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加硫反応について
ゴムの加硫は有名ですが、その反応機構がよく分かりません。 硫黄がアニオンとなって、架橋していくようなイメージを持っていますが正しいのでしょうか。 加硫促進剤の働きを含めて教えていただければ幸いです。
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硫黄によるゴムの加硫における反応機構は、硫黄がアニオンで反応しているのでは、ないと思いますよ。 機構としてはラジカル反応です。 天然ゴムは分子内に2重結合をもっています。 しかし、硫黄は、この2重結合と反応するのではなく、2重結合の隣の炭素と反応します。 S8(8員環)の硫黄が加熱(160℃位)で開裂し、分子内に2つのラジカルをもつ中間体が生成します。 これが2重結合の隣の炭素から、つまりアリル位の水素を引き抜きます。 アリル位にラジカルが生じますが、このラジカルと別の硫黄中間体とが結合して、ゴムに硫黄が付加します。 硫黄中間体はビラジカル(分子内に2つのラジカルを持つもの)ですから、天然ゴムのラジカルと再結合しても、末端にラジカルが残ります。 これが、別の天然ゴムに生じたラジカルと反応することによって、架橋が形成されると考えられます。 代表的な加硫促進剤である2-メルカプトベンゾチアゾール(MBT)は酸化亜鉛の存在下、ペンダント型まで進んだ硫黄を次の段階に進ませるところを促進します。 詳細な反応機構は、省略します。
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「ゴムの架橋」は「ゴム屋さん」に任せたいので、ちょっぴりだけ。私は「硫黄屋」。^^ まず架橋構造。下記URLをご覧下さい。ここのHPの記述は時々間違っていることがありますが、絵はきれい。 http://www1.accsnet.ne.jp/~kentaro/yuuki/polymer/polymer.html 次に架橋の化学、添付の「日本ゴム協会誌」第75巻 平成14 年(2002)に「特 集」■ゴムと架橋■という、うってつけのものがありますので、探してみて下さい。 <(_ _)>
お礼
doc sunday様、ありがとうございました。 早速ご紹介の文献を探してみます。