product spaceを用いた確率過程の期待値の極限
測度論的確率論にお詳しい方,以下の質問に答えていただけると幸いです.
[定義]
1. (Z,Θ): measurable space. Θはσ-algebra.
2. Z^∞=Z×Z×Z×... (Zの直積を可算無限回とった集合)
3. 以下の形をした集合Bは``finite measurable rectangle'':
B=A_1×A_2×...×A_T×Z×Z×...,
ここで,A_t∈Θ for all t=1,2,...,T. T∈N
4. Φ^T: Tを所与としたとき,全てのfinite measurable rectangleを含む集合族.
5. Φ: 全てのfinite measurable rectangleを含む集合族.
6. Ψ^T: Φ_Tの要素の任意の有限個の組み合わせのunionを全て含む集合族.
7. Ψ: Φの要素の任意の有限個の組み合わせのunionを全て含む集合族.
7. Θ^T: σ-algebra generated by Ψ^T
6. Θ^∞: σ-algebra generated by Ψ
7. μ^∞:Θ^∞→[0,1]: Θ^∞上に定義された確率測度.ただし,
これはΦ上で定義された確率測度をΨ上のそれへと拡張し,さらに
それをΘ^∞上に拡張して導出されたものとする.
8. ξ_t:Z^∞→Z:以下で定義されるmeasurable function
ξ_t(z_1,z_2,...)=z_t , t∈N
[Remark]
a. 自然数の集合Nは要素として∞を含まないので,T<∞.
b. Ψ^T,Ψはalgebraである.
c. 7.の例として,transition functionを使ってマルコフ過程を定義したものがある.
[確率過程]
このとき,
Θ^1⊂Θ^2⊂Θ^3⊂...
となり,かつ,ξ_tはΘ^t-measurable functionなので,({Θ^t}_t,(Z,Θ),{ξ_t}_t)
のセットは(Z^∞,Θ^∞,μ^∞)上に定義された確率過程となる.
[質問]
ようやく質問です.
今,Zがある有界な閉区間だとして,確率変数ξ_tの期待値がうまく定義できるとします.
このとき,定義から,Mが有限であればE(ξ_M)が定義できます.
では,lim_{M→∞}E(ξ_M)についてはどうでしょうか?
自分としては,定義されないと考えています.というのも,lim_{T→∞}Ψ^Tは
補集合について閉じていないのでalgebraでなくなります.したがって,拡張定理を
使えなくなって確率測度μ^∞がそもそも定義できなくなってしまうからです.
このロジックは正しいでしょうか?
では,lim_{M→∞}ρ^M E(ξ_M),0<ρ<1,についてはどうでしょうか?
E(ξ_M)自体は定義されないけど,仮にE(ξ_M)が存在しても,0に収束するのだから
「lim_{M→∞}ρ^M E(ξ_M)は定義される」と言っても問題ない,考えていますがいかがでしょうか?
長くなってしまいましたが,お聞きしたいのはこの2点です.数学の
勉強をして少しずつ慣れてきたものの,まだ自分の結論に確信をもてる
ほどのレベルには至っておりません^^;宜しければ数学に強い方の
ご意見をきればと思います.どうぞよろしくお願いします.