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中世の騎士
ドンキホーテの映画を観ていて、ドンキホーテに請われて城の城主(実際はドルシネアことアルドンサがいる宿屋の亭主)が彼に騎士の称号(爵位?)を授与するといったシーンがあったのですが、騎士の称号は国王ではなくて公爵や男爵などの貴族が授与できたのでしょうか? 実際には中世の騎士の称号は誰が授与するのが一般的だったのでしょうか? 中世の騎士は公侯伯子男に比してどの程度の地位で、どの程度の領地を有していたのでしょうか? 騎士と王・貴族との関係はどうだったのでしょうか。
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騎士には二つの種類があって、 血統が由緒正しい人と、そういう人に養われている人です。 近世以降の身分としての騎士の称号と違って 中世においての騎士とは戦士を意味するだけなので 貴族なら誰でも部下を騎士に取り立てることは可能でした。 これはローマ時代後期のゲルマン従士制度が騎士制度の原型だからで 戦士は補充する必要があるためです。 ただしこれは雇用することを意味するので やたら滅多ら抱え込んだら破産するだけなので そんなことは普通はしません。 剣の峰で三度肩を叩く儀式は有名ですが、 中世の頃は幼くして小姓として仕え 武術を学んできた子弟が成長して騎士に取り立てれるのが普通ですが、 見所があると判断されれば異例ながら誰でも騎士にすることはできたわけです。 ただし身分の一代限りなので、さらに武勲をあげて 良縁を持たなければ、自分の家系を貴族にすることはできませんが。 近世になって、騎士が身分として認識されるようになり 封建的特権が与えられるようになると 王権の拡大と中央集権化がすすむ過程で、 この叙任の権利が制限さえていきます。 国によって違いますが、フランスでは公爵以上だったと思います。 ドンキホーテがやっているのは中世式で、この物語全体が古き良き時代が終わって、堕落した現在を嘆いたり批判したりする内容なので、王侯も昔は無位無官のものだったということを暗に示して、身分制度の正当性をちゃかしているのでしょう。 中世に限りませんが、階級(地位)と領地(財産)は別です。 ブルゴーニュ候のような王よりもも広大な領地を持つ場合もあるわけで、全く関係ありません。 何の土地も持たない貴族もいましたし、破産したり土地をなくしたりするのは、わりにあることです。 領地の大小は個々の人物の資産状況に大きく依存します。 中世においては王と騎士や貴族を結んだものは、個人的忠誠関係のみです。 だから逆にいうと貴族の部下、つまり陪臣には王は命令する権利を持ちません。 こういう間接統治状態なので、中世の王権は弱いわけです。
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- pyon1956
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時代によって違うのでは? 当初は騎士であれば騎士叙任ができたはず。 ではその騎士は?というと、もともと領主であったものがいつしか騎士階級として固定した、ということでしょう。 のちに騎士団長とか、大貴族さらに王・皇帝にのみ授与権が移っていったものと思われます。 さらに教会が承認しないとだめ、ってのも後にはあったような。 現在も王のほかに騎士団が騎士任命の権限をもっている国が残っています。 そう言った地位ですからただの騎士、というのはほぼ最下級貴族に相当すると思われます。(ただし、これは階級としての騎士。王も騎士である、という意味ではこの問い自体が無意味になりますね)
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御回答ありがとうございます。 当初は騎士が騎士を叙任する事もできたのですね。 広義には王も騎士なのですね。
- 6dou_rinne
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西洋の中世の騎士は日本で言えば武士みたいなもので、いわゆる領地をもつ諸侯(公候伯)であれば叙任することができました。(男爵というのは諸侯にはあたりません。) 領地はひとつの荘園をもつていどでした。 中世の騎士の場合は、主君との関係も契約で、軍事奉仕も年間何日といった起源がありました。 主従の関係は騎士に叙任してくれた王侯との間に成立し、何人もの主君に使えるといった例もありました。
お礼
御回答ありがとうございます。 領地を持つ諸侯は公爵・侯爵・伯爵までで、子男は含まれなかったのでしょうか? 世界史で習ったザクセン公とかブランデンブルグ辺境伯が諸侯という事でしょうか。 子爵・男爵は諸侯ではなくてどういう立場・地位だったのでしょうか?
お礼
御回答ありがとうございます。 中世においての騎士は戦士を意味するだけなのですか。 近世ではフランスでは公爵以上の者が叙任できたのですね。 >身分制度の正当性をちゃかしているのでしょう。 西欧の小説だと、道化や乞食・精神障害者といった社会の蚊帳の外にある者に本音を語らせたりといった手法が結構あるようですが、ドンキホーテも狂人の言動を通して身分制度の正当性をちゃかしているのですね。