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経路積分のリー・ヤン項
よく知られているように演算子のWeyl順序をとると配位空間の経路積分の表式には一般に古典的作用にリー・ヤン項を加える必要があります。私はかねてよりこのリー・ヤン項には疑問を持ってきました。 (1)正則化 何らかの正則化が必要と思われますが、例えばVan Vleck行列式を一般化されたゼータ関数で正則化するようにして正則化することはできないのでしょうか。 (2)リー・ヤン項の必要性 リー・ヤン項は経路積分の測度を不変にするために必要とされています。しかしよく知られている様に藤川は測度が不変でないことからanomalyを導いています。anomalyの場合は測度が不変でないと考えるのに、リー・ヤン項の場合はなぜ不変と考えるのでしょうか。 (3)実験との対応 リー・ヤン項の存在からどのような現象が予言され、それは実験で検証されているのでしょうか。
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- atomicmolecule
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えーと、何処にのっているかと訊いていますが、量子力学のりーヤン項がずばりでは無いと思います。 イジクソンは場の理論の本ですから少し違った形で載ってると思いますよ。非線形シグマモデルのラグランジアンから量子場の理論を導く方法をみてください。 非線形シグマモデルは重力とある意味にていますから同じ問題があるはずです。重力は座標空間が曲がっている場合ですが、非線形シグマモデルはターゲット空間が曲がっているわけなので、にたようなもんでしょう。古典論から量子論へ移行する場合にはやはり演算子の順序も問題になるので、リーヤン項に対応した項は出ると思われます。 それをりーヤン項と呼ぶのかどうか私はしりません。場の理論での対応した項というだけです。場の理論ではδ^4(0)がでるんでしょうか。 grothendiekさんがいっているδ(0)の発散はゼロモードに関係していませんか? インスタントンや場の理論の経路積分を真面目にやるといつも出てくる形ですから、取り扱いはよくわかっていて、イジクソンでは正則かして既に繰り込まれているかもしれないですね。δ(0)と書くのはまあ簡便法であって、実際にはなんら中の方法で繰り込むんではないでしょうか、そのままでは意味ないですから。 ということで、場の理論の話でよかったらイジクソンの非線形シグマモデルの説明があるところを探してください。量子力学のりーヤン項そのものずばりがのっているとは思わないので、あまり期待しないで下さい。それかりーヤンのオリジナルの論文探してみたらよいかもしれませんね。 力になれずにすみません。
- atomicmolecule
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何をリーヤン項と呼ぶのか、少しあやふやに考えていました。grothendieckさんは重力が入った場合のことを例にあげていますから、それならば似たような例として非線形シグマモデルをあげても良いのでしょうか? リーヤン項と呼ぶかどうかは定かではありませんが、経路積分から出てくるヤコビヤンと言う意味では非線形シグマモデルが参考にならないでしょうか? もしも非線形シグマモデルで納得してもらえるんならばItsyksonとDrouffeの本にはかなり専門的なことが書いてあると思います。 違っていたらすみません。 あと場の理論を考える限り正則化は常に暗黙の了解で、 δ(0)が出てきてもあまり気にしないんだと思います。同じようにラグランジアンも正則かしないと本来定義されてないですよね? 場の理論では正則か無しには殆んどのものには意味がないと習いましたし、確かに計算すると全て発散してしまいました。あまり難しい話は知りませんが、ある意味場の理論は近似理論ですから、例えばクーロンポテンシャルから来る発散は実際には原子核から来る遮蔽効果に繰り込まないといけませんし、電荷や質量と言っても全て繰り込まない限り意味がないわけで、かといって最初から全て繰り込んだ表式を普通はかかないですし。適当に計算したあとで辻褄合うように繰り込めばよいのではないでしょうか。いい加減なこといってますが、許してください。あまり細かい事をつっこみだすとぼろがでますので・・・・このへんで終わりにします。
- atomicmolecule
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場の理論ではδ(0)などよく出てくるんですが、最終的には正則かが必要で、正則化はされたものとして計算をやっているんだと思います。もちろん注意深くやらないと、実際には正則かのおかげで余分な項がついてくる事もありますから、すべてを気にするなら最初から正則かして計算すべきでしょうね。 しかし、そういうことを言い出すと計算の途中で全て正則かした表式を書く事になり面倒なので、最終的な答えに影響ない場合はあたかもδ(0)が存在するかのような取り扱いをして計算を遂行し、最後に正則かした場合のδ(0)に置き換えるんだと思います。 量子異常の場合は測度が不変でなく、リーヤンでは不変なのは、どうも答えづらいですが、真面目にやると結果がそうだということです。測度が不変かどうかは結果であって、不変になるように物事をいじったわけではないのです。つまり無矛盾な量子論があると思って真面目にやると どうしても古典的な対称性を壊さないと正則かができない場合と、古典的対称性をたもったまま理論を正則かできる場合があるわけです。 量子異常では正則かを真面目に扱って計算した結果測度が古典論とちがったわけで、そういった意味ではリーヤンも同じで、真面目にやった結果が古典論と一寸違うということです。結果量子異常のほうでは測度の対称性を正則化が壊すし、リーヤンでは正則化してみて測度が対称性をこわさないようであれば、今までの議論でOKです(私はリーヤンの議論が正則かした後もOKかどうかは知りませんがOKだと思っています)。測度が対称性を壊すかどうかは調べないといけませんが、どういう場合に対称性が壊れるかということは調べられていると思います。私には専門的すぎてその分類の知識はありません。 最後の質問で、それが実験にかかるかどうかですが、それはリーヤン項をもつ系が自然界に存在するかどうかと言う問題になりますが、私は答えられません。 場の理論としてのリーヤン項の議論は例えばItzkson&Drouffeの統計場の理論にありますので、モデルとしては調べられていますし、リーヤン項は場の理論的には導入するべきだという清純形式からの帰結と整合していると思われます。私は仕事に忙しいのでItzkson&Drouffeの場の理論をもう一度読み直そうという気力がありませんので是非自分の眼で確認してください。理解したら私にも教えて欲しいですが、私はもうすっかり物理を忘れてますから理解できるかどうかもあやしいです。 疑問に少しでも答えられていれば幸いです。
お礼
ご回答ありがとうございます。Lee-Yang項を正則化している論文を見つけました。 http://arxiv.org/abs/hep-th/9810119 正則化しなければ意味のある結果にならないと思います。そもそもラグランジアンの「運動エネルギー」の項が座標にも依存するような場合があるのかと言えば、それはあると思います。曲がった時空上の場の量子論がそれです。曲がった時空上の場の量子論が適用される対象はブラックホールであると考えられます。したがってLee-Yang項の存在はブラックホールについて何らかの帰結をもたらすのではないでしょうか。なおItzkson&Drouffeの統計場の理論を見た所、"Lee-Yang singularities"はあったのですが、Lee-Yang 項は見当たりませんでした。Lee-Yang 項は何ページに書いてあるのでしょうか。
- atomicmolecule
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経路積分による量子化を正当付けるのはなかなか難しいところで、通常は清純量子化(正準が変換でできませんし、意味としても大して違わないので清純でいきます)を経由して経路積分は定義されます。 量子異常を少しおいて話をすすめますが、量子化は全てを正しくやれば結果は正しくでます。そしてlee-yang項は清純形式に基づく経路積分を正しく導出すれば自然に現れます。もともと古典論のラグランジアンが量子論に対応する理由は何もないわけで、ここであまり悩む必要はありません。正しくやれば正しい量子論がでてきたというだけです。 そこで量子異常ですが、これも正しくやれば量子異常が自然にでてきます。それを示したのが藤川先生の仕事で何もトッピな事をしたわけではありません。正しい量子化手続きをふめば量子異常(異常でも何でもありませんが、古典的には不思議にみえるだけです)が現れます。 あくまで手で操作するというようなことはありませんので、lee-yang項を導入する必要がないという意見は少し受け入れがたいものがあります。つまり、正しくやって出てきたものだから、それを手で落とす方が不自然で、そうやって作られた量子論がどうなるかは通常あまり興味がありません。意味があるかどうかはしりません。量子異常も正則かして正しく導出すれば自然と出てくるわけで、異常という言い方が異常なだけです。
お礼
ご回答ありがとうございます。δ(0)は定義されないと思いますが、悩む必要はないのですか。anomalyの場合には測度が不変でなくてLee-Yang項の場合には不変になる違いはなんですか。Lee-Yang項によりどのような現象が予言されるのですか。(例えばアハラノフ・ボーム効果の様に古典論からは予想されないような現象が予言されると言うようなことです)
お礼
経路積分のリー・ヤン項と言うのは量子系のハミルトニアンがWeyl順序をとった H = (1/2){gab(q) pa pb } であるときに配位空間の経路積分で古典的作用に加わる (-i/2)δ(0) ln detgab(q(t)) という項です。これを見ると計算の途中でなく最後の結果にδ(0)が残っています。計算の途中ならまだしも最後の結果にδ(0)が残るのを許容するわけには行かないでしょう。これはItzykson, Drouffeの何ページにあるのですか。