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壁に当たったとき
今僕は代数を独学中です。 ですが、素イデアルとか極大イデアルとか定義を見てもイメージが全くわきません。 そうすると、その後の定理やその証明なども?な状態です。 もしかして自分は相当頭が悪く、他の人はすらすら、引っかかっても5分位考えて乗り越えていってしまうとか? 何が言いたいのかというと、(上のことの皆さんのイメージも知りたいですが)ようするにこのように(代数やにかぎらず数学の)勉強中に壁に当たったときに(もしかして当たらない?)皆さんはどのように対処しますか? 例えば「気にせずがんがん進む」などです。
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時期はばらばらでしょうが、スランプは誰にでもあります。そもそも環論を勉強しようと思えるだけ立派だと思いますよ。上には上がいくらでもいるのであまり気になさらずに。 独学で本を読まれるとき、周りに助けになる人がいなければ、複数の本を用意しておくのが効果的だと思います。全部読むのではなくて、ひとつがメインの本で、他のものは参考書として使うわけです。それから抽象代数は確かに初めは定義をみても何のことかさっぱりです。そういうときは極力ご自身で簡単な例を考察してみるとよいと思います。例をたくさん作れるのはとてもすばらしい数学の力になると思います。 たとえば、Zを整数環とするとき、nZはイデアルになります。nの倍数同士の足し算はやはりnの倍数になるし、任意の整数とnの倍数の積はnの倍数になるからです。ところが、nが素数でないときはnZは素イデアルとはなりません。たとえば、6Zを考えると、6=2×3と分解できますが、2も3も6Zには属していません。一方で素数pに対してpZは素イデアルです。pの倍数を二つの数の積に分解すれば、必ずどちらかがpの倍数になるからです。こうしてみるとイデアルや素イデアルの概念が整数環におけるnの倍数、pの倍数の拡張になっているという気がして親しみがわきませんか?そして後に環をイデアルで割ったりしますけれど、これはようするにmod nやmod pを考えることに相当するのです。前者は整域ではありませんが、後者は整域になります。(実はpZは極大イデアルにもなるから体になっています)このことはたとえばmod 6の世界では、2×3≡0などが成り立ちますが、かといって、2も3も0とは合同ではありません。かけて0になってもどちらも0でないことがあるわけです。一方mod pではそういうことは起こらないのです。これはpZが素イデアルだからなのですね。 簡単な例を考察することは、抽象的な定義や定理の理解を深めるのにとても役に立ちますが、定理などの主張を特別な例で考察するとき、あまりに特殊な例を考えすぎるとその場合は自明に思えることもあります。それは例が定理の条件以上の特別な性質を持っているときに起こります。そういう場合はもう少し複雑な例を考えるとよいのです。このように例を考えるだけでも大変勉強になると思うので、ぜひお勧めしたいと思います。 >その後の定理やその証明なども?な状態です。 なのに「気にせずがんがん進む」のは感心しません。多少焦りなどもあるかも知れませんが、じっくり腰をおろして、時には立ち止まるのも大切だと思います。時間が解決してくれることは往々にしてあります。どうしても理解できない場合は、メモでも残して先に進むというのはひとつの手ではありますが、とかく今のところ環論の初歩とお見受けしますので、焦らずじっくり分かるまで考えられたらと思います。
お礼
非常に参考になり、いくらか楽になりました。 本当に、ありがとうございました。