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pyreneのTLCについて
現在、pyreneをつかった反応を試みているのですが、生成物の単離の際、確認のためPyrene(関東化学製)と生成物をTLC(展開溶媒=クロロホルム)で確認したら、PyreneのスポットがUVランプの254nmで2つ、365nmで4つ出ていました。そこで質問なのですが、 ・そもそも、1つの化合物のスポットは1つしか出てこないという考えは間違っているのでしょうか? (TLC確認で使用したPyreneは何も反応させていないものです。) その他、Pyreneの物性について何かご存知でればご教授願います。
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>・そもそも、1つの化合物のスポットは1つしか出てこないという考えは間違っているのでしょうか? これは正しい考え方です。 原因としては不純物が含まれていることが考えられます。少量であっても、濃いスポットが見られることもあります。すなわち、254nmおよび365nmにおける吸収係数は物質によって異なるからです。 また、TLC用に溶かした溶媒と反応する可能性もあります(この場合は可能性は低いでしょうが)。 TLCプレート上あるいは保管中に一部が分解している可能性もあります。 一般論として、試薬の純度は100%ではありません。ラベルに純度が書かれているはずです。pyreneの場合には比較的純度は高いと思いますが、類似の構造を持つような不純物が少量含まれている可能性もあると思います。 不純物の種類に関しては製造法の関係もありますので、わかりませんが、どうしても知りたいということであればメーカーに問い合わせる手もあるかもしれません。 現実的な対応としては、どれがpyreneのスポットであるかを特定し、それ以外の部分を無視することになるでしょう。 また、再結晶などの方法で、pyreneを精製する方法もありますが、純度が上がる保証はありません。 物性に関してはThe Merck Indexを調べるか、東京化成のHPなどからpyreneのMSDSを調べるのが適当だと思います。
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- nyaa-sw20
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通常化成品メーカーから販売されているピレンなどの多環式化合物は、タールや石油精製物の中から分取されているとのことを、メーカーの方から聞いたことがあります。 その際、どうしてもコストの関係から純度には限界があるようです。 ちなみに質問者さまが使用したものの色は何色でしたか? 私が買ったときは黄褐色の粉末でした(これではTLCだとすごいことになります)。 実際は100%に近いものですと、無色~白色の板状晶か針状晶たまに粉末状です。 私はピレンを実験に用いるときは必ずカラムと再結晶法で精製していましたが、目視では黄色い成分の分離が非常に困難でした。 また、一見キレイな結晶にまで精製しても、HPLCではシャレにならないくらいたくさんの化合物が出ますので注意が必要です。
お礼
ご回答ありがとうございます。私が使っているPyreneは黄色で形状は砂糖の粗目のような不均一の形状です。現在、Pyreneを使った反応で反応後の生成物を再結晶(熱アセトンで分別ろ過した、ろ液を濃縮したもの)をしているのですが、そのものは白色の板状や粉末ができていました。回答者様のご回答から、自分のそれ(再結晶で得られたもの)がほとんどPyreneだということがわかりました。時間があればNMRやIRで構造確認をしようと考えております。本当にありがとうございます。
補足
大変勉強になりました。すみません、pyreneの純度についての説明が欠けていました。関東化学株式会社製 pyrene 純度98%です。自分でpyreneのTLCについて調べたのですが、あまり記載されてませんでした。