですが、ここでの2種類のラジカルは安定性が違いますが、共鳴構造をとって存在するということはありますか。NO,1の方への補足内容と同様に質問するのは失礼なことかなと思ったのですが、答えてくれたら幸いです。
命名法が少々間違っているように思います。そのために、意味が通じないのですが・・・ おそらく、両者の「原子の配列」は同じですよね。ただし、結合の種類(単結合or二重結合)や電荷の位置、不対電子の位置が異なっているということではないでしょうか。 それでしたら、おそらく共鳴形の表記方法の問題だと思います。つまり、この手の物質は必ずしも、単一の構造式のみが妥当であるわけではなく、複数の表記方法が可能な場合があります。その表記方法が、教科書と授業で異なっていただけでしょう。共鳴構造に関して勉強して下さい。 たとえば下記のような共鳴構造がかけますが、両方の構造式は同等のものであり、どちらで表してもかまいません。ただし、左の式においては、酸素原子上に正電荷と不対電子が存在し、右の式においては左の炭素上に不対電子が存在し、酸素原子上に正電荷が存在します。 CH2=C(CH3)-OH ←→ CH2-C(CH3)=O-H
補足
回答ありがとうございました。命名が間違っていてすいません。でも、w-palaceさんの回答してくださった式は私が伝えようとしていた式と同じです。 >CH2=C(CH3)-OH ←→ CH2-C(CH3)=O-Hと書いていただいたのですが、この反応の電子の移動の仕方というのは右の式の=のπ電子が両側の炭素に分配されて、酸素の不対電子がCーOHのーの結合に移動して起こると考えてもよいのでしょうか。また、NO,2で答えていただいた方からは、1つの生成物に偏って出るという回答をいただいたのですが、どちらを信じればよいのでしょうか。失礼なことだとおもったのですが答えていただけないでしょうか。
お礼
回答ありがとうございました。よく分かってすっきりしました。