#1です。
>具体的な違いとは何なのでしょうか?
と聞かれたので具体的に答えたら、
>一本線をひいて、ここからがすべて近世、とかやるほうが乱暴というものですから。
と言われてしまいました。(笑)
ということでそれぞれの特徴を説明したいと思います(日本史は前回の説明で概ねあっていると思います)。
まず、中世なのですがこの時代は「封建主義」と「教会」がキーポイントといわれます。
なぜ封建社会が崩壊したのかはっきりしたことは分かっていません。が15世紀(1400年代)は生産力の減少と人口の減少があったことが分かっています。これにより土地を媒介とする封建主義に限界が出てきたのではとされます。一方、教会は世俗権力との争いにより教皇権力の衰退を招きます。追い討ちをかけるかのように16世紀に宗教改革が勃発します。これらのことを考えると(まだ色々ありますが)、1500年前後を中世の終わりとするのが妥当でしょう。
この1500年前後はルネサンス期にあたり、また大航海時代の幕開け、もう少し経てば宗教改革が始まり、このルネサンス、大航海時代、宗教改革を近世の幕開けとするのが一般的です。ルネサンスが中世的なものか近世的なものか専門家でも割れていますが、一般的には近世とします。
17世紀は「全般的危機」の時代とされてまして、相次ぐ戦争、人口減少、経済の停滞などが特徴として挙げられます。そのような中で誕生したルネサンス国家(絶対王政)と言う概念があります。また一方で、大航海時代に膨張した欧州拡大の勢いが減退しその中で重商主義と呼ばれる経済活動が展開されました。
18世紀にはいると、ルネサンス国家と啓蒙主義の時代になります。この時代は16世紀から続いていた混乱がある秩序でもって安定します。しかし、その秩序を壊すのがフランス革命です。よってこれを近世の終わりと言う位置づけが出来るわけです。
近代はフランス革命(1789年)に始まり、特徴は帝国主義の発展と国民国家の形成です。ただし、国民国家の概念そのものは18世紀からですが、本格化するのはフランス革命後です。第二次世界大戦を持って帝国主義のあからさまな競争は一応終了したのでここを持って近代終了とするのが良いでしょう(最近ですと冷戦終結まで入れている人もいるらしいですが)。ただし共和制は近代において発達したとは言い切れません(特に19世紀中は主要国ではフランスとアメリカ、それ以外は南米にあるくらいで大半が王制です)。
私は基本的に「世界システム論」という考えから経済史を研究しているのでどうしてもその影響が出てしまいますが、概ねこれでよいでしょう。
昔は、封建制(中世)→資本主義(近代)→共産主義、社会主義(将来)と言う唯物史観と言うのがあって、封建制と資本主義の間の過渡期を近世とする分け方があったんですけど、まさかこのような分け方をしているとは思いませんが、私も一度担当教諭に聞いてみるのがいいと思います。
長々とすみません。