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claisen縮合について
大学で生物を学んでいるものです。 ポリケタイドの環化に関して。 aldol縮合をを経由するものとclaisen縮合を経由するものがあるということですが -CO-CH2-CO-O-S-enz という構造のメチレン部が脱プロトン化後別の部分の(エステルとは関係のない)カルボニルを攻撃する→aldol縮合 逆にエステルと関係のない -CO-CH2-CO- のメチレン部が脱プロトン化後別の部分の上記の構造のエステル中のカルボニルを攻撃する→claisen縮合 となっていました。講義でも同様に説明されていたのですが ボルハルトショアーのclasen縮合に関する記述をみると 「エステルエノラートがカルボニル基を攻撃して新しい炭素ー炭素結合が生成する」(下巻p1117)とあります。 この説明からするとclaisenとaldolは逆に思えてしかたありません。 自分はなにか勘違いしているのでしょうか? よろしくお願いします。
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補足です。 >つまりアルコール+アルデヒド(あるいはα―β不飽和アルデヒド)を生じるかケトエステルを生じるかという生成物で決まるということでしょうか。 おおむねその理解で良いと思います。 そもそも何ができるかということは、原料を限定すれば決定できます。 アルデヒド同士の反応では、β-ヒドロキシアルデヒド等を生じ、その反応はaldol反応であるということになり、エステル同士の反応ではβ-ケトエステルを生じることになり、その反応はClaisen縮合であるということです。 それならば、アルデヒドとエステルの反応ではどうでしょうか。 可能性としては、アルデヒドから生じたエノラートが、エステルと反応してβ-ケトアルデヒドを生じる反応と、エステルから生じたエノラートがアルデヒドに付加して、β-ヒドロキシエステルを生じる反応が考えられます。 反応パターンとしてはaldol反応やClainsen縮合と同じですが、それぞれ別の名前がついているはずです。その辺りがややこしいので、それぞれを厳密に区別して名前を覚えるのはあまり意味がないと思います。本質を理解することの方がはるかに重要だと思います。 強いて両者に分類するならば、付加するエノラートの側ではなく、求核攻撃を受ける側に注目した方が理にかなっていると思います。つまり、アルデヒド基(カルボニル基)に付加して、-OH基が生じるのであれば、「アルドール型の反応」であり、エステルが求核攻撃を受けて、ケトンが生じるのであれば「Claisen型の反応」と考えた方がよいと思いますし、それで話が通じることが多いと思います。
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講義での説明は妥当だと思います。ただし、活性メチレン化合物に限定していることに問題があると思います。基本的にはアルデヒド(あるいはケトン)間の反応がアルドール反応であり、エステル間の反応で、ケトエステルを生じるのがクライゼン縮合であるという理解で良いと思います。 しかしながら、この手の反応ではちょっとした構造の違いによって、多種多様な名称(多くの場合は人名)がつけられています。それぞれを区別して覚えられる人は覚えれば良いでしょうが、本質的にはエノラートの生成と、それのカルボニル(あるいはアルコキシカルボニル)炭素への求核攻撃こそが反応の本質であり、それにまつわる事項は枝葉に過ぎないと思います。 私はそういったものが覚えられないので、アルドール型の反応とか、クライゼン型の反応などといってお茶を濁すことが多いです。ちなみに、活性メチレンとアルデヒドとの脱水縮合であれば、Knoevenagel反応などといったりもします。 ちなみに、ボルハルトショアーの本が手もとにあったので、読んでみましたが、その部分で述べられているカルボニル化合物というのは、全体の流れから判断すればエステルを意味しているように読めると思います。すなわち、1118ページ中央の説明を簡略に述べたものと考えるべきでしょう。
補足
ポリケタイドの合成では活性メチレンを経由するということで、講義でアルドール反応自体を活性メチレン経由に限定していたわけではありませんでした。有機化学でなく生物有機化学の講義だったもので。。 つまりアルコール+アルデヒド(あるいはα―β不飽和アルデヒド)を生じるかケトエステルを生じるかという生成物で決まるということでしょうか。それなら納得です。たしかに反応機構を見ても後者は脱離を経由しますからクライゼン縮合っぽいですね。・・・気づきませんでした。 いや、生成物より反応機構が大事なのか・・・?
aldolの意味:aldehyde + alcohol ですので、 aldehyde + aldehyde (or ketone) → -C(OH)-CH2-CHO の構造を持っているのがaldol 反応で、そこからH2Oが脱離した反応がaldol縮合です。 ですから、書かれておらる2つの反応はいずれもClaisen縮合です。 尚、分子内Claisen縮合反応をDieckmann縮合反応と言います。
補足
ボルハルトでは「縮合」と「反応」の区別がなく、「縮合」でまとめられていましたが、脱水するか否かでアルドール反応と縮合が区別されるわけですね。同じものだと思っていました。 しかし2つの反応はともにクライゼンというのがいまいち納得いきませんが・・・
お礼
親切な回答ありがとうございます。 求核攻撃を受ける側に注目した方が理にかなうことが多い ということで、これはおそらく反応機構なんかとからんだ必然なんでしょうね。専門は生物ですし、その程度の理解で十分だと思いました。 ありがとうございます!