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[大学教養微積レベル]周期関数の積分の問題を教えてください
- 大学教養微積レベルの周期関数の積分に関する問題について解説します。
- 問題では周期関数の性質や積分の収束についての証明を求められています。
- 具体的な解法や証明の手順についてもアドバイスします。
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|∫_{M to N} f '(x)/x dx| ≦ ∫_{M to N} |f '(x)/x| dx は正しい評価ではありますが、(3)を見ても分かる通り、 これでは下からの評価しか出ません。よってもう少し工夫が必要です。 f(x)は有界ですから、|f(x)|≦Aなる定数Aが取れます。 そして、たとえば部分積分をするとうまくいきます。 ∫_{M to N} f '(x)/x dx =[f(x)/x]_M^N+∫_{M to N} f (x)/x^2 dx より、両辺の絶対値を取って、 |∫_{M to N} f '(x)/x dx| ≦|f(N)|/N+|f(M)|/M+∫_{M to N} |f(x)|/x^2 dx ≦2A/M+A∫_{M to N} 1/x^2 dx ≦2A/M+A(1/M-1/N) ≦3A/M あとはたとえば積分区間をω→2ω、2ω→2^2ω、2^2ω→2^3ω、… と分けてそれぞれ計算してみましょう。 各積分を具体的に計算はできないものの、 先ほどの積分の評価から(各項ごとの定積分の級数が) 絶対収束するのは明らかです。 f'も周期ωの連続周期関数です。 f'(x+ω)=lim_{ε→0}{(f(x+ω+ε)-f(x+ω))/ε} =lim_{ε→0}{(f(x+ε)-f(x))/ε} =f'(x) だから。さて(3)ですが、nω~(n+1)ωにおいて、 1/xは必ず1/((n+1)ω)よりは大きいですよね。 分母が大きいから値は小さくなるわけです。 そうすると、 ∫_{nω to (n+1)ω} |f'(x)|/x dx ≧∫_{nω to (n+1)ω} |f'(x)|/((n+1)ω) dx です。1/((n+1)ω)は積分に関係ないから外に出して、 あとはf'(x)が周期ωの周期関数に注意すればよいのです。 D≠0だから(周期ω>0だからf(x)≡0ではない) 1/2+1/3+1/4+…→∞に注意すれば、積分が絶対収束しないのも すぐに分かりますよね。 全体的に、f≦gが成り立つときに、∫f≦∫gも成り立つ、 という定積分の単調性を使っているだけです。 評価する側の被積分関数の一部を定数に変えてしまい それを積分の外に出すという論法です。 やっていることは非常に当たり前の方法ですので、 落ち着いて考えられるとすっきりすると思いますよ。 それから部分積分というのは大変に強力な道具です。 部分積分様ありがとう、と日々感謝することをお薦めします。 そうするといつの日か、部分積分がきっとあなたを助けてくれます。
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- adinat
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例をあげてみましょう。 f(x)=cos x という関数を考えます。|f(x)|≦1ですから、 形式的ではありますが、|f(+∞)|≦1です。 かといってlim f(x)が存在するというわけにはいきません。 同様に |∫_{0 to N}cos x dx|=|sin N|≦1 ですが、かといって、I=∫_{0 to ∞}cos x dxは存在しません。 とにかく、有界というだけでは極限の存在は言えないのです。 したがって、やはり極限が存在するということを キチンと示す必要があります。 僕が書いた証明はやや回りくどく分かりにくい上、 たぶん収束の証明になっていないので、すこし書き直します。 ∫_{ω to ∞}~ が収束することを示すのに、 関数g(x)=∫_{ω to x}~を考えて、lim g(x)の存在を示せばよいです。 x≧yとしましょう。 |g(x)-g(y)|≦|∫_{y to x}~|≦C/y → 0 (x≧y → ∞) したがってg(x)は収束します。 要するに数列の収束の証明をするときのように、 コーシー列になっているかどうかを確かめる感じですね。 直感的には、ずいぶんと先の方からの積分はすごく小さい! ということです。有界というよりははるかに強いことを言っているわけです。
お礼
非常に丁寧なご回答、本当にありがとうございました。とても参考になりました。頂いた、ご回答を参考にしっかり勉強します。
お礼
非常に丁寧なご回答ありがとうございます。貴方のご回答をみて計算し直したらすっきりいたしました。最後に、1点だけきになっていることがあります。 (2)の後半ですが, ある定数Cが存在して | I | = |∫_{ω to ∞} f '(x)/x dx| ≦ C/ω これよりI は収束と書いてもよろしいでしょうか。