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鳳テブナンの定理について
こんばんは!いつもお世話になっています。 大学の電磁気の授業で、鳳テブナンの定理をやったんですが、その担当の先生が、鳳さんの弟子の弟子とのことで、とても楽しそうかつ自慢げに説明していたんですが、よく分かりませんでした。 この定理は何を求めるための定理なんですか?? あいまいな質問で申し訳ありません! 簡単にでよろしいのでご回答お願いします。
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この定理は「Theveninの定理」とのみ呼ばれることが多いのですが、鳳先生のお弟子さん筋の方ですと当然「鳳-Theveninの定理」と呼ぶことになりますね。 端的に表現するならば「電源と抵抗からなる複雑な電気回路において、ある抵抗を流れる電流(両端の電位差と言い換えても本質は同じ)を求める場合、回路の他の部分を単一の電源と単一の抵抗からなる等価回路に置き換えられる」という定理です。その具体的な置き換え法も示されています。 とは言え効能書きだけではその内容は掴みにくいと思います。実際に使ってみればその威力が分かると思いますので、例題で考えてみます。 まず、図1の電気回路を考えてみましょう。抵抗Rに流れる電流Iはいくらでしょうか。こんなのは計算するまでもなくI=E/Rと求められます。 ┌───┐ ┴E <R ■ < └───┘ 図1 直流電源と抵抗からなる単純な回路 ではもっと複雑な回路だとどうでしょう。 図2の回路はごく初歩的なブリッジ回路です。この回路で各抵抗を流れる電流を求めたいとします。ここでもし、幸いにブリッジが平衡している(R1・R4=R2・R3)ならR5を流れる電流はゼロとなり、抵抗の直列合成・並列合成だけで解けます。 ┌───┬───┐ │ <R1 <R2 │ < < ┴E │ R5│ ■ ├ΛΛΛ┤ │ │ │ │ <R3 <R4 │ < < └───┴───┘ 図2 ブリッジ回路 ところが一般にはブリッジが平衡しているとは限らないわけで、その場合は各抵抗を流れる電流をI1~I5などとおいて、キルヒホッフの法則に従って複雑な連立方程式を解かなくてはなりません。これは結構面倒な作業です。 ここで威力を発揮するのが鳳-テブナンの定理です。鳳-テブナンの定理を使えば機械的な計算のみで解くことができます。 R5を流れる電流から解析してみます。鳳-テブナンの定理の適用においてはまず、着目する抵抗(この場合R5)を外し、端子間に現れる電圧E_0を計算します(図3)。 これは簡単で、Y点を基準としてX点の電位は直ちに [{R3/(R1+R3)} - {R4/(R2+R4)}]×E (1) と求められます。これがE_0です。 ┌───┬───┐ │ <R1 <R2 │ < < ┴E │X Y│ ■ ├○ ○┤ │ │ │ │ <R3 <R4 │ < < └───┴───┘ 図3 着目している抵抗の除去 次に電源Eを除去します(電源が複数あれば全部除去する)。電圧源の場合は除去した後を短絡、電流源の場合は開放します。すると図4の回路になります。 ┌───┬───┐ │ <R1 <R2 │ < < │ │X Y│ │ ├○ ○┤ │ │ │ │ <R3 <R4 │ < < └───┴───┘ 図4 電源除去 この時、端子X-Y間から覗いた回路の抵抗R_0を求めます。順に変形すれば明らかですが、図4の回路は以下のように描き直せます。この回路の全体の抵抗はすぐに求められ R_0 = {R1 R3/(R1+R3)} + {R2 R4/(R2+R4)} (2) となります。 ○X ┌───┴───┐ <R1 <R3 < < └───┬───┘ │ ┌───┴───┐ <R2 <R4 < < └───┬───┘ ○Y 図5 図4の描き直し 着目している抵抗R5を流れる電流I5ですが、鳳-テブナンの定理の教えるところにより I5 = E_0÷(R5+R_0) = E×[{R3/(R1+R3)} - {R4/(R2+R4)}]/[R5+{R1 R3/(R1+R3)}+{R2 R4/(R2+R4)}] (3) と求まることになります。 【まとめ】 1. 「鳳-Theveninの定理」は、複雑な電気回路の解析に威力を発揮する定理である。 2. 具体的には着目する抵抗を外し、(1)その両端に現れる電圧 (2)その両端から回路を覗いた場合の抵抗(電源は除去)を求めることで、抵抗に流れる電流を簡単に計算できるというものである。
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- Teleskope
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>> 鳳さんの弟子の弟子とのことで、とても楽しそうかつ自慢げに説明していたんですが、よく分かりませんでした。 << w。 国内サイトではテブナンがフランス人なことすら見あたりませんね、 Leon-Charles Thevenin (born. Meaux, France, 30th March 1857, dead. Paris, 1926.9.21) was a French telegraph engineer and educator. He was the one to propose the equivalent generator theorem in 1883, 43 years before ノートン's complementary theorem. The theorem is commonly called Thevenin's Theorem in his honour, but, in fact Hermann Von ヘルムホルツ proposed it first in an 1853 paper.(後略) ‥‥ ということですね。 (抜粋: http://www.eleceng.adelaide.edu.au/people/profiles/famous.html#Thevenin ) 写真(リンクうしろ切れると思うのでコピペしてください) http://www.iera.gr/electricity/inventors/test.asp?English=Thevenin,%20Leon-Charles 鳳秀太郎(1872.2-1931.9)が同様の定理を出したのは1922年(↓53ページ)50歳、テヴナンから40年後です。 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-18-t979-1.pdf それよりも、作家 与謝野晶子の兄; 菓子屋の長男だが家業を見向きもせず、仲が良くなかった妹=与謝野晶子 をして 「 弟よ(あなたに家業を継いで欲しいので従軍で) 君死にたもうことなかれ」(1904年) と詠ませた兄; と、与謝野晶子伝記の脇役として名が残ってます。 http://www.k3.dion.ne.jp/~a-246ra/keizu1.html#5 >> この定理は何を求めるための定理なんですか?? << 目的ですか‥ではトポロジー云々は置いといて、「この場面で威力発揮したゆえ重要でした」というのを見てください。(絵は寄せ集めなので一貫してません、こまかな突っ込みは御容赦を。) まず、 ↓ICの中です。配線は立体交差でして、柱の根本にトランジスタが居ます。 http://www.coms.ua.ac.be/files/IC_interconnect.jpg http://css.sfu.ca/update/vol10/10.2.transistor.jpg ↓トランジスタの断面。主要部は地下にあります。 http://www.sematech.org/amrc/images/future_transistor_200-pix.jpg ↓イラスト化 http://library.thinkquest.org/3308/transistor.jpg 上図の各部を一本ずつ、形と材質で決まる抵抗値とか、隣同士の静電容量とか、こと細かに書き表したものです。等価回路と言います。 ( 家の部屋の見取り図で床下のクギ一本まで細かく書いてある図面だと思ってください。)↓ http://www.st.com/stonline/prodpres/discrete/powmosft/icons/scircuit.gif で、 回路を作るには 上図のトランジスタをいっぱい使うのですが、こんな図を何枚も何枚もつなげたのでは持て余すので、簡略化(抽象化)した図にします。ここで、テブナンやノートンが役立ちました。 下図は上図を豪快に単純化した絵です。 (家全体の見取り図を書くとき、個々の部屋は単純に四角く書きますよね、ドアや窓やベッドなど、主要な図を残す。それと似てます。)↓ http://www9.dw-world.de/rtc/infotheque/semiconamps/fig2222.gif さらに省略して、出入り口の線3本だけで済ます。(丸の中は何の部屋かを記号化したものです、流し台やトイレのマークのように。) http://www.radioelectronicschool.com/images/transistor.gif ↓家一軒の例です。μA741といいまして、その道のマニアには有名な歴史的建物です。 http://www.uoguelph.ca/~antoon/gadgets/741/741equiv.gif で、 電子回路を作るには 上図のアンプのような部品をいっぱい使うのですが、こんな図を何枚もつなげるのでは持て余すので、簡略化(抽象化)した図にします。ここでまた、テブナンやノートンが役立ちました。 http://pww.evtek.fi/CAL-Physics/2002/physics_lab/electronics/amplifier/chart/opamp1.jpg 下図はいっそう書きやすいようにしたシンボルです。 (子どもの図画の家、家の外形と出入り口、電線と下水。)↓ http://www.faqs.org/docs/electric/Semi/03025.png さらに、 上図の部品を何個も何個も使ってこんなの↓を作るんですが、(ご町内の見取り図ですね、電線と下水は(全戸にあって当然だから)省略してます。) http://www.blackwidowaudio.com/Projects/projectimages/Headamp.jpg さらに上図も テブナンやノートンを使えば、全体が たった一個の等価電源と たった一個の出力抵抗に書き表せ‥‥ と、どこまでも‥ということで 人間の手に余らないように簡略化,抽象化した回路 これを作るのに主役的に使われた「手法」なのでした。冒頭のテヴナンの伝記も同じようなことを書いてありますよね。 教科書的なテヴナンの練習問題も同じです、「」 標語っぽく言えば; 線形回路なら電源一個と抵抗一本にまでもっていけるぞ、とゴールを示してるだけで、求め方(途中のプロセス)は何も言ってません。 実際の回路でどう使うかは case by caseで、そこが「二次式の根の公式」のように使い方が一目瞭然なものと ちょっと違う所です。 (効能を言葉巧みに言っても実体は只の線形代数なので‥と言ってしまえば味気ないですが) スパイスなどシミュレーションツールが主役な時代なのは分ってると思います。それらは、人間が見るのでなければ抽象化不要ということで 最初の原始的等価回路をそのままつなげて 力まかせに計算しています。細部を省略してないので得られる結果は より リアル、なのは御存知のとおりです。これが現代。 そこでの主役はテブナンやノートンに代わってミルマンなどです。 テブナンはノートンとペアです。 http://daru.blogspirit.com/images/medium_thevenin-norton.gif 冒頭のサイト、テブナンの次にノートンが居ます。
お礼
ありがとうございました。 自分には少しかったので、一生懸命勉強して理解できるよう頑張ります。
- guuman
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端子Aと端子Bの間に抵抗と電流源と電圧源からなるどんな複雑な回路が接続されていても端子Aと端子Bとその回路からなるものは 端子Aと端子Bの間に抵抗と電圧が直列につながっているものと等価である これは回路解析や回路設計(トランジスタ回路やOPアンプ回路等)によく使われます
お礼
遅れて申し訳ありません!よく理解できました。 ありがとうございました。
お礼
御丁寧にありがとうございました。 とても良く理解できました。