カイン再考
極端な仮説を提出して 再考をのぞみます。
まづやはり先に そのくだりをかかげます。
▲(創世記 4:1-16) ~~~~~~~
1: さて、アダムは妻エバを知った。
彼女は身ごもってカインを産み、
「わたしは主によって男子を得た」
と言った。
2: 彼女はまたその弟アベルを産んだ。
アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。
3: 時を経て、カインは土の実りを主のもとに献げ物として持って来た。
4: アベルは羊の群れの中から肥えた初子を持って来た。
主はアベルとその献げ物に目を留められたが、
5: カインとその献げ物には目を留められなかった。
カインは激しく怒って顔を伏せた。
6: 主はカインに言われた。
「どうして怒るのか。どうして顔を伏せるのか。
7: もしお前が正しいのなら、顔を上げられるはずではないか。
正しくないなら、罪は戸口で待ち伏せており、お前を求める。
お前はそれを支配せねばならない。」
8: カインが弟アベルに言葉をかけ、二人が野原に着いたとき、
カインは弟アベルを襲って殺した。
9: 主はカインに言われた。
「お前の弟アベルは、どこにいるのか。」
カインは答えた。
「知りません。わたしは弟の番人でしょうか。」
10: 主は言われた。
「何ということをしたのか。
お前の弟の血が土の中からわたしに向かって叫んでいる。
11: 今、お前は呪われる者となった。
お前が流した弟の血を、口を開けて飲み込んだ土よりも
なお、呪われる。
12: 土を耕しても、土はもはやお前のために作物を産み出す
ことはない。
お前は地上をさまよい、さすらう者となる。」
13: カインは主に言った。
「わたしの罪は重すぎて負いきれません。
14: 今日、あなたがわたしをこの土地から追放なさり、わたし
が御顔から隠されて、地上をさまよい、さすらう者となって
しまえば、わたしに出会う者はだれであれ、わたしを殺す
でしょう。」
15: 主はカインに言われた。
「いや、それゆえカインを殺す者は、だれであれ七倍の
復讐を受けるであろう。」
主はカインに出会う者がだれも彼を撃つことのないように、カインに
しるしを付けられた。
16: カインは主の前を去り、エデンの東、ノド(さすらい)の地に住んだ。
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☆ 《4:6 どうして顔を伏せるのか》は 内面の暗い重い闇に落ち入った感じをつたえそうな表現であり じっさい原文は 《どうして顔が落ちているのか》という言葉で表わしているのだそうです。
→【Q:カインは なぜ・どこが わるかったのか?】No.36お礼欄
http://okwave.jp/qa/q7308621.html
ですが 今回は 形式的なこと・表現技法にかんすることがからんでいるのではないかという・ちょっと人を食ったようなとさえ見られる見方を提出します。
(あ) このカインの物語は カインがどうだアベルがこうだという問題では必ずしもなく そうではなく ひとえに《ひとごろし》という主題を アダムとエワの物語のあとに提示してみせたのだという解釈です。
(い) すなわち聖書記者は 天地創造が終えられたあとの初めに 《善と悪とを知る木から採って食べた》という・おそらく人間の自由意志の主題をあつかった。そのあと ただちに――エワとアダムとは その自由意志を おのれの心にさからったかたちにおいても 発揮することがあると物語ったからにはそのあと ただちに―― 人が人をころすという主題を取り上げた。
(う) だから アベルが遊牧民でカインは農耕民だという違いを要因として取り上げたり あるいは一にも二にも 信仰の問題であってそれは なかなかオモテには出て来ないのだと信仰論で済ませようとしたり さらにあるいは けっきょくカインは 神がアベルの供え物を喜んだが 自分のそれには目を留めなかったところから アベルに嫉妬したのだと説明したりする議論は 解釈に失敗するか もしくは タメにする議論に落ち入るのではないか。
(え) すなわちつまり エワとアダムの事件では 《自由意志には すなおな心とへそ曲がりの心とがある》と理論づけたのだし ここカインの事件では 《その自由意志が みづからのであれ・他人のであれ同じ自由意志を・つまりは自由意志の主体として人間という存在そのものを抹殺することがある》と論じすすもうとしている。
(お) エワとアダムとは へそ曲がりの報いとして エデンの園を追われた。カインは
▲4:12 お前は地上をさまよい、さすらう者となる。」
▲4:15 ~~~~~~~~~~~~~~
主はカインに言われた。
「いや、それゆえカインを殺す者は、だれであれ七倍の
復讐を受けるであろう。」
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☆ といったように捌かれた。この結果をもって ひとが人をころすことがないようにとされた。
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ブレインストーミングのごとく 思いっきり自由なご見解をどうぞ。
言わなくてもよいと思われますが フルボッコのご批判をどうぞ。
お礼
なるほどです…。どうもありがとうございます。