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ナブラ記号について
∇・(∇×E) (∇はナブラベクトル、Eは電場ベクトル) を考える時、手元の記述に「Eの各成分が位置の一価関数であれば0になる」とあります。 実際に成分を計算してみると、この値が0になるのは、 ∂/∂xと∂/∂yなどが順序交換できるときのようです。 数学の授業では、この順序交換ができるのは2階連続微分可能(C2級)なときだと習いますが、例えば電場の場合は、電荷密度ρが∞となるような、点電荷や導体表面などを考える場合を除いてはC2級だと思います。 あと、磁場が時間変化すると電場は多価関数になってしまいますが、(磁場としてある値を与えた時に)電場を位置座標で微分したものは電場のどの値に対しても同じだと思います。 「Eの各成分が位置の一価関数であれば0になる」というのは、どういう意味なのでしょうか?
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- sanori
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>>>>> えっと、あなたの仰ることがイマイチ分からないんですが・・・。 まず、∂/∂b・∂/∂cが定義される時点で、2階微分可能な関数だということが必要だと思います。 私は数学が苦手で、逆に教わってる状態になっていて恐縮です。「教わるgoo」? とりあえず、まずは「2回微分可能かどうか」は置いといて・・・ ∂/∂b・∂/∂c というのは、その後ろにAがあるので、 ∂/∂b・∂/∂cのA = ∂/∂b(∂A/∂c) つまり、cで偏微分した後に、さらにbで偏微分で良いですね? ここでAは多価関数ではないので、いかなる位置でも崖のような不連続な箇所はありません。 (以下、それを「崖」と呼ぶことにします。) すなわち、少なくとも1回は微分可能です。 しかし、これをbで偏微分すると、jベクトル方向と垂直な境界線を持つ崖ができる可能性はあります。 ところが、次に行なう偏微分は、kベクトル方向のcでの偏微分なので、bで偏微分したときに出来た崖をまたぐ(=崖から落ちるか崖の上へ上がるかする)ことはなさそうです。 すなわち、「∂/∂b・∂/∂c」は、すでに2回微分が保証されていなくても、演算することが出来ると思うんですが。 >>>>> しかし、これは電場のように物理量を扱っている限りは、気にする必要のないことだと思います。 はい。 >>>>> そして、微分演算子を交換できるためには、数学的に厳密には、更に「∂/∂b・∂/∂cが連続」ということまで加えないといけないのですが、 上述のとおり、∂/∂b・∂/∂cは連続であるという前提は必要ないと思います。 i方向、j方向、k方向の各方向の偏微分が各々1回だけ出来れば良いと思います。 >>>>> これも、なめらかな物理量を扱っている限りは心配しなくていいと思います。 はい。 ただ、やはり上述したように、i、j、k方向の各々について、1回ずつ、最高3回までは、偏微分できると思いますし、その結果、崖が発生しても問題ないと思います。 >>>>> だから、僕も微分演算子は無条件に交換できると思うのですが、手元の記述では「一価関数であればこの値がゼロになる」とあります。 多価関数だとどのような問題が生じて、ゼロにならないのでしょうか、と言う疑問だったのですが。 ええ。ここが本題であり、疑問の核心部分ですね? やはり、 多価関数であるということは、直感的には、やはり、「崖」、 それと、もう一つは、 「2つ以上の電場が存在、すなわち、重畳することが出来ず、互いに干渉することなく、アカの他人として振舞う」 でしょうか。 まず、「崖」の方は、 数学でどう扱うかは不明ですが、崖をまたぐ微分は出来ないということになりませんかね。 それとも、微分が、崖のところにピークがあるデルタ関数とかで表すことができるんでしょうか。 後者は、明らかに微分できませんね。 どうでしょうか。 なんせ数学が苦手な私ですので、非常に稚拙なことを書いているかもしれませんが。
- kovarin
- ベストアンサー率100% (1/1)
∇は位置に関する微分演算子ですので、∇×EはEが位置に関する一価関数であるときにしか定義されないのではないでしょうか。 数学的にも多価関数は一旦その値域を制限することによって一価関数とみなした上でないと微分が定義できないものだと思います。
補足
なるほど。。ご指摘有難う御座います。 解析の本を参照すれば、その辺のことが詳しく記述してあるのでしょうか。
- sanori
- ベストアンサー率48% (5664/11798)
すみません。 自分の勉強も兼ねて、いったん過程を書きます。 Eを(A,B,C)、 位置を(a, b, c) と置いて ∇・(∇×E) =∂/∂a・{(∂C/∂b-∂B/∂c)・i} +∂/∂b・{(∂A/∂c-∂C/∂a)・j} +∂/∂c・{(∂B/∂a-∂A/∂b)・k} =(∂/∂a・∂C/∂b-∂/∂a・∂B/∂c) +(∂/∂b・∂A/∂c-∂/∂b・∂C/∂a) +(∂/∂c・∂B/∂a-∂/∂c・∂A/∂b) =(∂/∂b・∂/∂c-∂/∂c・∂/∂b)A +(∂/∂c・∂/∂a-∂/∂a・∂/∂c)B +(∂/∂a・∂/∂b-∂/∂b・∂/∂a)C ・・・(※) これが =0 となるか? ということですね。 「Eの各成分が位置の一価関数」ということは、特異点や電場が不連続になる場所がない、ということですから、少なくとも1回は位置微分が可能です。 おっしゃる通り、∂/∂aと∂/∂bとを交換できるかどうかが焦点になりそうです。 上記の式の(※)の第1項の括弧の中に注目します。 すなわち ∂/∂b・∂/∂c-∂/∂c・∂/∂b です。 上述したように、少なくとも1回微分は可能なので、 ∂/∂b は、出来るということです。 しかし、2回微分が可能かどうかは分かりません。 つまり ∂/∂b・∂/∂b が出来るかどうかは不明です。 ところが、∂/∂bと∂/∂cとは、微分する方向が垂直で、かつ、b方向もc方向も不連続性はありませんから、 ∂/∂b・∂/∂c は出来ます。 同様に ∂/∂c・∂/∂b も出来ます。 したがって、結局∂/∂bと∂/∂cとは順番を交換できるということになり、 ∂/∂b・∂/∂c-∂/∂c・∂/∂b = 0 となると思うのですが。 どうでしょうか?
補足
えっと、あなたの仰ることがイマイチ分からないんですが・・・。 まず、∂/∂b・∂/∂cが定義される時点で、2階微分可能な関数だということが必要だと思います。 しかし、これは電場のように物理量を扱っている限りは、気にする必要のないことだと思います。 そして、微分演算子を交換できるためには、数学的に厳密には、更に「∂/∂b・∂/∂cが連続」ということまで加えないといけないのですが、これも、なめらかな物理量を扱っている限りは心配しなくていいと思います。 だから、僕も微分演算子は無条件に交換できると思うのですが、手元の記述では「一価関数であればこの値がゼロになる」とあります。 多価関数だとどのような問題が生じて、ゼロにならないのでしょうか、と言う疑問だったのですが。
補足
ちょっと説明不足でしたが、「∂/∂b・∂/∂cが定義される時点で」というのは、∇の座標変換不変性から、任意の直交座標をとっても上の微分が定義できる、と言う意味です。だから、全ての方向に対して偏微分可能であることが必要で、更に、可換性の証明に(ある方向に対する)平均値の定理を使うので、2階導関数が不連続では困る、ということです。 また、不連続点を無限個選ぶことができるようになってしまいますから、デルタ関数では表せないと思います。#2さんのご指摘どおりでした。