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「水」の概念が持つ女性性
哲学より文化研究や人類学的な質問なのですが、ご容赦ください。 大学の比較文化論のレポートで、水と文化について論じようと思っています。 個々の事物の持つイメージ・概念は、文化によって異なる場合が多いとされていますが、その中にあって「水」には女性的なイメージ、それもある種の聖別化された処女性のようなものを連想させるものが多くの文化に共通して存在しているように思えます。 例えば日本においては、古くは雨乞いの巫女から現代の都市伝説であるタクシーの消える乗客の話があります。西洋でも絵画作品のオフィーリアの例がありますし、少し焦点がずれますがアフリカなどの水が少ない地域において水運びが、重労働なのにもかかわらず女性の仕事とされていることなどがあります。 最後の例は別として、いずれも母親や既婚女性の気配を感じさせません。 まだ論点も具体的に定まってはいないのですが、関連する書籍や思想などをご示唆いただけないでしょうか。出来れば前述のような伝承から都市伝説までを踏まえたものにしたいのですが・・・。 一般教養科目であり、制限字数(4000字)・提出が夏休み前なので、そこまで突っ込んだないようである必要はありません。(詳しくやっていたら、それだけで人生終わってしまいそうな内容になりそうなので・・・。) シラバスの参考文献に載っているものはバシュラール「水と夢」やダイクストラ「倒錯と偶像」、ビュホー「涙の歴史」やエリアーデなどなのですが、1日二日で読破できるようなものでは到底ないので困り果てております。
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>水と文化について論じようと思っています 修士論文に近い壮大なテーマですね。というか著作になったら読みたいです。 >「水」には女性的なイメージ、それもある種の聖別化された >処女性のようなものを連想させるものが 女性の産褥 生理などのイメージから女性は大地とはむすびついても 浄化する水というものとはなかなか結びつかないような気もします。 水子とか、流れるというのは出産の禁忌ですね。 でも水天宮は(あめのなかぬしのおおかみ)とかありますし・・・ >多くの文化に共通して存在しているように思えます。 関連する書籍や思想などをご示唆いただけないでしょうか。 講談社 ブルーバックス『水とは何か』 水は科学的にも謎の物体です。 分子量は18 普通H2Oは この分子質量なら常温では気体であるべきなのです。 実際、常温で分散化した水は「蒸気」となって気化していますね。 しかし、気化した水は常温で凝結して液体の水になる。 これは極性分子の構造を持つからですが、なぜ炭素が酸素を直線で持つように 水素は酸素をまっすぐの構造で結合しないのか・・・それゆえに水はクラスターという 巨大な分子のような構造をもって、そのすき間にさまざまなものを溶かし込む。 また、独自のスピンエネルギーとして潜熱のようなエネルギー貯蔵庫にもなる。 文化と水を語る前に、水の科学自体がかなり神秘的なものだということを 知っておくのもよろしいかと存じます。 年間160以上の水に対する研究論文が発表されていてもまだ水については わからないことだらけです。 火と水の対比 これが謎を解く鍵になりませんか? 火は男性的で、汚物を浄化し祭祀でも不可欠なものです。 一方水は火を消し、いさめ治めます。しかし一方で、火は水を蒸気に変える。 陰陽五行の立場では、壬癸が女性で庚辛が男性というのはありません。 タレスの万物の根元(アルケー)を水と考えたのも燃えつくす火との対比 戦争の神マルスとの対比があるように思います。 西洋占星術では、アクエリアスエイジ「みずがめ座の時代」がすでにはじまって いるそうで、2000年周期で エジプトからキリスト誕生まで続いたおひつじ座の 時代のあとに今までのうお座の時代が終わり、これからはみずがめ座の時代 だといいます。残念ながらみずがめ座の守護星は、水星でも海王星でもなくて 天王星です。水とは縁がないです。しいていえば天王星の衛星の一つに オフィーリアがありますね。 奈良の山奥に 天川弁才天という弁天さまがあります。 普通弁天さんは、江ノ島だとか浜名湖だとか海辺にあるのになぜか 山奥にあります。 弁天さんは、インドのサラズヴァティ(創造神 ブラフマーの妃)は サラスは水を表す。ヴァティは所有。水を持つもの、転じて優美なもの の意だそうです。インドの経典には河川の名として現れ 日本の弁天さまも水域と関係のある神様である点が共通しています。 エジプトのイシスは 地母神 水といえば 大洪水で世界が破壊するという「洪水神話」は世界的に広く 分布している。古代バビロニア あるいはギルガメッシュ叙事詩 ギリシャ神話 水を支配する神は、古くは竜神 バビロニアの『エヌマ・エリシュ』の中に描かれる 天地創造に出てくる川の神アプス さてギリシャ神話の美と愛欲の女神 アプロディテ( ビーナス) は水と関係があるのだろうか。 もともとエーゲ海に投じられた天空神ウラノスの陽根とその周囲に沸き立った 白い泡(精液)から生まれた。(ビーナスの誕生は絵画にも多く描かれている) 美と愛のほかに 後悔、芳情 春の恵み 戦争などをつかさどる神さまらしい。 処女性でいったらアポロンの妹のアルテミスだが、彼女は処女と童貞の守り神。 水と女性を結びつけるのは、火と男性を結びつける連想から可能だが なかなか論考は難しそうな気がします。 日本では 禊 穢れと推論していくと水と差別思想や神事に行き着きます。 そういう意味では『逆説の日本史(4)ケガレ思想と差別の謎』井沢元彦は 読まれておくと論考に深みが増すと思います。
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- kaitaradou
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産湯から末期の水、墓にかける水の間に水垢離などもありますね。汚れを取り除くことと新たな生命が戻るというような感じなのでしょうか。夏休み前というもは厳しいですね。雄大なテーマでがんばってください。期待しています。
お礼
迅速なご回答ありがとうございます。 産湯や死に水を取る(末期の水)と言うのは日本独自の行い(神道文化?)なのでしょうか。産湯にはまだ非宗教的な意味があるのかも分かりませんが(しかし折口信夫の著作に産湯信仰と言うものがあったような・・・)、臨終のとこにある人に水を飲ませると言うのは、科学的な意味はないですよね。 そうなると四元素と葬送の儀礼の関係まで思考がいってしまいますが・・・きりがないですね(苦笑) ・・・4000字程度のレポートで扱うテーマではないのかもしれません。
お礼
大変丁寧なご回答、ありがとうございます。 一般教養のレポートに扱えるレベルのテーマではないようですね(苦笑) 能力も時間も、条件も足りません。レポートのテーマは変更する可能性が高いですが、個人的には非常に興味があります。 >女性の産褥 生理などのイメージから女性は大地とはむすびついても >浄化する水というものとはなかなか結びつかないような気もします。 なるほど。処女性のイメージと水の関係は、最初雨乞いの巫女から思いついたのですが、こちらは巫女と言う存在に処女性が関係してくるのであって、雨乞いに限ったものではありませんでしたね・・・。 ただ、都市伝説の「消える女性タクシー客」は水との関連が深い伝説(行き先が水に関係する場所、シートがびしょ濡れ)ですが、この女性客は、年齢に関する描写が一切ないにもかかわらず、老女・母親・既婚女性のイメージとつながらず、若い女性のイメージが隆起するように感じます。それが処女性のイメージとつながってしまったのでしょうか・・・。処女性には聖別の意味だけでなく、不安定さの象徴にもなりますから、存在の不安定さとも重なってしまったのかもしれません。 水と火の対比ですか。確かに鍵を握る概念であるように思えます。陰陽五行説では水が妨害するのは火ですが、水を妨害するものは土ですよね。 水と火の2項対立ではなく、アリストテレスの4元素と葬送儀礼(宗教と水)についても色々考えられそうです。 水辺の神々に関することを考えていくと、聖域と水(聖と俗をわける水)にも話がいってしまいますよね。うーん、難しいです。 混乱してきました・・・。 上にも書きましたが、一介の学生が専門でもない領域で、それもたかだか数千字のレポート・限られた時間でかけるものではないですね。