• ベストアンサー

anti体・syn体によるTLCの変化

下のアセトフェノンオキシムのanti体とsyn体でシリカゲルTLCの展開のされ方が違うということがあるのでしょうか? Ph\  /OH   Ph\       C=N       C=N Me/       Me/  \OH 詳細↓ 学生実験でアセトフェノンからアセトフェノンオキシムを合成しました。試薬は塩酸ヒドロキシルアミンです。これにKOHを加えた時点でTLCを見るとオキシムの下に副生成物のスポットがありました。90℃で30分還流すると下のスポットは消滅しましたが、結晶時のろ液を見ると再び出てました。結晶のTLCはオキシムだけでした。展開溶媒はヘキサン:酢エチ=5:1です。 anti体とsyn体で安定度が違うのはわかるのですが、極性で判断するTLCにも変化が出るものですか?出るとしたらどちらが展開されやすいのですか? それとも副生成物は中間体のヘミアミナールなのでしょうか? 教員がantiとsynで展開のされ方が違うようなものの言い方をしていたので気になりました。 お願いします。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.3

No2の続きです。実験化学講座を調べてみたところ、以下の記載がありました。 1)オキシムによっては反応条件を適当に選ぶと一方の異性体のみを得ることが出来る。 2)ヒドロキシルアミン塩酸塩の中和剤として用いる塩基が生成物の構造を変える場合もあるので注意を要する。 3)オキシムの一方の異性体を得るには   i)オキシム化反応条件の選択   ii)syn-およびanti-両異性体の適当な溶媒による分別再結晶   iii)塩酸処理による安定体への異性化 4)p-クロロベンゾフェノンオキシムの場合、syn-体はエタノール-水(8:2)から再結晶すると得られ、anti-体は母液を濃縮乾固すると得られる。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによっても分離できるという報告もある。 このことから下のスポットは異性体と考えてもいい様な気がしますが、問題は途中で消えたことですね。 貴殿の言うように異性化が起きていると考えるとつじつまは合っていますね。 念のため得られた結晶のNMRを見て単一であることを確認されることをお勧めします。

F-M-2
質問者

お礼

具体的にありがとうございます。 助かりました。 研究室に配属もされてない学部生なんでNMRは無理ですが、この後生成物からBeckmann転位をやるので、その生成物を確かめることで元はどっちの異性体(が優先)だったかわかる、って寸法らしいです。

その他の回答 (2)

回答No.2

確かに極性は異なると思いますが、TLCで明瞭に分離するとは思えない。通常、ケトオキシム体はワークアップした後、NMRでsyn、antiの比率を求めます。概ねどちらかに偏っています。 塩酸ヒドロキシルアミンにKOHを加えた時点でのTLCで問題のスポットを観察されていますが、原料のフリーのヒドロキシルアミンとは考えられませんか。 過剰に塩酸ヒドロキシルアミンを用いていないですか。 (TLCの検出方法にもよりますが、ヒドロキシルアミンは明確なUV吸収はないと思われます。ニンヒドリン発色やヨウ素発色なら観察されますが) ヘミアセタールは不安定なので観察されないと思います。

F-M-2
質問者

補足

原料アセトフェノン0.05molに対して、塩酸ヒドロキシルアミンは0.08molでした。 TLCはUVのみで見ました。ちなみにRf値はオキシムが0.38、副生成物(?)は0.22でした。 自分もそんなに分離されるとは思えなかったのですが、他の実験班に聞いても皆同じように出ていたそうです。 粗結晶には副生成物はなく、そのときのろ液にはありました。再結晶操作を行うと、精製結晶には副生成物はなかったのですが、そのろ液にはありました。 このことから、再結晶の時の熱で異性化が起こって無くなったスポットが再び現れたのかもしれない、とも考えたのですが。

回答No.1

分極したときの状態が違います。 話を単純化して考えます。メチル基の水素以外は同一平面ですね。 フェニル基と酸素との間パイ電子で分極します。同じ電荷が移動するとすると、 ベンゼン環の中心と酸素の距離が違いますよね。だから、極性の大きさに違いが あります。ベクトルの大きさです。 より正確にはベンゼン環の中心ではなく、オルト・パラに分極する割合や パイ電子以外もありますが。

F-M-2
質問者

お礼

なるほど。 距離の違いなんて考えてませんでした。 ありがとうございました。

関連するQ&A